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共通世界語エスペランテート(連載第25回)

2019-08-15 | 〆共通世界語エスペランテート

第2部 エスペランテート各論

(5)種々の構文②

Ⅲ 連辞文

 「AはBである。」をあらわす連辞文では、連辞として動詞estiをもちいることを原則とするが、口語体では連辞を省略することができる。

 「・・・である」をあらわすエスペランテートの連辞は英語のbe動詞に相当するestiであるが、口語体ではこれを省略することができる。たとえば「わたしのなまえは、太郎です。」は文章体ではMoa nomo esti TAROU.となるが、口語体ではMia nomo TAROU.でよい。
 なお、「わたしの」という人称代名詞の所有格は、名詞のあとに後置することも可能であったから、Nomo moa TAROU.といういいかたもできる。ただし、推奨されるいいかたではない。

 連辞文の述部の補語が形容詞であるばあいは、口語体でも連辞を省略することはできない。

 たとえば、TAROU esti yuna.(太郎はわかい。)を、TAROU yuna.と表現することはできない。エスペランテートでは形容詞を修飾される名詞に後置する用法もゆるされることから、連辞を省略すると、「わかい太郎」という形容詞つきの名詞句との混同が生じるおそれがあるためである。

 動詞は連辞でつなげることにより名詞的に(××すること)もちいることができる。このばあいは、口語体でも連辞を省略することはできない。

 たとえば、Bidi esti kredi.(みることは信ずることである;百聞は一見にしかず)のようなばあいに、estiを省略してBidi kredi.ということはできない。このばあいは、二つの動詞相互の関係性を連辞で明瞭にいいあらわす必要があるからである。

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共通世界語エスペランテート(連載第24回)

2019-08-15 | 〆共通世界語エスペランテート

第2部 エスペランテート各論

(5)種々の構文①

Ⅰ 語順

 エスペランテートには、語順(文成分の配列)のきまりはなく、SVO、SOV、VSO、VOS、OVS、OSVのいずれも文法的になりたつ。ただし、文章体における推奨語順はSVOである。

 口語体においては、上記諸文型はすべて等価的であり、意味・ニュアンスの相違もなく、各自が母語とする民族語の基本語順によって語順を選択することができる。したがって、下記の各文はすべて等価的に「花子は茶がすきだ。」を意味する。

 HANAKO ami teo. :SVO

  HANAKO teo ami. :SOV

  Ami HANAKO teo. :VSO

  Ami teo HANAKO. :VOS

  Teo ami HANAKO. :OVS

  Teo HANAKO ami. :OSV

Ⅱ 疑問文

 エスペランテートでは、疑問文の語順も平叙文とかわらないが、諾否疑問文では文頭に疑問詞chuをおく。

 もっとも簡単な諾否疑問文は、たとえば、つぎのようになる(SVO型を選択)。なお、会話では、英語等と同様、諾否疑問文の文末は上昇調で発音する。

 Chu HANAKO ami teo ?(花子は茶がすきか。)

 ちなみに、これを理由をたずねる疑問詞疑問文に変更すると、つぎのようになる。なお、会話では、疑問視疑問文の文末は下降調で発音する。

 Kiar HANAKO ami teo ?(なぜ花子は茶がすきなのか。)

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