ジジババのたわごと

孫たちさらにその孫たち世代の将来が、明るく希望が持てる時代になってほしい。

公務員の給与が問題視されるのはなぜか

2010年10月17日 | Weblog
政府は国家公務員の給与について、片山総務大臣を中心に勧告を上回る引き下げができないか検討を進めてきたが、人事院勧告に沿った引き下げを行う方向を固めた。
大幅削減に反対を唱える党内の官公労出身議員に配慮したという批判も出ている。

公務員の給与や待遇がやり玉に上がるのはなぜなのだろうか?
仕事の内容に比べ給与が高いという見方がある。年金制度や健康保険制度、住宅や福祉などの制度で優遇されているという見方もある。
そんな中で最大の違いは、雇用の安定度であろう。

民間では、近い将来会社が倒産して失業するかもしれないという、雇用の不安を肌で感じとっている人が多い。
給与が高いとか低いとか論ずる以前の段階で大きな違いがある。
公務員と遜色ないほど実質的に雇用が保証されている民間職場は、今やごくごく限られた企業だけである。
「雇用に不安がない」という決定的な違いが、官民の不公平感の底に充満している。

給与や労働条件は使用者と労働者が交渉して決定するのが本来の姿である。
使用者は有利な立場にあるので、労働者が使用者に対抗する手段として争議権(ストライキ)が与えられている。だから話し合いで決まらなくて、ストライキに突入することがある。

日本の公務員は、ストライキが禁止または制限されている。
その代替措置として、中立な機関の「人事院」が公務員の給与を決める仕組みになっている。人事院が勧告して、それを尊重して政府が決定する手順を踏むのであるが。
その際、従業員50人以上の企業を参考に決めるとされている。
この公務員の給与水準を決める「従業員50人以上」という基準を見直すべきという意見が出されている。
もし、50人以下の民間企業も含めて多くの労働者を比較対象にしたら、現状よりかなり下がることは間違いない。

国や地方自治体の財政が逼迫している現状なので、人事院の勧告以上に減額することも検討されている。国の財政状況からも国民感情からも、現行の人事院勧告だけでは物足りないという認識である。
民主党のマニフェストでも国家公務員の人件費削減を掲げている。

人事院が公務員の待遇を決める仕組みを継続するのであれば、給与だけの比較ではなく、もっと総合的に判断して決定する必要がありそうだ。
解雇を想定していない制度、つまり雇用不安のない公務員の制度は有利な条件下にあるということに着目して、なんらかに反映させるのでなければ国民の不公平感は消えない。
公務員にまつわる制度の見直しと慣行に手をつけなければ、いまや時代に合わなくなっている。

給与を下げると優秀な人材が集まらなくなると指摘する意見もあるが、年功序列でなく、能力・実績に応じて処遇する制度に改めるなどして、やる気があり能力ある人材が活躍できる環境を整えることが必要だ。

公務員に民間と同様の労働基本権(ストライキなど)を与え、労使交渉によって給与を決定する仕組みにするという案もだされているが…。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