CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

陶磁器を探す旅~細見美術館 芦屋釜の名品~

2008-01-22 22:48:00 | 陶磁器を探す旅と名物
マイナー美術館なのかどうなのか
わかりませんが、最近というか二度目で常連づらしている私
行って参りました、細見美術館
題目は芦屋釜

茶釜かよ

そんな具合であります、今回は陶磁器じゃない
でも茶数寄の道具だから、避けられないだろう
そんな悲壮感をもったかどうかともかくとして
もっちり見て参りました

最近、資料ばかり漁っているので
下手に頭でっかちになって、素直に楽しめていないというか
なんか、自分の情感とか感受性とか言われる
多分とてもステキなそれぞれが腐っているように思うのですが
今回のこれは大丈夫だ
何一つ勉強せずに、恥をかくとわかりながら見てきたのでありました

鉄器の茶釜について
本当、知っているといえば、明智家の六角釜の話しくらいで
それもへうげものつながりかよといったぐらいでありまして
さっぱりわからなかったのですが、そういう素人が見ても
ちゃんと観賞のポイントが書いてあるのがステキでありました

美術館の何がよいって、自分の理解を越えた物に対して
何かしらのヒントを与えてくれるところであります
釜の善し悪しについて、芦屋釜がどんなに偉大か
そして、ナマズ肌というステキな単語
キーワードは揃ったという具合で見て回ります

基本的に、真形釜(しんなりがま)と呼ばれるそればかりでした
時代は室町のものが多いらしく、どれもこれも
錆び付いていて、多分今では茶の湯に仕えないんじゃないかな
それはそれでとても残念なことだとか思ったりもしたのですが
見事なものばかりでした
個人的に到達できたと自己満足にひたっている
陶磁器の貫入に通ずるのであろう、錆びやら、鉄の景色は
まったく微塵も理解できなかったので

ああ、錆びた茶釜だ、でも茶釜ってかっこいいな

それくらいの程度で恥ずかしい限りでありましたが
それでも面白かった、よろしかったのが、
芦屋真形小釜
小さい釜であります、すげぇ、本当、すげぇ可愛いの

見所として鋲とかもあったり、左右についた鬼面もあったりしたんだが
そういうの超越して、ただ、小さい茶釜というのの
愛くるしさに悶絶しそうになった、思わず
ショーケース(失礼な)の前で、すわ、などと呟いてしまった次第
はたから見たら変質者でありますが
素晴らしいものでありました

また、よくよくある外側がうんねりと波立っている物体が
尾垂れと呼ばれる、昔釜の底が抜けた奴を補充した物体だったと
驚愕の事実に出会ったりと楽しかったのでありますが

へうげもののせいか
素人だからこそなのか
真形釜ばっかり並んでいると、そうじゃない釜数点に
目を奪われてしまいました

平釜
秀吉の釜
有楽の釜

後者二つは完全に数寄者目当ての良さであります
一つ目と二つ目については、形がまったく異なっており
平釜は当然ひらっぺたいそれ、おそらく平蜘蛛なんて呼ばれるそれは
こんな形だったんだろうな
そう思うと、なんともごくりと喉が鳴る次第
秀吉の釜は、何か、不気味な造詣でありまして
変形しているというのか、こんもりした実に不思議なものでありました
有楽のは完全に名前負けというか、名前に惚れただけで
どんな釜だったか既に思い出せないのですが、見た

と、そんな恥ずかしいことを繰り返しつつ
最後でもないが、最も印象に残ったのが
同時に展示されていた

高麗の井戸茶碗

これにつきたのであります
井戸茶碗なのだ、俺でもわかるほどの井戸茶碗だったのだ
金接痕まであって、たまらなんだのだ

結局、何もわからず、茶釜に対して失礼だったように反省しつつ
名物を見たという報告であります