ジジババのたわごと

孫たちさらにその孫たち世代の将来が、明るく希望が持てる時代になってほしい。

郷土料理のナンコ

2011年09月21日 | Weblog

「馬ナンコ」という料理を知っている人は限られているだろう。

馬の腸を使った炭鉱料理のことだ。

北海道でも、ある土地以外では食べられない郷土料理だ。

今だからこそ郷土料理なんていうとかっこ良く聞こえるが、当時はどこの家でも普通に食べていた炭鉱料理。

炭鉱が最盛期のころは大人たちも外でナンコ鍋を囲んでワイワイとやってもいた。

 

グロテスクな生のナンコをゆでると、独特の臭いが家中に充満する。

嫌いな人ならこの臭いで参ってしまうだろう。

ストーブに鍋をのせてナンコをグツグツ煮る。

竹の子、こんにゃく、玉ねぎなど各家庭の好みの材料を入れる。

調味料と味噌で味を調えると出来上がり。

幼い頃からあった料理のせいかババは臭いは気にならない

 

炭鉱はとうのむかし閉山してなくなったが、今でも住人は寒くなるとナンコ料理を作る。

一軒一軒家庭の味があるナンコ料理。

わが娘は、ババの姉の作るナンコが一番美味しくて味が忘れられないと言う。

 

ババはナンコを作って娘に食べさせたことがあるが、娘はその度に「おばさんの作った味でないなぁ」なんて言う。

どこが違うのかわからない。

年季の差だろうとジジは笑う。こんど姉宅に調理実習に行かないとならない。

 

娘家族が親しくしている家族と焼肉をしたとき、ナンコが話題になったらしい。

旦那さんが興味をもったようで一度食べてみたいと乗り気。

ナンコは限られた土地にしか売ってない。

ちょうど用事があったババはナンコを手に入れてきた。

 

さて、娘が自分で料理するのは初めて。

娘は初めて自分で料理したナンコを持参したが、蓋を開けた途端、その旦那さんが「くさっ!」と発した。

奥さんが恐る恐る一個つまんだ。意外な顔をして「あら、食べれる!」と。

奥さんにならって、子供二人も、旦那さんも一個つまんだ。

みんな大丈夫だと言うからおすそ分けした。

 

だがそのあと、「あの時は食べれたのに、臭いがきつくてやはり食べられない」と電話があった。

「お腹がすいていたからなのかなぁ・・・ごめんね」と謝って、ナンコを娘宅にもどしに来たという。

ちなみに娘宅では旦那さんも子供たちも食べない。

我が家でもジジは食べない。

 

ナンコといえば酒も煙草もせず、これを食べて家族のために頑張ったであろう父を思い出す。



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