黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『黒影の館 建築探偵桜井京介の事件簿』篠田真由美(講談社)

2009-03-28 | 読了本(小説、エッセイ等)
何も言わずに、親しい人々の前から姿を消した京介。
以前から決めていたことのように、すべてを整理していた彼の行動の理由を知り、その行方を探す手掛りとしたいと願う蒼と深春は、彼の過去を知っているらしい神代を問い詰めた。
その神代が重い口を開き、語ったのは、京介と彼との出会い、そして彼自身が巻き込まれることとなった事件だった。
1980年、イタリアで美術史を学んでいた神代は、義父の病の報を受け、帰国。しかし時既に遅く、息を引き取った後だった。
自責の念に駆られる神代の前に現れたのは、義父の父の代からの知人だという実業家・門野貴邦。
彼に誘われ、“地図にない場所”だという北の地へとやってきた神代は、トレジャーハンターだという男・猿橋を紹介されるが、その晩、猿橋は何者かに殺害され、門野は神代ひとりを残し、姿を消していた。
その後、閉鎖的な地元住民たちにより、謂われのない殺人の罪をきせられ、訳の分からぬまま軟禁された神代は、医師・真鍋に連れられ、その地を統べる一族・久遠家の館へとやって来た。
そこで彼が出会ったのは、ロシア貴族の血を引くという当主・グレゴリ(呉)の息子だという美貌の少年・アレクセイ(叡)、その異母妹・モイラ(珠)たちだった。
さまざまな人々の思惑が渦巻く中、さらなる事件は起き……

シリーズ最終巻の1冊前。京介が何処に消えたのかはひとまず置かれ、彼がかつて別の名前で呼ばれていた時の、神代教授との出会いと、事件の話。
まだいろいろ謎に包まれたままなので、この分だと最終巻がものすごーく厚くなりそうな予感が……(笑)。

<09/3/28>

『身代わり伯爵の潜入』清家未森(角川書店)

2009-03-27 | 読了本(小説、エッセイ等)
リヒャルトに会いたいと願い、シアラン公国へ向かう為、怪盗で幼馴染のヒースに自ら攫われたミレーユ。
ところがそんな中、彼女をサラと呼ぶ男に襲われたところを、兄・フレッドの友人(観察日記仲間)だという、“通りすがりのメイド”アンジェリカに助けられる。が、途中でうっかり水路に落ちてしまった彼女は流されて、気がつけば敵地のまっただ中である、イルゼオンの離宮……シアランの騎士団員である、ロジオンたちに助けられる。
彼らがミレーユを記憶喪失の男…シアランでは女性の短髪は禁忌である為…だと勘違いしたのを利用し、団長ジャック・ヴィレンスに入団を直談判して、許可される。
雑用に追われる中で、何とか情報を得ようと奮闘するミレーユだったが……

シアラン編第2弾。
シリアス展開だったはずなのに、ミレーユは相変わらずむちゃくちゃでいつの間にかギャグ方向…(笑)。

<09/3/27>

『猫と女たち』群ようこ(ポプラ社)

2009-03-26 | 読了本(小説、エッセイ等)
迷子猫・うずまき猫の安否を気にする町の人々、“きたな通り”“きれい通り”の猫たち、拾った子猫“しい”への溺愛…等々、猫や犬にまつわるエッセイを集めた“一 猫のジンセイ、犬のジンセイ”、
中堅の電機メーカーで秘書をする、僕の五つ違いの姉。家ではだらしないが、外面の良い彼女は……『ハイヒールで全力疾走』、
男子高校で教師として働く29歳の私。あとから入った若い子に先に結婚され、周囲の教師たちの同情的な視線が鬱陶しい。そんな中、恋人には別れを告げられて……『気合』、
結婚して10年になるが子供がいない夫婦。妻は出版社でバリバリ働く中、妻の両親から孫をせかされる僕……『どんどんかせいで』、
学生時代に早々に子供ができてしまい結婚した私と、独身でキャリアウーマンの美智子は友人。そんな中、美智子に見合いも話が舞い込んで……『サンダルとハイヒール』、
大場カメヨ・88歳。子供たちからの同居の話も断り、犬と一緒に暮らしている。老人を食い物にしようとする男も撃退し……『おかめ日記』の女性たちを描く短編5編“二 女たち”を収録。

