ジジババのたわごと

孫たちさらにその孫たち世代の将来が、明るく希望が持てる時代になってほしい。

ますます限界を感じる労働組合

2009年01月16日 | Weblog
連合を中心にして春闘が始まったが、非正社員の声が新聞に紹介されていた。
「労働組合は会社の味方でしょ。最初から何も期待していない」
非正社員の目には、そう見えても不思議でない。正社員ばかりで組織する既存の労働組合が、非正社員の待遇に本気で取り組んだことがなかったのだから。

最近の労働組合は大企業の正社員か公務員といわれるほどだから、「会社の味方」と見られる本質を併せ持っている。
「働くものの立場」とかスローガンをかかげているが、「労働貴族」と言われてもしかたない内実である。

日本の労働組合のほぼ全部が企業ごとに組織する「企業内組合」である。
期限付きの非正規労働者は、景気動向によって企業の調整弁になる運命にある。
本来の労働組合の意義は、雇用確保と底辺の労働者を守ることが第一義の使命であろう。
正社員にとっては、非正社員が調整弁になることで自分たちを守ることにつながる関係になる。
そういう立場の非正社員を組織内に取り込むことは、みすみす面倒な問題を抱え込むことになる。
非正規労働者の立場を擁護できないことを見通しているから、労働組合は自分たちの組織に加えようとしない。ここに労働組合のジレンマが生まれる。

雇用形態にかかわらず、同一労働に対し同一賃金を追求することは、本来の姿なのだが、ここでも労組は似たようなジレンマに突き当たる。
ワークシェアリングが取りざたされているが、どちらかといえば、単純な仕事に向いた制度でないだろうか。
かりに導入したくても、あらゆる職種に適用できるシステムではなさそうだ。

労組として、正規労働者の待遇と非正規労働者の待遇をどのように考えるか、という根本に逃げないで向き合うべきである。
今春闘ではもう一つ、「労働分配率」に比べて「株式の配当性向(分配率)」がどうなのか、「役員手当ての動向」と「労働者の賃金動向」はどうなのかを、労働組合はもっと取り上げてみたほうがよいのではないか。


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