スリとは別にベトナムで注意すべきことがあります。
それはバイク。
中国の自転車よろしく、想像を絶する台数のバイクが道を走っています。
バスの中から対向車線を見ていると、向かってくるバイクの多さに恐怖心すら覚えるほど。
ベトナムではたとえ横断歩道を渡っていたとしてもバイクも車も停まってくれません。
ではどうやって道を渡ればいいのか?
どうやらゆっくりと一定の速度で渡ればいいそうです。
そうすれば車やバイクが避けてくれると。
走って渡ると避けきれないので、決して走って渡ってはいけません。
でも慣れていない人は、車やバイクが次から次へと走ってくる道に、一歩を踏み出す勇気がなかなか出ません。
どうしても道を渡りたい時には、現地の人について渡るのが一番安全のようですね。
そんなにたくさんのバイクが走っている訳ですから、クラクションの音も半端ではありません。
そんな中であることに気がつきました。
インドでは渋滞がひどく、
「おら、どかんかいボケェ!」
的なクラクションなのですが、
ベトナムのクラクションは
「そこ通りますよ。横から出てこないでね」
といった注意喚起の意味が強いようです。
インドの攻撃的なクラクションと比べると少し控えめな感じですね。
と、どうでもいいことを考えながら、移動中のバスで仮眠をとろうかと目を瞑っていると
「ビッ!ビー!」
「ブッ!ブッ!ブー!」
とあちこちから鳴らされるクラクション。
「あー!うるさい!!!」
たとえ優しめのクラクションでも、うるさいものはうるさい!
特に日本人は普段クラクションを鳴らす機会が少ないですからね。
とはいえ、そんなクラクションの嵐にも数日で慣れましたが・・・
やはり順応力は大事です。
ホーチミンの夜明け
先の記事でベトナムの治安について書きましたが、都市部ではスリやひったくりが多いらしく、その点は十分な注意が必要です。
ホーチミンに到着するなり、ガイドさんからは
「特にiPhoneが狙われており、自分も2回盗られた」
「スマホはカバンから出さないほうが良い。狙われるから」
「タクシーもぼったくりが多いので要注意」
という注意が・・・
ベトナムに着いて1時間も経たないうちに矢継ぎ早に出される警告。
一同のテンションは下がる一方です。
「観光します。バスを降りて下さい」と言われても、一同の足取りの重いこと。
そりゃぁスリの群れの中に自ら入っていく羊みたいなもんですからね。
周りの人が全てスリのように見えてきます。
「あっ!今目が合った人怪しい・・・」とひたすらの疑心暗鬼。
でもねぇ、自分は元バックパッカーですよ。
バックパックを背負い、安宿に泊まりながらインドだって歩いてきたんですから。
馬鹿にしてもらっちゃ困ります。
これぐらい全然平気です。
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と、一人心の中で強がってみましたが、思ったよりブランクが長かったようで、最初は恐る恐るスマホで写真を撮る始末。
でもさすがに何回か写真を撮っているうちに少しずつ慣れてきました。
人間の順応力って凄いですね。
旅行中、カバンだけは自分の前面に持つように注意しましたが、おかげで何の被害に遭うこともありませんでした。
もちろん他のツアーメンバーも同様です。
今回はほとんどフリー時間も無く、国内線の飛行機以外の移動は全て専用のバスだったということを差し引いたとしても、少し脅かしすぎだったかもしれませんね。
ホーチミンやハノイといった大都市では人も多いため、確かにスリもいるのかもしれませんが、その他の場所では、あまりそのような雰囲気は感じられませんでした。
ただし、その後訪れたハノイでは、
「市場等では1m四方の範囲にスリが4人いる!」
とまた現地ガイドさんに脅されました。
実際に被害に遭っている人がいるのも事実。
どこに旅行するにしても自己防衛の気持ちだけは忘れないようにしたいですね。
今回の旅行は、旅行会社が企画するパック旅行です。
自分の旅行は基本的に個人旅行で、パック旅行に参加したことがありません。
卒業旅行では、俗に言う「バックパッカー」に憧れ、友人1人とタイまでの往復チケットのみを片手に旅立ちました。
その後タイでインドへの航空チケットを入手し、タイ、インドを2週間以上放浪したという過去があります。
ちょうどあの頃は沢木耕太郎の「深夜特急」が話題になっていた頃でもありますしね。
社会人になってからは時間がなく、さすがにバックパッカー旅はできなくなりましたが、それでも航空チケット以外は自分達で手配する個人旅行が主でした。
それが今回は「パック旅行」
バックパッカーとして旅をしていた頃は、勝手気ままに旅をする自分のみすぼらしい姿に酔いしれていたこともあり、ガイドさんの後ろをぞろぞろと歩くパック旅行を少し否定的な目で見ていたのも事実です(ごめんなさい)
国内旅行も、きっちりしたスケジュールを立てずに旅をするのが好きな自分が、ガイドさんに従って旅をするパック旅行に耐えられるのか?