猫(主に)エッセイと女性を描いた短編を収録した選集。
どちらも楽しく読めましたが、特に猫エッセイでほのぼの…。

<09/3/26>

『カンナ 天草の神兵』高田崇史(講談社)

2009-03-25 | 読了本(小説、エッセイ等)
失踪した早乙女諒司を熊本で見たという情報が出賀茂神社に寄せられた。神社の後継者で忍者の末裔である鴨志田甲斐と、東大休学中の巫女・中村貴湖は、成り行きから、甲斐の高校時代の同級生で『月刊歴史探究』の雑誌記者・柏木竜之介とともに天草へと向かう。
一方、その天草にある児童養護施設<ロザリオ園>の園長である、シスター・谷地藍子が何者かに殺害されるという事件が発生。彼女は、その少し前に謎の旅行者の看護をしていたという。
捜査一課の刑事・新垣達夫は、ロザリオ園の母体でもある<天草ロザリオ教会>の神父・加瀬越司が、日用品を普段より多めに購入していたこともあり、犯人を匿っているのではないかと不審を抱く。
さらに、彼女に付きまとっていたらしい男・依田昌市も遺体で発見されて……

シリーズ第2弾。今回は、天草四郎と島原の乱の謎に迫るお話。
四郎にまつわる推理などは興味深かったのですが、事件自体の謎の魅力が今ひとつなのと、内容があっさり過ぎ(1段組な上に、この薄さで薀蓄を盛り込むのが、ちょっと無理かも…)なのが、若干微妙…。

<09/3/25>

ふっくらまんじゅう・その5@ドルチェ小川

2009-03-24 | スイーツ
 チーズ、紫芋、バナナ、胡麻の4種類。 ※今回は半分に切ってみました(笑)。
 チーズと紫芋は、以前にも載せたので省略。
 バナナはバナナ風味のクリーム(『東京ばな奈』風?)、胡麻は黒胡麻風味のクリームが入っています。
 
 これで大体の種類は網羅したのですが……あとはブルーベリーだけかな?
 
 ドルチェ小川:新潟(見附)

『私立探偵・麻生龍太郎』柴田よしき(角川書店)

2009-03-24 | 読了本(小説、エッセイ等)
春日組大幹部の殺害事件が解決した後、刑事を辞め、小さな探偵事務所を始めた麻生龍太郎。彼は、裏社会で生きようとする美貌の男・山内練に対して引き起こした罪を背負い、全てを捧げることを誓い、何とか彼をその世界から引き離したいと考えていた。
そんな彼の元に、依頼にやってきたのは主婦・唐沢尚子。子供の頃、住んでいた家の庭に、近所の少年とともに埋めたタイムカプセルを探して欲しいという。その家を借りていた人々を辿り、そのタイムカプセルを見たことがあるという女性・三河夫人に行き当たった麻生。彼女曰く、子供のおもちゃや日記が入っていたという……『OUR HOUSE』、
慧愛学園女子中等部の中等部長・石田恒夫が依頼に。現在鬱病で休職中だという彼は、その学校の卒業生で、以前働いていた元教師・河野美絵にセクハラで訴えられた。しかし彼や周囲の人間には心当たりがない。何故、彼女をそんな訴えをしたのか?彼女がメールでセクハラを相談していたという友人・塩崎京美に話を聞きにいった麻生は……『TEACH YOUR CHILDREN』、
風邪を引いた麻生は、近所の調剤薬局・みどり薬局の薬剤師の青年・川越琢磨から、薬を届けて貰った。双方とも顔に見覚えがあるのだか、それがどこで会ったのかを思い出せずに連絡先を聞いて別れる。ところがその矢先、彼に恋人だった女性の殺人容疑がかかり、行方不明に。彼の無実を信じる麻生は、その行方を探すが……『DEJA VU』、
元検事の敏腕弁護士・早坂絹子から、彼女の叔母・啓子のアレキサンドライトの指輪を探して欲しいという依頼が。生涯独身だった叔母に、その指輪を贈った元婚約者・犀川修造が盗んだのではないかという。事実を確認する為、彼の元を訪れた麻生は、彼が贈ったのはルビーの指輪だと知り、その話の食い違いを不審に思う。
その事件を調べる中で、絹子が指輪を隠していたという八ヶ岳の別荘を調べに出かけた麻生は、そこで不審な行動を取る女性・馬淵尚美に遭遇。ある事件に巻き込まれ、何者かに狙われているらしい彼女を助けることに……『CARRY ON』、
変われないという練と、刑事を辞めても刑事が抜けない麻生。そんな彼らの選んだ道は……『Epilogue』を収録。

