黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『かおばな憑依帖』三國青葉(新潮社)

2013-04-02 | 読了本(小説、エッセイ等)
八代将軍吉宗の時代。桜井右京は、一刀流桜井道場の跡継ぎながら放蕩三昧。厳しい母・茅野に叱られてばかりで、頭の上がらない美青年。
ある日、浅草寺で気が狂れた男に襲われそうになっている少年を助けた右京。彼は旗本三百石、田沼意行の嫡男・龍助だった。彼と田沼家に仕える青年・柾木信吾と親しくなった右京は、龍助の盲目の姉・美也の美しさに、ひとめ惚れ。
やがて美也も右京を憎からず思うようになるが、何分身分違い。ところが意行はある条件の下、彼らが一緒になることを許す。
実は吉宗配下の忍びであった田沼家。吉宗が就任にいたるまでの暗闘で、亡くなった尾張藩の円覚院(吉通)が怨霊と化しており、将軍位の剥奪をもくろんでいた。吉宗の母・浄円院は、自ら死して怨霊となりそれに対抗していた。
そんな中で、右京に若後家となった吉通の娘・信受院(千姫)を籠絡させ、吉通をおびき出そうとしていたのだった。もちろん、本当に右京と美也を一緒にさせる気などは毛頭ない。
話を聞いた上は、今更逃げるわけにもいかず、引き受けることになった右京。その矢先、小石川養生所が尾張の手による襲撃の被害に遭い、そこにいた美也が瀕死の状態に陥ってしまう。
そんな彼女の仇を討つべく、京へと旅立つ右京。
一方、信吾は植物に詳しい儒学者・青木文蔵(昆陽)と知り合うが、文蔵も実は忍び。尾張がたくらんでいる陰謀を探ることに……

第24回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞。
おとなしめな端整な色合いの表紙とうらはらに、怨霊が飛び交ったり、歴史上の人物が忍びだったり、なんでもありのトンデモな感じが、山風っぽい(だいぶライトだけど)。女性キャラが全般強めですね。
続きそうな気配もあるのですが、その場合シリーズタイトルはこれだとまずいような…(『かおばな』は朝顔で多分今回だけにしか出てこないだろうし、そもそも憑依されてるのってあのヒトくらいしかいない…)。

<13/4/1,2>