ザ・コミュニスト

連載論文&時評ブログ 

共通世界語エスペランテート(連載第20回)

2019-08-02 | 〆共通世界語エスペランテート

第2部 エスペランテート各論

(3)基本品詞④

Ⅵ 形容詞・副詞

 形容詞は、語根に‐aを付加してえられる。修飾される名詞の単複や格にかかわらず、一定である。

 形容詞の品詞語尾は、‐aである。品詞語尾‐oをとる名詞とくみあわせると、たとえばbona orano(よいひと)となる。
 この点、祖語のエスペラント語では修飾される名詞が語尾‐jを取る複数形のときは、形容詞も連動して複数形語尾‐yをとるという規則があるが、エスペランテートではこの規則を廃し、形容詞は名詞の単複に連動せず、一定である。したがって、たとえば上例ではbona oranoy(よい人たち)でよい。
 ちなみに、エスペラント語では形容詞が述語としてもちいられるばあいにも、主語が複数形なら形容詞も複数形となるが、エスペランテートではこの規則も廃される。したがって、たとえば「あなたたちは、よいひとたちである。」は、Boy esti bona oranoy.でよい。
 また、エスペラント語では修飾される名詞が目的格のときは、形容詞も連動して目的格語尾‐nをとるが、エスペランテートではそもそも名詞が格変化しないので、この規則も存在しない。

 副詞には、本来副詞と派生副詞とがあり、派生副詞の品詞語尾は‐eである。

 本来副詞とは他の品詞から派生したのでない本来的な副詞のことで、hierau(きのう)、hodiau(きょう)、morgau(あす)など、ときをあらわす副詞に比較的おおくみられる。
 これに対し、派生副詞とは他の品詞から派生した副詞で、たとえば形容詞bonaからbone(よく)が派生する。さらに、orane(ひとに)のように名詞から副詞を派生させる便利な用法もある。これらの規則は祖語のエスペラント語をひきついでいる。

 形容詞・副詞ともに、比較級はbrinを前置することで、最上級はbreyを前置することでつくられる。なお、比較級において「・・・よりも」という比較をしめす接続詞はzanである。

 エスペランテートでは、比較級・最上級特有の語尾というものは存在せず、すべて前置詞で表現される。たとえば、brin bona/e(もっとよい/よく)、 brey bona/e(もっともよい/よく)のようにである。

コメント