Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

ウイルス被害は誰の責任か

2005-08-21 22:14:15 | PC
 そんなもの、決まっているじゃないですか。ウイルスを作った制作者の責任です。
 しかし、そう考えない人も世の中にはかなりの数でいるようです。

 「ワーム大発生はマイクロソフトの責任」35%--米調査 CNET Japan

 先ごろのワームの大発生について、企業ユーザーの3分の1がMicrosoftに原因があると考えていることが世論調査から明らかになった。

 セキュリティ企業Sophosがウェブ上で行った非公式のウェブ調査において、35%の回答者が、最近起こった「Zotob」ワーム亜種の大発生はMicrosoftに最終的な非があると答えた。米国時間18日に発表されたこの調査結果では、全体の45%がウイルス作者に責任があるとし、20%がシステムにパッチを迅速に適用しなかった社内のシステム管理者に問題があったと回答している。

 SophosのシニアテクノロジーコンサルタントGraham Cluleyは声明の中で、「ユーザーの大半は、ワームを作成し拡散させて、防御力の低い企業を大混乱に陥れた責任はウイルス作者にあると考えている」と述べ、さらに「だが驚くべきことに、実に多くの人々が、そもそも脆弱性のあるソフトウェアを販売していることが問題だとして、Microsoftを非難している」と続けた。


 マイクロソフト側は、「100%安全なソフトウェアなど存在しない。」と言っていますが、この意見には私も賛成です。
 考えてみてください、たかが1MBにどれだけ多くの情報を詰めこむことができるのか。日本語ベースなら約52万文字、400字詰め原稿用紙1,311枚分です。文庫本にして約5冊分ですよ。ソースコードはアルファベットで書かれていますから、単純にその倍の文字数を詰め込めることになります。
 WindowsXPをフルインストールすると1GBをこえてしまいますので、それを人力で全部、様々な環境を織り交ぜてチェックするというのは、物理的に不可能です。OS上で動くアプリケーションですらバグを取りきるのは難しいのですから、Windowsがクリーンになるのは大変な労力と時間がかかることは容易に想像できるでしょう。

 だからといってWindowsをリリースしているマイクロソフトに全く責任が無いとは言い切れませんし、マイクロソフト側もパッチのリリースという形である水準の責任を果たしています。
 現状で、マイクロソフト側にこれ以上の対応を求めるのは難しいと思いますが。

 逆説的な話になりますけど、WindowsUpdateという、「Windowsは完全ではありません」とリリース側が認めている機能があるのですから、ユーザーもある程度納得して運用する必要があると思います。
 別にセキュリティーに気を使っているなら、WindowsNTや98SEの様に「枯れた」環境もあるのですから。もちろん、サポートとか受けられるかは別にして。

 このような批判は、WindowsがOSの90%を締めるという前提があってされている物でしょうから、一種の有名税みたいなものなんでしょうけど・・・

 ところで、今ふと思ったんですが、管理者権限でないとスタートアップにアプリを登録できないようにすれば、かなり効果が上がるような気がするんですが。