ジョエル・ディケールの『ハリー・クバート事件』を読みました。
マーカス・ゴールドマンはデビュー作がベストセラーになり、大手の出版社と破格の契約を結びましたが、期限が迫っても第2作が書けずに苦しんでいました。彼は大学時代に自分を指導してくれた大物作家ハリー・クバートの住む、ニューハンプシャー州オーロラという小さな町を訪れます。これまで何度もやって来ては指導を受けていた町でした。
ハリーの家の庭から、33年前に失踪した少女の白骨死体が発見され、少女がハリーの代表作の原稿を持っていたことから殺人犯としてハリーは逮捕されてしまいます。ハリーの人柄を知るマーカスは、ハリーの無実を証明するべくオーロラの町に向かい、この事件について調べ始めます。
とんでもない傑作でした。上下2巻の長い作品ですが、破綻もなく人物が実に良く描かれていて一気読みしてしまいました。作者がスイスの人というのには驚きました。他の作品を調べてみたら、3月に新刊が出ることがわかりました。作中のゴールドマンに劣らず、ゆっくりしたペースで仕事をする人です。もちろん読みます。
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