黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『花咲小路四丁目の聖人』小路幸也(ポプラ社)

2011-12-12 | 読了本(小説、エッセイ等)
衰退の一途を辿る花咲小路商店街で、両親の始めた<矢車英数塾>を営む、矢車亜弥・二十五歳。そんな彼女の父は、かつてイギリスで紳士怪盗として名を馳せていた“セイント”こと、ドネィタス・ウィリアム・スティヴンソン。
亡き母・志津の為に帰化し、矢車聖人という名になり、現在は七十歳。プロモデラーをしているご隠居の身。
そんな父が、先頃、近所の若者…亜弥の四つ下の幼馴染・皮革店の白金克己と、電器店の跡取り・松宮北斗とともに、盗まれた看板を取り返してそっと戻したりと、昔のような行動をしているのが心配な亜弥。
そんなある時、亜弥の塾の生徒・シンゴの父である、ラーメン屋の<南龍>の主人が、飲み屋の女と浮気をしているらしいと知れる。他にも、不倫やらホスト通いやらと商店街の人々によからぬ噂が。
どうやらそれが、商店街の敷地に埋蔵されているらしい宝を得るべく、土地買収をもくろむ、香港の資本家マッシュグループの総帥ウォン・ラーピンの差し金であると知り……

その昔、イギリスで怪盗として活躍していたセイント(セイさん)が、愛する商店街の危機に立ち上がるお話。視点は、セイさんが次にどんな行動に出るのか知らない、娘の亜弥視点なので、読者も一緒に彼の行動の意味を、あれこれ考えられる感じ。
小路さんらしい楽しい展開で楽しめました♪

<11/12/12>