『聖なる黒夜』以後、刑事を辞め、私立探偵になった麻生さんの事件簿。
ラストの2人が切ないです~。
……それにしても練がめちゃめちゃ可愛らしい(まさに“通い猫”な感じで/爆)。

<06/3/24>

『三匹のおっさん』有川浩(文藝春秋)

2009-03-23 | 読了本(小説、エッセイ等)
60歳の誕生日を迎え、地元ゼネコンを定年退職した清田清一(キヨ)。それと共に、父から引き継ぎ、自宅敷地内で彼が教えていた剣道場も生徒の減少により閉めることに。
まだまだ年寄り扱いされることに違和感を覚える彼の気持ちを汲まず、還暦のちゃんちゃんこを強要するばかりか、剣道場までも潰して自分のピアノ教室を考える嫁・貴子に腹を立てたキヨ。そんな流れで、子供の頃からの腐れ縁の幼馴染2人…息子に譲った居酒屋<酔いどれ鯨>で働く柔道家・立花重雄(シゲ)、工場を経営しており機械に強い有村則夫(ノリ)と共に私設自警団を結成、町内をパトロールすることに。
4月になり、かつて働いていた会社の系列会社が経営するアミューズメントパーク<エレクトリック・ゾーン>で嘱託として再就職したキヨ。そこには偶然バイトを始めた彼の高校2年生の孫・祐希もいた。
経理を確認したキヨは、帳簿の杜撰さを店長・須田に指摘、彼から店がたびたびカツアゲ被害にあっていると話を聞く……第一話、
町内で痴漢被害が続発していると聞き、早速パトロールを開始した三匹。店で働く女子大生も被害に遭い、その犯人は捕らえられたが、その手口から巷を騒がせている犯人とは別人だと判断する。
そんな中、ノリの栄女子高に通う愛娘・早苗が痴漢に襲われて……第二話、
ある日、シゲの妻・登美子は、かつて5年生の時に同級生だったという広田作治と名乗る男から声をかけられた。彼女が初恋だったと語る彼と、その後、しばしばお茶をするようになった登美子は、久しぶりに心をときめかせる。
そんな中、先の一件で早苗と親しくなった祐希は、ノリの洋服選びを手伝う口実で一緒に買物に出かけ、登美子の姿を目撃し……第三話、
3月で道場をやめた中学生・工藤昂がキヨの家を訪れた。彼が飼育係として学校で世話をしているマガモたちが動物虐待の被害に遭った。しかしそれを学校側に相談したところ、被害に対する対策ではなく、マガモを動物園に譲るという話が持ち上がったという。それを何とかして欲しいと相談にやってきたのだという。
何とか学校側を丸め込み、事件の調査に乗り出した彼らは…………第四話、
たまたま祐希と一緒に買物をしていたところを同級生・冨永潤子に見られた早苗。翌日、彼を紹介して欲しいと頼まれた早苗は複雑な思いながらも、断り切れずに紹介。祐希はそんな早苗の立場を気づかい、その話を引き受ける。
しかし、バイト先まで押しかけてくる潤子のデリカシーのなさにぶち切れた祐希は、彼女との付き合いをやめると宣言するが、その矢先、潤子は店にやってきた謎の中年男に襲われて……第五話、
キヨの妻・芳江の友人・靖代が、マルチ商法に引っかかっているという。息子たちの説得にも応じず、口を出した芳江も絶交されてしまったことから、彼女がそれにハマっている理由を探ってほしいとキヨに頼む。
早速その業者<パレット・ライフ>の実態を探るべく、潜入調査を始めた彼らは……第六話を収録。

自警団を結成した、かつて悪ガキだった還暦世代の“三匹のおっさん”が、町内で起こる数々の事件を解決するお話。
それぞれのキャラも楽しく、痛快。須藤真澄さんのイラストも絶妙で、とてもおもしろく読めましたv
是非続編を出して欲しいです~♪

<09/3/23>