勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

海街diary

2015年06月14日 | 邦画
『そして父になる』の是枝裕和監督の最新作。第68回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出展作品。

綾瀬はるか・長澤まさみ・夏帆・広瀬すずと、これだけの美女が4姉妹を演じています。しかも、単に美女を揃えただけだとアイドル映画にもなりがちですが、そこは是枝裕和監督の腕が素晴らしく(原作も良いのだと思いますが、原作を読んだことはありません)、しっかりとした4姉妹それぞれの人となりと、生活を描いた作品になっています。

四人が四人とも演技に定評がある女優たち。皆さん、良い演技しています。ただ、時間の制約と物語のストーリー上仕方ないのかもしれませんが、三女の千佳を演じた夏帆がちょっと活きていなかったかなぁ。そこが残念。

すずは、中学生という設定で、サッカークラブに加わります。当然サッカーシーンがあるんですが、あれは、広瀬すず本人?画面にちょっと映っただけなので何とも言えませんが、それほど下手には見えませんでした。撮影技術が上手いということなんですかね?今回の撮影に際して、広瀬すずには台本を渡さず、都度都度セリフを口頭で伝えるという形式を取ったそうです。それが、すずの少し戸惑っているような、自然な感情を作り上げたんでしょうね。

綾瀬はるか・長澤まさみ・夏帆・広瀬すずの四姉妹も素晴らしいですが、脇を演じた風吹ジュン、そして、大竹しのぶもやっぱりいいです。きっちりと存在感を示し、且つ、作品内容も締めていました。ここふたり、やっぱり凄いな。

それに比べ(苦笑)、男性陣の影が薄い気がしました。まぁ、“お父さんが他所に女を作って出て行った”と言う話の背景もあるので、その影響なのかもしれませんが。演技自体は、皆さん定評のある方たちなので良い演技なんですけど、物語の構成に影響を与えるような重要なポジションでは無かったのかな。そんな男性陣の中で、前田旺志郎はいい味出していました。何か、青春って感じです(笑)。

一つ残念に感じたのは、映画という性質上仕方ないのかもしれませんが「えっ?その話、もっと掘らないの?」と思う所があり、話の深堀りが少し足りなく感じた所。でも今回は、四姉妹が一つになっていく世界観を描いたので、あれで良かったのかな。

タイトル 海街diary
日本公開年 2015年
製作年/製作国 2015年/日本
監督 是枝裕和
原作 吉田秋生
出演 綾瀬はるか(香田幸/長女)、長澤まさみ(香田佳乃/次女)、夏帆(香田千佳/三女)、広瀬すず(浅野すず)、加瀬亮(坂下美海/佳乃の勤務先の上司)、鈴木亮平(井上泰之/すずのサッカーチームコーチ)、池田貴史(浜田三蔵/千佳の勤務先の店長)、坂口健太郎(藤井朋章/佳乃の恋人)、前田旺志郎(尾崎風太/すずの同級生)、キムラ緑子(高野日出子/幸の勤務先の師長)、樹木希林(菊池史代/幸たちの大叔母)、リリー・フランキー(福田仙一/山猫亭店主)、風吹ジュン(二ノ宮さち子/海猫食堂店主)、堤真一(椎名和也/幸の勤務先の小児科医)、大竹しのぶ(佐々木都/幸たちの母)、浅野陽子(すずの義母)


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