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北海道地方郵便局長会が地方創生フォーラム開催

2019年11月24日 20時54分54秒 | その他
北海道地方郵便局長会が札幌で「地方創生フォーラム」開催
基調講演とパネルディスカッションで郵便局の役割探る




 さらなる人口減が避けられない地域社会で郵便局の役割を探る「地方創生フォーラム」が、11月22日午後1時半からANAクラウンプラザホテル札幌(中央区北3西1)で開かれました。(一財)北海道総合研究調査会(略称HIT)の五十嵐智嘉子理事長による基調講演を受け、北海道市長会副会長の山下貴史深川市長や北海道町村会会長の棚野孝夫白糠町長ら6人が、パネルディスカッションで今後のまちづくりと郵便局との連携などについて意見を交わしました。

 このフォーラムは、北海道地方郵便局長会が主催、日本郵便㈱北海道支社の後援で行われ、局長会役員をはじめ道内20地区連絡会の郵便局長や社員、日本郵政グループ3社の幹部など約200人が参加しました。
主催者を代表して佐々木靖会長(手稲駅前郵便局長)が「郵便局は郵政事業現場の最前線であるばかりでなく、地域活動や地域情報活動の拠点でもあります。われわれはこれまで組織を通じて地域社会に溶け込み、多くの地域貢献活動に取り組んできました。しかし、昨今の少子高齢化、過疎化などの急速な進展に伴い地域が大きく疲弊し、危機的状況に陥っています」とし、その対策として「政府は、国の最重要施策として地方創生を掲げ、多岐にわたって推進を図っているが、道半ばにあります。このままでは地域から郵便局がなくなり、ユニバーサルサービスも満足に提供出来なくなることが想定されます。郵便局が地域で求められている役割は、地域の活性化を目指し、ユニバーサルサービスを確保し、今以上に地域社会に貢献する取り組みを促すことにあると思います。地域からの撤退ではなく、いかに地域に郵便局を残すかが最も重要性で、その上で公共性や公益性を保ち、地域に密着したユニバーサルサービスの提供が求められています。郵便局ネットワークと郵便局長という人的ネットワークを最大限に生かし、郵政事業や地域社会の発展に寄与することを期さなければなりません。パネルディスカッションを通じて郵便局が果たすべき役割に対するアドバイス、郵便局が地方創生の重要なツールとして活躍出来るように勉強したい」とフォーラムの意義に触れ、成果に期待を示しました。

 続いて来賓を代表して全国郵便局長会の山本利郎会長(石川・金沢扇町郵便局長)が「人口減少問題に端を発した地方創生は、局長会と会社が一緒になって進める重要な新しい事業です。新しい仕事は必ず壁に当たるもので、それを乗り越えることが大切な課題となっています。地方創生は、郵便、貯金、保険の郵政3事業に加える4つ目の事業と言っても過言ではありません。郵便局は日本国の社会インフラであり、地域に根差して人々から信頼されているからこそ148年の歴史を積み重ねてきています。それをバックに地方自治体と連携を深め、各市町村とともに地域のために仕事をすることが求められています。市町村と郵便局がウィン・ウィンになる取り組みをしなければなりません。郵政事業は恐らくこれまでの規模を拡大する産業からネットワーク産業に変わらざるを得ないと考えています。地方創生の成功例を各地で見聞きしてきましたが、自分の地域だけを良くするという発想は避けるべきです。地域で信頼されている郵便局のみなさんが本気になって取り組むのが重要だと思います」と出席者にエールをおくりました。
 
 「全員参加による地方創生の推進~将来に何を残すか・第2期地方創生~」と題した基調講演で講師の五十嵐理事長は「人口減による消滅可能性都市を公表した増田レポートのデータに基づき北海道分の数値をまとめたが、地方創生における郵便局の役割は重要」と話を切り出しました。その上で「北海道の人口は1995年の569万人をピークに減少へと転じ、1945年から50年かけて150万人増やしたが、その後50年かけて150万人減らしています。2045年には道内45㌫の自治体で、人口が半減以上になる可能性があります」とし、出生率低下の要因や人口流失の推移などと数値を挙げながら説明しました。さらに地方創生の目標は①急激な人口減少の食い止め②人口減少社会に対応する地域をつくる―ことにあり、第1期から2期に入った地方版総合戦略では「全世代の全員が活躍できるコミュニティーづくりを目指し、地域共生社会と地域包括支援の実現が重要となります」と語り、基本目標として①仕事をつくり、支える人材の育成②ひとの流れをつくる③若者の結婚・出産等の希望を叶える④時代にあったまちづくり―を挙げました。官民連携による健康づくりや共生型まちづくりといった全国の成功事例を紹介しました。
 
 (一財)通信研究会の島崎忠宏理事がコーディネーターとなったパネルディスカッションは、山下市長や棚野町長、五十嵐理事長、佐々木会長のほか日本郵便㈱北海道支社の長野善仁支社長、局長会地域貢献・地方再生専門担当の宮島貢理事(士別中央通郵便局長)がパネラーを務めました。山下市長は「日本一の米処(こめどころ)を掲げる農業が基幹産業だが、果樹栽培で生まれたシードルなど新たな動きも出ている」と語り、棚野町長は「北海道は今や広いことがデメリットになっており、釧路地域というエリアでのまちづくりが求められている」と地域の悩みに触れ、共に子育て事業の独自施策を紹介した。

 長野支社長は全道179市町村との包括連携協定締結、47市町村で415郵便局が行政のワンストップサービスを行っているとし、五十嵐理事長は地域事情をしっかり分析の必要性と郵便局がまちづくりの担い手にあると強調した。
 
 宮島理事は宗谷地区会と根室地区会が実施したポス婚(婚活)の成果や買い物サービスの取り組みなどを紹介、佐々木会長は見守りサービスに関して「自治体として費用の行政負担の可能性はあるか」と山下市長、棚野町長に尋ねた。これに対し2人は「同様サービスはほかの企業でも手がけており、行政が負担するには中身が問われてくるので、質の向上が不可欠」と答えました。




佐々木会長のあいさつで始まった地方創生フォーラム

200人余りが駆けつけた会場

来賓あいさつの山本会長

基調講演を行った五十嵐理事長

6人が発言したパネルディスカッション

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