黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『祟りのゆかりちゃん』蒲原二郎(幻冬舎)

2012-06-26 | 読了本(小説、エッセイ等)
就活に失敗した本間由加里は、OL生活を謳歌する大学時代の友人たちをよそに、ゼミの教授に紹介してもらった、六本木の蓮華宗の小さな寺・力道山常照寺でバイト中。
住職・遊愍(ユーミン)は長身イケメンながら、客寄せの為に、由加里に巫女のコスプレをさせたり、縁切り観音だったご本尊を勝手に縁結び観音に変えてしまったり。おまけに由加里には厳しいのに、自分はお参りやってきたキャバ嬢や、取材にやってきた美人記者にデレデレ。
自分に店番を言いつけ、ユーミンが記者とお茶に出かけたのにいらだった由加里は、近づくのを禁じられていた<邪心供養塔>に、最前もらったばかりの怪しげなシロモノ<スーパーボディーガード黒玉>を投げつけてしまう。
しかしそれは手榴弾。塔は爆破され、由加里が生命の危機を感じたところへ、しばらく行方をくらましていた前住職で、ユーミンの祖父でもある謝愍(シャーミン)が戻ってきて助け出される。
しかしどうやらその塔を壊したことにより、生涯伴侶を見つけることはできず、結婚もできないという祟りを受けてしまったらしい由加里。
後に、現われた観音様曰く、解き放たれてしまった百八の煩悩の数と同じだけ、人助けをするようにと言われてしまう……“第一章 祟り”、
由加里が大変な事態に巻き込まれているというのに、これから寺を留守にすることが多くなるというユーミンは、葬儀会社の社長である、自分の幼なじみ・成駒菊之助(菊ちゃん)に助っ人を頼んだという。
そんな中、観音様の導きにより、早速現われた相談者は、貧乳に悩む女子高生。対応に困った由加里は、菊之助を呼ぶことに……“第二章 菊ちゃん登場”、
由加里にこっぴどく打ちのめされ怪我で入院した菊之助は、さらにユーミンにも怒られる。
そんな中、やってきた新たな相談者は、大手ゼネコン・富田林組の社長・松下の妻。
夫が浮気しているらしいと女の勘で察知したが、GPSや盗聴器を使っても証拠がつかめないという。そこでユーミンの知り合いの探偵・キムさんに手伝ってもらうことに。しかしキムさんは謎な行動が多く……“第三章 あやしいキムさん”、
朝から神奈川で大きな地震があった日。
ユーミンが新たな制服として、由加里にメイド服を差し出し、怒り心頭なところに、馴染みの警官・日暮と娘の美優がやってきた。
さらにブラジルから観音様に導かれ、おばあさんがやってきた。彼女は宮島初江といい、終戦直後シャーミンに世話になったのだという。明日には帰らなくてはならないという彼女は、ひと目会って礼が言いたいというのだが、折りしもシャーミンは熱海に逃亡中で不在。おまけに地震のせいで新幹線や電車が動いていない為に、すぐに戻れないという彼をユーミンの車で迎えに行くことになった由加里だったが……“第四章 ミニミニ大作戦”、
由加里の友人・莉奈がひどい怪我をして、寺へ駆け込んできた。政治家の息子のホームパーティーに参加して、乱暴されたという。
気分が落ち込み気味の由加里を元気づけるため、菊之助の退院祝いも兼ねて、バーベキューを提案するユーミン。
ところがその真っ最中、美優が監禁されたと日暮が駆け込んできて……“第五章 常照寺の変”。

結婚できない祟りを受けてしまった、ゆとり世代のフリーターの由加里は、その祟りを解くために、悩み相談をすることに…というお話。キャラの名前から何から概ねギャグテイスト(幸田シャーミンは理解できる年齢層が限られると思いますが/笑)……てゆーか、ほぼラノベかな…。
かなり個性的な面々が揃ってますが、何気に由加里が最強っぽいのが楽しいかも。

<12/6/26>