Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

天井知らず、携帯の価格

2006-04-10 20:02:53 | Technology
 今、私が使っている携帯電話は、auのW32S。今は6000円ほどですが、私が契約したときには1万5000円ほどでした。以前、と言っても本当に黎明期の頃は、ほぼ最新機種で無料なんて珍しくありませんでした。今となっては最新機種なら1万円台後半からが当たり前・・・当時の価格設定が懐かしいです。

 Docomoの機種だと、2万円越えの機種が一般的というかなりインフレ気味、と言うか「機械として当たり前」な価格設定になっている昨今、その極めつけとも言える機器が搭乗しました。

「MUSIC PORTER X」新規は約5万円――携帯の“高額化”進む ITmedia

 NTTドコモは4月8日、1Gバイトメモリを搭載した音楽ケータイ「MUSIC PORTER X」(3月29日の記事参照)を発売した。都内で価格を調査したところ、ある量販店の新規価格は4万9980円(ITmedia調べ)。これまでドコモが発売したハイエンド端末の中でも、最も高いレベルの価格設定になっている。なお、別売りの卓上クレードルは2940円。

 2万円でも「PS2より高いんだよねえ」などと思っていたのに、5万円とは・・・。
 iPod nanoの1GBモデルで17,800円、MUSIC PORTER Xと同じSonyのmoraが使えるネットワークウォークマンは、SonyDriveで16,000円・・・。どうせヘッドフォン持ち歩くんだから、携帯とは別に音楽プレイヤーを買ったほうが絶対に賢いと思います。

 携帯の価格が高沸している背景には、

端末価格を安く抑えるためのインセンティブモデルが「破綻している」

ことがあげられるようです。
 インセンティブモデルとは、携帯を売った「販売報奨金」を、販売店に事業者(Docomoやau)が払う仕組みのこと。販売店は赤字で端末を売っても、その赤字を上回る報奨金が事業者から支払われるので、価格を大きく下げられるのです。事業者にしても、シェアが伸びることで利用料が増加し、報奨金分を上回る利益を出せるわけです。
 しかし、これは携帯市場が広がっていく時の話。現在のように「一人一台」に迫るまでに普及してしまっては、今ある市場の中でどのように利益を出すかにビジネスモデルがシフトしてきています。そうなると、あくまで「未開拓のシェアがある状況」を前提に成り立っていたインセンティブモデルは立ちゆかなくなり、結果的に「低価格」もしくは「付加価値」と言った他社との差別化を迫られているのです。

 まあ、携帯電話の価格が上がったのは、インセンティブモデルだけではなくて、むやみに高機能化していることにも一端があると思うんですけどね。機能を詰め込めば高くなるのは当然です。ツーカーは、シンプル路線である程度のシェアを維持していました。結果的に消える形にはなりましたけれど、やり方としては間違っていなかったと思います。
 今、携帯は「エンターテイメント」の方向に進化していますけれど、これ以上そっちの方に進出すると、メーカー各社は自分の首を絞めることになると思いますが・・・

 近頃はクレジットカードも統合する何て話も出ている携帯電話。携帯万能主義も良いですけれど、行きすぎると、「無くなったら何もできない」ようになりそうで怖いですな。