北海道にある、旧「かんぽの宿」を巡る疑惑が持ち上がって、大阪府警が関係する会社の家宅捜索に乗り出したというニュースが流れた。
大雪国立公園の層雲峡温泉地区にある、鉄筋コンクリート5階建ての旧「かんぽの宿層雲峡」である。
現在、外壁2ヶ所が巨大な穴が口をあけている。
地元の人が「幽霊屋敷」と称するほどの異様さだ。
壁の穴は、持ち主が建物の評価を下げて固定資産税を免れるために、わざと開けたというから絶句してしまう。
この「かんぽの宿層雲峡」は、約37億円余りをかけて建設された。
02年にオープンしたがわずか4年後、郵政民営化へ向けた不採算施設廃止の一環で閉館になった。
郵政公社は07年に、約1億7000万円ほどで東京都内のレジャー会社に売却した。
外壁に重機で穴を開けたのはこの会社だという。
その後コンサルタント会社に転売され、さらに大阪府にある「ネステージ」社に所有権が移った。
「ネステージ」社が行った第三者割当増資の際に、代金の代わりに現物出資として株が提供された、というわけだ。
このとき、約5億2000万円という売却時の3倍の評価額であった。建物が破壊されていたにもかかわらず・・・。
評価額を過大に見積もり、増資が成功したかのように装った「金融商品取引法違反(偽計)」の疑いで大阪府警が捜査を始めたというわけだ。
町長は「景観が傷つけられ、観光客に寂れた温泉街という印象を与えかねない」と無責任さを嘆いている。
建物を重機で破壊するとか、過大評価させて現物出資で増資に当てるという手口には唖然とさせられる。
しかし、それもこれも元はといえば、採算を度外視してホテルや観光事業に乗り出した、旧郵政関係者の不始末が発端なのである。
天下り確保だったわけか。
水増し増資疑い(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110217k0000m040125000c.html
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます