ジジババのたわごと

孫たちさらにその孫たち世代の将来が、明るく希望が持てる時代になってほしい。

風評被害か実汚染か混沌

2011年04月08日 | Weblog

 

風評被害が広がりそうだ。農産物から海産物に広がってきている。

さらに食品ばかりでなく、思わぬところへ波及してきた。

海外の取引先から、工業製品についても汚染されていない証明を求められる、というところまできてしまった。

 

国内の食品について見ると、「風評」によるものなのか、実際の「汚染による被害」なのか、混然となりつつある。

政府や専門家やメディアが「安全だ」「微量だ」「低濃度」「ただちに健康に影響はない」と繰り返したけれど、真相が明らかになるにつれ、住民は深刻な状況であることを知るようになって、信用しなくなったことが根っこにある。

 

水素爆発や蒸気放出による大気の汚染が広範囲に及んで、30キロを超える地点でも避難するレベルになっている。

さらに原発から高濃度放射能の汚染水が漏れ出したり、高濃度汚染水を移送するために玉突きで低濃度の水を海に放出したりで、海の汚染も徐々に広がっている。

 

一部の食品が基準値を超えただけで、ほかのものは放射能が規制値を超えていないのに、取引を拒否されたり市場ルートに乗らなかったり、価格が急落したりしている。

たしかに風評被害だ。間違いなく過剰反応と言ってよい現象である。

 

ただし、消費者の心理としては、「低濃度」「ただちに健康に影響はない」という話が、次々覆されていく現実を前に、安心できない気持ちになってくるのは成り行きとして自然だ。

政府やメディアの発表を疑いを持って聞くようになってしまっている。

 

はじめのころと違い、福島原発が相当深刻な状態になっているのだと、認識するようになった。

そもそもの元である原発の事故が当分収束しそうになく、見通しが立たない状況であることが、立ちはだかっている。

 

燃料棒はこのあとも、年単位の期間にわたって冷却し続けなければならないのだが、そのめどが立っていない。高濃度の汚染水の漏洩が止まるのかどうかも判らない。

放射能の蒸気や汚染水の飛散が止まったとは到底言えない段階だ。

危機的状況から脱していないことは間違いなさそうだ。この先あらたな難関が現れるかもしれない。

 

海外からも日本政府の発表が真実を伝えていないと非難されている。

みんなが懐疑的になるのはもっともなところである。

 

立場を変えてみれば、「牛肉のBSE問題」や「中国産食品」について、安全だとその国の公的機関でお墨付きを与えても数値を示されても、日本の消費者の疑いの気持ちが解消されないのと似たところがある。

 

政府は、現在50ミリシーベルト以上の地域を避難地域としているが、20ミリシーベルト以上の地域も避難地域に含めることを検討していると発表した。

現在の50ミリシーベルトは短期間に大量の放射性物質が出ることを想定した安全基準で、長期間にわたって累積した場合の健康への影響を判断しなければならない。どのくらいが退避の基準になるか、限度量を引き下げることを専門家に検討してもらっていると語った。

 

ストレートに言えば、ゴマカシがきかなくなったということだろう。

当然、指定されていない30キロメートル以上のところでも、20ミリシーベルト以上の場所は避難地域となるに違いない。

 

土壌の放射能がこれからどんな影響を及ぼすか、注目すべき重大な問題だ。

その推移によっては、風評被害がさらに拡大することになりかねない。



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