黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『謝肉祭の王 玩具館綺譚』石神茉莉(講談社)

2012-10-20 | 読了本(小説、エッセイ等)
イタリア人の血を引く美貌の人気作家・矢川ルイジが、かつて駆け出しだった頃に書いた短編『謝肉祭の王』。そこには“この仮面を被ると一年間、王となれる。だか翌年には処刑されるという運命が待ち受けている”という仮面にまつわる伝説が描かれていた。
その内容に呼応するかのように、活躍した後、突然姿を消したルイジ。友人である彼から、その仮面を譲られた林千晶は、林原水晶という名で小説家をしながら、シングルマザーとして一人娘の理沙を育てている。
かつて世話になったことのある、玩具館・三隣亡の美女・美珠の元を訪れ、その仮面について相談した千晶だったが、それは普通の仮面であるという。
その後、結局その仮面をかぶってしまった千晶。その所為か『月夜の輪舞』という彼女の書いた小説が映画化。主役をつとめた元モデルの若手女優・玲奈は、千晶同様、幼い娘・菜奈を育てているシングルマザーということもあり、親しくなるが、彼女は映画の内容同様、崖から投身自殺をはかってしまう。
さらに、近くにある建売住宅をモデルに連載を開始したホラー小説が、そこに越して来た近藤一家とリンクし始め……

続編。いろいろ良いことも起こるけれど、その分悪いことも起こる仮面をもらっちゃった作家のお話。
何だか最後が平和な感じにまとまってるところが、逆に怖い気もする…(笑)。

<12/10/19,20>