ジジババのたわごと

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グーグル撤退で中国が暗いイメージ

2010年03月25日 | Weblog
グーグルが、中国の検索サイトからの撤退を決めた。
グーグルは2006年、中国政府の統制ルールを遵守するという要求をのんで中国サイトを開設した。
「天安門事件」や「ダライラマ」、「チベット問題」といったような中国政府にとって都合悪い政治問題は、検索結果が出てないようにグーグルが自主検閲を行ってきた。

しかし、このことで「1社2制度」と批判されてきた。
グーグルは、「世界のすべての情報にアクセスできるようにする」ことを最重要に掲げている。
中国の大きな商圏に進出するために、民主主義を拒む勢力と手を結んだと非難されてきた。
中国の人権保護運動家らのメールがサイバー・アタックを受けていた。中国政府が関与したことが濃厚となっていた。
それを機に、グーグルは自主規制の撤廃を中国政府と交渉してきた。
中国が応じることはないと予想されたが、案の定中国政府の壁は厚かった。

苦肉の策としてグーグルがとった方法は、中国本土から撤退するが、本土のネット利用者がアクセスすると自動的に香港のサイトに転送されて、検閲の無いニュース、画像、ウェブなどの検索が利用できるようにするという。
香港は中国の一部だが、返還以来、中国本土とは異なる独自の法律で、インターネットの運営は自由度も高く、本土のような規制はないといわれる。
しかし、これも当局の妨害にあうことはほぼ確実だ。
グーグルは中国からの撤退でビジネス上の経済的損失をこうむるのは明らかであるが、今回の中国との対決で全世界からの信頼性を高めたともいえる。
どれだけの財産になって将来返ってくるか。

中国当局にとっては、国内の暴動や反乱を押さえつけることのほうが優先事項なのだ。
「中国政府が人権侵害をしている」、「言論の自由が保障されていない」と非難されようとも、政府に反対する勢力を助長させることになる検閲の譲歩はできないということなのだろう。

グーグルが撤退することを事前にキャッチした中国政府は国内で報道規制に出た。
メディアに出した通達では、政府の方針に反対する意見をことごとく抹殺するものである。
報道してはならないとされた対象は、「人民元切り上げ問題」、「官僚の腐敗」、「貧富の格差」、「戸籍制度改革」などなど・・・。「新疆ウイグル騒乱」や「チベット騒乱」はもちろん含まれる。
これらのことを報道してはならないというのだ。政府を賞賛する記事は歓迎するというのだから開いた口がふさがらない。

現在は経済が好調でGDPが世界第2位となり、政府関係者は自信を深めている。発言力も増している。
しかし、グーグルが中国から撤退を決断したことは、中国政府の対外的なイメージダウンになった。情報を管理する閉鎖された体制であることを、改めて全世界に知らせる結果になった。
それに加えて、報道規制を強化したとなれば、いっそう国際的な批判にさらされる。
中国は閉鎖された暗い大国というイメージが定着する。長期にみて決して賢明なことではない。

政府に好都合なことばかりの情報操作を行いながら、経済だけが発展することはありえない。
中国経済はいまや海外との結びつきを深めている。政治と離れて経済が反対方向には進めない。
いくら1国2制度を唱えようとも、いずれ情報操作の負の部分が経済の足かせになっていくだろう。


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