人里離れた山の裾野にある草庵に住む元僧侶・遼慶のところに、ひとりの男の客がやってきた。この辺で妙なことはなかったかと問う男に、泊まっていくことを勧める。
その晩、男・任風が語ったのは、彼の数奇な人生だった。
対馬の農家の四男に生まれた彼は、その性格を買われ、南宋の商人・陳の養子となり船に乗る。通訳をしていたが、ある時、仲間とともに無実の罪で捕らえられ、あちこちをさすらう羽目に。
元の諜報部員として、はからずも故国日本を攻撃する手助けをすることになってしまった任風。
その部隊には、リリウという鼬を連れた、巫術師だったという女・鈴華がいて……『異神千夜』、
樹海近くで、<レストラン&宿・フォレストパーク>という店を営む“私”。
ある時、男女六人の客があり、そのうちのひとりの若い女だけが泊めて欲しいと戻ってきた。
月野優と名乗る彼女は、道に迷った末に彼らと出会い、行動をともにしたのだという。曰く、彼らは“風天孔参り”をする集団…風天孔という現象が起こる場所を見つけて、天へ向かうことを望む集団だった……『風天孔参り』、
ナツコという娘に憑いた、稲光山のサクラという森の生き物が語る。
東京に出てきたナツコは、銀座の“カサブランカ”というレストランで働き始めた。森の夢を見せているサクラの影響で、その光景を絵に描くナツコ。やがて女給仲間で、小説を書いているというユリと親しくなった彼女は、鼬行者という占い師に未来を見てもらうが……『森の神、夢に還る』、
ある日、少年・大輝は、鼬に似た一匹の獣に出会い、樹海の方に住んでいるという少女・千絵と親しくなる。
ルークと名付けたその獣を飼い始めた大輝だったが、人語を解するかのようなその賢さを不審がる祖母は、上流の山奥の村にいたという鼬行者という存在について語る。
やがて、ルークは、彼にあるビジョンを見せるようになり……『金色の獣、彼方に向かう』の4編収録。
最初の1編は元寇の時代あたりを描いた中編で、他は現代が舞台の短編。ちょっとダークなファンタジー。
それぞれは全然関係がないお話なのかな、と思いきや、鼬つながり?
<11/12/23,24>
その晩、男・任風が語ったのは、彼の数奇な人生だった。
対馬の農家の四男に生まれた彼は、その性格を買われ、南宋の商人・陳の養子となり船に乗る。通訳をしていたが、ある時、仲間とともに無実の罪で捕らえられ、あちこちをさすらう羽目に。
元の諜報部員として、はからずも故国日本を攻撃する手助けをすることになってしまった任風。
その部隊には、リリウという鼬を連れた、巫術師だったという女・鈴華がいて……『異神千夜』、
樹海近くで、<レストラン&宿・フォレストパーク>という店を営む“私”。
ある時、男女六人の客があり、そのうちのひとりの若い女だけが泊めて欲しいと戻ってきた。
月野優と名乗る彼女は、道に迷った末に彼らと出会い、行動をともにしたのだという。曰く、彼らは“風天孔参り”をする集団…風天孔という現象が起こる場所を見つけて、天へ向かうことを望む集団だった……『風天孔参り』、
ナツコという娘に憑いた、稲光山のサクラという森の生き物が語る。
東京に出てきたナツコは、銀座の“カサブランカ”というレストランで働き始めた。森の夢を見せているサクラの影響で、その光景を絵に描くナツコ。やがて女給仲間で、小説を書いているというユリと親しくなった彼女は、鼬行者という占い師に未来を見てもらうが……『森の神、夢に還る』、
ある日、少年・大輝は、鼬に似た一匹の獣に出会い、樹海の方に住んでいるという少女・千絵と親しくなる。
ルークと名付けたその獣を飼い始めた大輝だったが、人語を解するかのようなその賢さを不審がる祖母は、上流の山奥の村にいたという鼬行者という存在について語る。
やがて、ルークは、彼にあるビジョンを見せるようになり……『金色の獣、彼方に向かう』の4編収録。
最初の1編は元寇の時代あたりを描いた中編で、他は現代が舞台の短編。ちょっとダークなファンタジー。
それぞれは全然関係がないお話なのかな、と思いきや、鼬つながり?
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