黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『日記堂ファンタジー』堀川アサコ(講談社)

2012-10-16 | 読了本(小説、エッセイ等)
父が持ってきた雑誌『あなたのまちの、ビックリ世界史』に載っていた、伝説の茶畑を安達ヶ丘の雑木林で発見した、大学一年生(三浪)の鹿野友哉。
夢中で新芽を摘んでいるところを突如目の前に現われた美女・紀猩子に見咎められ、捕まってしまう…そこは私有地だったのだ。
お茶泥棒を見逃す代わりに、彼女の店『日記堂』で働くようにいわれた友哉。日記堂とは、さまざまな人の書いた日記を商う店であるらしい。そして三年前に突然外科医を辞め、オート三輪の屋台カフェ・ラプンツェルを営む友哉の父は、どうやら彼女と知り合いである様子。
その後、弟・拓海の恋人・江藤真美から、日記堂に連れて行って欲しいと頼まれた友哉。彼女が入学当時から密かに片思いをしていたこともあり、その願いを聞いて一緒に行ったのだが、そこへ洋画家・香取虎一の遺族たちが押し掛けてきた。彼の遺言が書かれた日記がこの店にあるというのだが……“第一話 美女と虜囚”、
「佐久良の甘~いマーマレード」で有名な会社の社長・佐久良肇が店を訪れた。
その翌日、友哉のアパートに警察がやってきた。彼の日記を、巷を騒がせている怪盗花泥棒が盗むと予告状をよこしたのだという。友哉自身は日記を書いていなかったが、猩子から百万円で売りつけられた『片恋日記』が消えていて……“第二話 怪盗花泥棒”、
期末試験が終わった日。友哉は、入学当時から腰痛で休職していた国文学の准教授・丸山久二彦に話しかけられた…猩子を紹介して欲しいというのだ。
彼は、猩子の遠縁に当たる地主・安達家の娘・さおりと昨年婚約したのだが、一方で大学の研究生・秋村樹里にも惹かれているという。そんな気持ちを察してか、さおりの両親に新居を建てられてしまい、さらに快気祝いの一泊温泉旅行に一緒に出かけることになった丸山。そのサポートとして、友哉も急遽同行することになってしまう。
ところが、さおりはその旅の途中で抜け出し、樹里と会っていた……“第三話 恋々”、
温泉旅館から戻ったとたんに本格的に風邪を引いてしまった友哉。一週間ぶりに店に顔を出すと、異臭騒ぎが勃発。警察まで出てくる事態になるが、原因が旅に出る前に買いに行かされていた夏毛蟹のなれのはてだった。
そんな騒動の最中、怪盗花泥棒の日記が消えた。どうやら持っていったのは、友哉が出会ったジャスミンの香り漂う女性…ジャスミン嬢(友哉命名)らしい。
その後、紀貫之の日記を盗むという予告状が届き……“第四話 ニセモノ”を収録。

人の日記を商っている不思議な店『日記堂』の主人で、謎めいた美女・猩子の下で、働くことになった大学生・友哉が出会う日記と人々のお話。ちょっとファンタジック。
猩子さんは、イメージ的に侑子(@xxxHoLiC)さんぽいかな?軽い口も叩くけれど、謎めいた雰囲気で。
友哉の片思いは一体どうなったんだか、そのエピソードはいつのまにかどこかに飛んでいっちゃってますが、続編があるのかも。

<12/10/16>