で、実際のところどうだったかと言いますと・・・
思っていたよりも問題ありませんでした。
本音を言うと
・半日単位で良いので自由時間が欲しい。
・旅行中全ての食事がついていたので自由に食べる機会が欲しい。
というところですが、今回のツアーは短い期間でベトナムを南から北に縦断するというもので、移動距離も長く時間も厳しかったため、上記は難しいというのも理解できます。
パック旅行の中にもフリー時間が多く設定されているものも多いようなので、我々みたいな人はそちらを選べば良いようです。
次に訪れる際にはさすがにバックパッカーは無理でも、もう少しだけゆっくりとベトナムの町を歩いてみたいですね。
そもそも
「なぜベトナム?」
と思う方もいるでしょう。
今回の旅行のきっかけは、両親の一言でした。
当初、両親が自分達だけで出かけるつもりだったベトナム旅行ですが、いろいろと話をしている内に、「我々も一緒にどうか」という声がかかりました。
ご存知の通り今年は車を購入したこともあり、懐具合はかなり寂しい。
しかし、以前からベトナムには非常に興味を持っており、両親と海外旅行に出かける機会も今までに無かったため、思い切って同行することにしました。
「今年こそ海外旅行!」と相方からプレッシャーをかけられ続けていたことは、敢えて伏せておきましょう。
自分が学生の頃には、ベトナム戦争をテーマとした映画等が多くありましたが、最近はそれも少なくなりました。
当時は映画に凝っていたこともあり、多くのベトナムに関する作品を観ました。
「グッドモーニング, ベトナム」、「プラトーン」、「ハンバーガー・ヒル」、「7月4日に生まれて」・・・
そういえば、ミュージカル「ミスサイゴン」も帝国劇場で観ました。(頂き物のチケットでしたが)
そんなこともあり、ベトナムに関して少しだけ調べたことがありましたが、当時は旅行先としては、非常に敷居の高い場所だったと記憶しています。
1986年に「ドイモイ(刷新,改革)」政策が採択され、それ以降観光しやすくなったとはいえ、確か自分が学生の頃は個人旅行が禁止されており、ツアーでしか入国できなかったはずです。
もちろん直行便もありませんでした。
そんなベトナムを実際に訪れた感想はといいますと・・・。
少なくとも今回訪れた場所は観光地として整備されており、「ベトナム戦争」を強く感じさせるというものではありません。
戦争に使用されたヘリコプターや戦車がそのまま残されている場所や、当時の地下トンネル等が残されている場所もありますが、今回のツアーには組み込まれていませんでした。
ほとんどの観光地にはハイグレードのホテルも多く、観光客を受け入れる体制も十分です。
バックパッカーも多く見かけましたし、ツアーで観光をする分にはそれほど治安の悪さを感じることはありません。
(ガイドさんからは常にスリの多さを強調されます。自衛上、荷物は襷がけにし自分の前面で持つなどの注意は必要です)
フエの町並み
しかし、世界遺産を多く持つ観光地としてのベトナムだけではなく、フランスからの独立戦争やベトナム戦争も、ベトナムの国家としての決して忘れることのできない歴史です。
次に出かける際には、そのような場所に出かけてみたいと思います。
ベトナム旅行の詳細は、後日ということで、とりあえずビールの紹介です。
あちらでは、昼、夜の食事の度に異なるビールを飲んできました。
おかげでベトナムのメジャービールは、ほとんど飲み尽くしたと思います。
写真のビールは、到着して初めて飲んだサイゴンビールです。
ライトな感じでしたが、それがベトナム料理に良く合い美味しかったですね。