kenroのミニコミ

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スイス美術館紀行3 バーゼル

2008-09-28 | 美術
金持ち国スイスだけあって、個人財団設立美術館の充実ぶりはすばらしい。バイエラー・コレクション(財団美術館)は、美術商であったエルンスト・バイエラーの収集した近代美術が贅沢に展示されている。筆者が訪れた際には他美術館等からも集めたフェルナン・レジェ展をしていて眼福であった。レジェの作品を一同にこれほどまみえる機会などなかったからだ。ピカソやモディアリアーニ、マチスなどの大作もあり、うれしくなってしまう。ただ、公営美術館ではないので、スイスカード(鉄道と併せて公営美術博物館はほぼ入れる)が使えず、日本円で2300円ほどの入館料が必要だが、払って十分価値あるコレクションである。

バーゼル市立美術館はライン河畔にあり、歩いて行くには少し難儀であるが、トラムが美術館の前に止まり便利はよい。おもてにロダンの「カレーの市民」をいただき、館内はとても広い。スイスといえばアルベルト・ジャコメッティの彫刻群が充実。有名なホルバインの「墓の中の死せるキリスト」は16世紀初頭の作品であるのに写実主義の極みで迫力がある。ホルバインの収集においては世界有数であるそうで、古典から近現代までヨーロッパ最古の公立美術館として出発しただけのことはある。ネーデルランド絵画はもちろん、ドイツとも近い地勢故か、ナチスから退廃芸術のレッテルをはられたドイツ表現主義の面々、カンディンスキー、マルク、ココシュカなどの作品も多い。世界3大美術館ほどの規模ではないが、1日十分過ごせる広さと楽しさにあふれた美術館である。(墓の中の死せるキリスト)
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