Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

ゲームの開発環境を統一する

2006-04-11 22:53:36 | Weblog
 アメリカ製のゲームだと、PS2とGC、XBOXの3機種すべてに加えてPC版、テイストを変えてGBAでまで出すという販売戦略は割と珍しいことではありません。
 そういう意味で、今回の進展はゲームメーカーにとって福音になるのかもしれません。

ゲーム開発を低コスト化するXNAがようやく見せた成果

 XboxおよびPCゲーム用の統合開発プラットフォーム「XNA」構想を発表してから2年が過ぎ、Microsoftは遂に2006年3月に開催されたGame Developers Conference(GDC)において、XNAの一部のコンポーネントを公開した。

 XBOXとWindowsの統合開発プラットフォームを用意する、と言うことは、XBOXの開発環境を、Windowsライクなものにする、と言うこととほぼ同意となります。これにより、XBOXというコンシューマーゲーム機の開発においてもWindowsでの開発のように様々なツールが使えるようになり、ゲームの開発コストを大幅に抑えられるということです。

 そして、もうひとつ。

異種プラットフォーム間でのゲームの移植を容易にして、ゲームパブリッシャーがより短期間でコストを回収できるように支援することも目標の1つだ。

 つまり、PCとXBOXを1ラインで制作でき、流通面で大幅な拡大を図ろうという物です。PCとXBOX両方の流通に、1本分の開発費で載せられるため、資金回収が楽になるというわけです。
 ただ、日本市場のようにXBOXがほとんど普及していなく、かつコンシューマーとPCのゲームユーザーがあまりリンクしていない現状では、あまり効果的ではないかなあという印象を受けます。

 ただ、開発環境をWindowsの方へ歩み寄らせると言うのは大きなアピールポイントではないかと考えます。

 昨今のゲーム業界は、如何に開発費を抑えるかが真剣に議論されています。
 PS2の時も言われてきたことですけれど、PS3の最大のネックが開発費だと言われています。PS3のスペックをフルに使ったゲームを開発しようとすると、10億はくだらないと言うのです。とてもじゃないですが中小企業が参入できる額ではありません。
 任天堂の時期プラットフォーム、レヴォリューションは、スペック自体はGCとほとんど変わらないため、ノウハウを流用できる=開発費を抑えられます。それよりも開発者の感性に訴えかける、ゲーム原初のおもしろさという答えを出しました。
 任天堂に関して言えば、GBAとDSの成功の一端も「参入のしやすさ」にあるとも言われています。
 そして、MicrosoftがXBOXで出した解法がXNAと言うわけです。

 このまま行くと、ゲームメーカーは数社を残して全部撤退してしまうかも・・・なんて事を真剣に考えさせられるゲーム業界。おもしろさとグラフィックは比例しない、とは言え、どうしても求めてしまいますもの。さて、三者三様のゲームビジネス、来年の今頃に、一つの答えが出ている事でしょう。