老齢となり、水戸の西山荘の書斎で、過去を振り返る水戸光圀。自らの手である男を殺めることになった経緯について書き綴る。
徳川御三家である水戸藩初代藩主・頼房の三男として生まれた光國(後の光圀)。しかし長兄・頼重が病弱で、次兄も早くに亡くなったことから世子となる。不義である自分の存在に屈託を抱えつつ成長した彼は、押さえ切れない血の高まりから、市中を偽名で徘徊しては暴れまわる傾奇者となりつつも、やがて学問に目覚め、詩で天下を取るという思いを抱く。
儒学を学んだ光國は、終生娶らず、子を作らないと考えるが、さまざまな状況から叶わず。しかし妻として娶った関白近衛家の娘・泰姫の天真爛漫さに癒され、また友である儒学者・林読耕斎の理解も得、伯夷叔斉の故事から、ある<大義>を実現とすることを決める。それは兄の子を自分の子として迎え、藩を継がせることだった。
さまざまな人から教えを乞い、また慕われた光國は、長じて大日本史編纂の大事業に乗り出す……
『水戸黄門』こと水戸藩主・水戸光圀の一生を描いたお話。
水戸黄門(時代劇の方)は完全なるフィクションですが、こちらの方はもっと史実に近い感じ。
生涯を振り返りつつ、幕間に自分がある男を手にかけるに至ってしまった顛末について振り返る、という形式になってます。
長い年月の事柄を描いているので必然なのでしょうけれど、出逢いとともに別れもたくさんあってかなり切ない;(特に泰姫…)
歴史編纂をはじめとするさまざまな志を、前の時代から受け取り、また次の時代へと引き継いでいく精神が良いですね。
<12/9/27,28,10/2,3>
徳川御三家である水戸藩初代藩主・頼房の三男として生まれた光國(後の光圀)。しかし長兄・頼重が病弱で、次兄も早くに亡くなったことから世子となる。不義である自分の存在に屈託を抱えつつ成長した彼は、押さえ切れない血の高まりから、市中を偽名で徘徊しては暴れまわる傾奇者となりつつも、やがて学問に目覚め、詩で天下を取るという思いを抱く。
儒学を学んだ光國は、終生娶らず、子を作らないと考えるが、さまざまな状況から叶わず。しかし妻として娶った関白近衛家の娘・泰姫の天真爛漫さに癒され、また友である儒学者・林読耕斎の理解も得、伯夷叔斉の故事から、ある<大義>を実現とすることを決める。それは兄の子を自分の子として迎え、藩を継がせることだった。
さまざまな人から教えを乞い、また慕われた光國は、長じて大日本史編纂の大事業に乗り出す……
『水戸黄門』こと水戸藩主・水戸光圀の一生を描いたお話。
水戸黄門(時代劇の方)は完全なるフィクションですが、こちらの方はもっと史実に近い感じ。
生涯を振り返りつつ、幕間に自分がある男を手にかけるに至ってしまった顛末について振り返る、という形式になってます。
長い年月の事柄を描いているので必然なのでしょうけれど、出逢いとともに別れもたくさんあってかなり切ない;(特に泰姫…)
歴史編纂をはじめとするさまざまな志を、前の時代から受け取り、また次の時代へと引き継いでいく精神が良いですね。
<12/9/27,28,10/2,3>