
西青山駅
西青山と東青山を結ぶ青山トンネル。近鉄線では約5KMの最も長いトンネル。今や超高速で抜ける区間となっていますが、約40年程前までは単線区間で、別のルートを走っていました。一度訪れてみたかった廃駅の旧東青山駅に行ってみました。

廃線・廃トンネルマニアでないので、車で垣内の集落を抜け、とにかく行ける所まで行きます。山道を進むと途中で駐車できそうなスペースがあったので車を止めて歩くことにします。車で登る方もおられるようですが。

途中、滝を横目にひたすら登り続けます。水の音がとても心地よいです。

細い山道ではありますが、舗装はされています。当時、東青山駅に向かう唯一の生活道路だったのかも知れません。

覚悟を決めていたものの思ったより早く森林の中から開ける場所へと出ました。すぐに目的地だとわかりました。40年もの年月が経っているのですが、駅跡は残っています。小さな達成感と満足感を感じながら、しばらく散策します。

駅から旧青山トンネル方向(西方向)を見ます。

駅から東方向を見ますと、すぐにトンネル(滝谷トンネル)が見えています。マニアの方は東の方から廃線跡を辿りながら、いくつかのトンネルを抜けて来るらしいです。

山の中の駅らしくホームは木製でした。

誰もいないホームで、風だけを感じながら休息します。小学生の頃、友人と二人でこの駅に降り立ったことを思い出します。辺りは山に囲まれ、ひたすら上へと続く遊歩道がありました。恐らく青山高原へのハイキングコースだったのでしょう。そして、どうしても遠い記憶の中から悲劇の事故の記憶が蘇ります。同じ沿線で育った当時の子供にとってはあまりにも身近で衝撃だった青山トンネル事故。当時のテレビが伝える事故の様子をおぼろげに覚えているものです。内容は省略しますが、暴走した特急列車はこの駅から滝谷トンネルへと飛び込んで行ったことになります。当時は単線区間で33‰の急勾配でした。この事故をきっかけに複線化工事が急速化したようです。
鉄道ファンとして一度来たかった旧東青山駅。山深い場所ですが、駅跡だけは今も開けた心地よい駅でした。色んな意味でも来てよかったと思えます。