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共通世界語エスペランテート(連載第22回)

2019-08-09 | 〆共通世界語エスペランテート

第2部 エスペランテート各論

(3)基本品詞⑥ 

Ⅷ 動詞の分詞形

 エスペランテートの動詞の分詞形は態を基準とした能動分詞と受動分詞にわかれ、それぞれに継続形・完了形・未然形の活用変化がある。すなわち能動分詞は-ante、‐inte、‐onte、受動分詞は‐ata、‐ita、‐otaである。

 エスペランテートの動詞は分詞を派生するが、英語のような現在分詞・過去分詞といった時制を基準とした分詞ではなく、能動・受動という態を基準としつつ、時制変化にちかい活用変化をする。これは時制変化しない本来の動詞とことなり、分詞は主語の状態をあらわすのにもちいられるため、補足的にときを表現できることが要請されるからである。

 分詞は動詞の派生形であるから、動詞の定形語尾-iを除去して、上記の分詞形をつくる。たとえば、trinki(のむ)の能動分詞完了形はtrinkinte、kobri(おおう)の受動分詞継続形はkobrrataのようにである。

 能動分詞は副詞的にもちいられ、Trinkinte akbo, tiu kato hworkuris.(みずをみおえると、そのねこはたちさった。)のように分詞構文の従属節をみちびく。
 
 受動分詞は英語のbe動詞に相当する動詞estiとくみあわせて、Strato esti kobrata de nejo.(道路がゆきでおおわれつつある。)のように受動態をつくる。

 受動分詞の語尾は形容詞語尾と同等であるため、konstruota domo(建設前のいえ)のように形容詞的にもちいることもできる。

 完了形は、存在しない。

 簡素簡明をむねとするエスペランテートでは、複雑な完了形をもちいるかわりに、時間的な相をあらわす副詞ないし副詞句で実質的に完了を表現すればたりる。jam(すでに)が代表的な完了の副詞である

 Mo yam rerni ESPERANTETO.(わたしは、すでにエスぺランテートを学習した。)

⇔ Mo nun rerrni ESPERANTETO.(わたしは、いまエスペランテートを学習する。)

 進行形は、esti+分詞継続形であらわされる。

 エスペラント語には進行形が存在せず、文脈解釈によるが、単純な時制と時間の進行中をあらわす進行形は区別したほうが便利であるので、エスペランテート語では固有の進行形をつくる。
 たとえば、上例を進行形に転換するなら、Mo nun esti rernante ESPERANTETO.(わたしは、いまエスペランテートを学習中である。)となる。
 なお、現在進行形と過去/未来進行形の区別は、時間の副詞(句)をもちいるか、もちいないばあいは、estiに時制接辞-is/-osを付してあらわす。

 Mo hierau esti
rernante ESPERANTETO.(わたしは、きのうエスペラント語を学習していた。)

 Mo estis rernante ESPERANTETO.(わたしは、エスペランテート語を学習していた。)

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