卵かけご飯がまた流行り

卵かけご飯の専門店が各地に広がって人気だという。
昔はご馳走がなかったから、どこの家でも卵ご飯をよく食べていた。旅館でも朝食によく生卵がついてきた。
10年程前にも卵かけご飯が流行って、卵専用の醤油というものも出回ったほどだ。
ババも小さい頃から卵かけご飯が大好きだ。

その頃は家で鶏を飼っていたから、毎日新鮮な卵を食べることができた。
親鳥が卵を産んでまだ巣箱にいるのに、そこに手をつっこんで突かれた傷が今も残っている。
卵は姉と分けるのだが、ババはご飯を盛った真ん中を箸で穴を開けて卵を待つ。姉は黄身が好きでいつもババに白身をくれる。
ババは白身のほうが大好きで、生卵は醤油との相性が抜群だ。

運動会となると、いつも生卵を飲んでから走った。飲まされていたというのが当たっている。母親が応援がてら生卵を持参するのだ。
学校や地区の運動会には必ず飲まされていた生卵。飲むと本当に力が湧いてくる感じだった。
母親に「お前は生卵を飲むから速いんだよ」と言われ続けて、ずっとそう信じていた。
ずいぶん大人になってから、走る前の生卵は消化によくないから飲まないほうがいい、という文面を見つけて絶句。
おまけに母親自身が生卵を食べられないと知って唖然。そういえば母親はゆで卵が好物だったのを思い出した。

それほど食べた卵だが飽きもせず今でも好きだ。
活きのいい卵を温かいご飯にかけて食べたくなってしまった。