勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

女は二度決断する / Aus dem Nichts

2018年04月22日 | 洋画(ドイツ系)
第75回ゴールデングローブ賞外国語映画賞、第70回カンヌ国際映画祭主演女優賞(ダイアン・クルーガー)、第90回アカデミー賞外国語映画賞ドイツ代表、第23回クリティクス・チョイス・アワード外国語映画賞作品。

ドイツで発生した、ネオナチ・グループ「国家社会主義地下組織」(NSU)による実際の連続テロ事件に着想を得ている。実際の事件では、初動捜査の誤りから犯人逮捕が遅れ、10年以上にわたってテロが繰り返されてしまい、ドイツ警察戦後最大の失態とまで言われている。

いやぁ、それにしてもダイアン・クルーガー凄い。カンヌ国際映画祭で、主演女優賞を受賞しただけの事はありますね。テロで、大人と子供の犠牲者があると知らされた時の慟哭は、鬼気迫るものがありました。本当にすごい。

作品中の天候が、雨の事が多いと思いませんでしたか?ドイツでの突き抜ける青空と言うのは、あんまりイメージには無いですが、来る日も来る日も雨と言うのもねぇ。あれは、カティヤの心を描写した表現なんでしょうかね?その意味では、犯人が逮捕され、裁判に移ってからは、雨のシーンは無かったような気もします。

ところで、邦題が『女は二度決断する』なんですが、“最後の決断”が二度目だとして、一度目の決断はなんでしょうかね?一度目の決断が、はっきりとわからないことがちょっと気になりました。二度目はね、明確ですけどね。

タイトル 女は二度決断する / 原題 Aus dem Nichts

日本公開年 2018年
製作年/製作国 2017年/ドイツ
監督 ファティ・アキン
出演 ダイアン・クルーガー(カティヤ・シェケルジ)、デニス・モシット(ダニーロ・ファーヴァ/弁護士、ヌーリの友人)、ヨハネス・クリシュ(ハーバーベック/被告側弁護士)、サミア・シャンクラン(ビルギット/カティヤの友人)、ヌーマン・アチャル(ヌーリ・シェケルジ/カティヤの夫)、ヘニング・ペカー(ゲリット・レーツ警部)、ウルリッヒ・トゥクール(ユルゲン・メラー/被告アンドレの父)、ラファエル・サンタナ(ロッコ・シェケルジ/カティヤの息子)、ハンナ・ヒルスドルフ(エダ・メラー/被告)、ウルリッヒ・ブラントホフ(アンドレ・メラー/被告)、ハルトムート・ロート(リヒター・グラボウ/裁判長)、ヤニス・エコノミデス(ニコラオス・マクリス/被告側の証人)、カリン・ノイハウザー(アンネマリー/カティヤの母)、ウーベ・ローデ(ミヒ/アンネマリーの恋人)、アイセル・イシジャン(ヒュリア)
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ロンドン、人生はじめます / Hampstead

2018年04月21日 | 洋画(イギリス系)
ホームレスの男性が、一夜にして億万長者になったと言う実話を下にした物語。

エミリーが住んでいるのは、高級“マンション”なんですね。つまり、英語での本当の意味でのマンション。コンシェルジェが常駐していてね。最初、ホテルか何かと思ってしまいましたよ。でも、“高級”な割には雨漏りしたりして、イギリスの建物は古いんですね。

もう少しきちんと描いた方が良いのでは?と思ったのは、エミリーとドナルドが魅かれ合って行く過程。いつの間には、ドナルドはエミリーの“恋人”になっていたのですが、劇中を見る限り、一夜は共にしていますが、それだけだし、何でエミリーあドナルドに魅かれて行ったのかを、もう少し明確に描いた方が、もっと良かったかなぁと思います。劇中で、エミリーgふぁアメリカ人であると言う事が判明していますし(って言うか、そもそも英語がアメリカ英語だという話もありますが)、イギリス風の階級社会にアメリカ人としては、中々馴染まなかったと言う事なんでしょうかね?なので、自由に束縛されずに生きるドナルドに興味を抱いたと。

もう一つ気になったのは、ドナルドの素性。裁判の場面で、意外に博識である事が露呈しますが、なんでなんでしょう?それまで受けてきた教育の成果なのか、あるいは、“ホームレス”の生活の暇に飽かせていた為なのか。そこも、きちんと描いてほしかったなぁと思います。

全体としては、社会正義が貫かれた、良い作品だったと思います。

タイトル ロンドン、人生はじめます / 原題 Hampstead

日本公開年 2018年
製作年/製作国 2017年/イギリス
監督 ジョエル・ホプキンス
出演 ダイアン・キートン(エミリー・ウォルターズ)、ブレンダン・グリーソン(ドナルド・ホーナー)、レスリー・マンビル(フィオナ)、ジェイソン・ワトキンス(ジェームズ・スマイス)、ジェームズ・ノートン(フィリップ/エミリーの息子)、アリスター・ペトリ(スティーブ・クロウリー)、フィル・デイビス(ファイフ)、サイモン・キャロウ(判事)
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トレイン・ミッション / The Commuter

2018年04月08日 | 洋画(アメリカ系)
会社から突然解雇を宣告された男が、見知らぬ女性から「電車が終点に到達する前に100人の乗客から1人のある人物を見つけ出す」と言う不可能ミッションを課せられる。

最強オヤジ降臨。日本での直近公開の作品『ザ・シークレットマン』では、リーアム・ニーソンはアクションなしで、静かに(そして、人知れず)不正と戦うFBI副長官を演じていましたが、この作品では、元警察官で、現保険セールスマンと言う役で再びアクションありで戦っています。

始まりの描き方が、中々面白いです。同じ場所での、季節を違えた映像を映し出すことで、普通の市民の、普通の日常生活を演出しています。異常な非日常にマイケルは巻き込まれてしまうわけですから、それの対比と言う意味合いでも中々上手いと思いました。

この謎解きって、運行中の列車の中での出来事なんですよねぇ。よく、あっという間に進んでしまう事をジェットコースターに例えたりしますが、この場合は、差し詰め通勤電車の様な“あっという間の”出来事と言う事でしょうか。

列車の中の謎解きは、中々スリリング。ただ、ちょっと手抜き感もあるかな。誰が常連で、誰が一見客かの説明が不十分で、マイケルの謎解きが、どうなっているのかが微妙にわからん。その辺りをもうちょっと緻密に描けば、オリエント急行の殺人のアクションバージョンにもなり得たかもしれないのに。

それと、物語終盤の電車の脱線シーンは、手を抜いた?映像が、見るからに作り物で、そこまで積み上げてきた緊張感が失われてしまって、ちょっと現実に戻されてしまったのは残念。

結末は・・・ネタバレになるので示しませんが、「あぁ、やっぱりそうか」と言う風に思ったとだけ記しておきます。

タイトル トレイン・ミッション / 原題 The Commuter

日本公開年 2018年
製作年/製作国 2018年/アメリカ
監督 ジャウム・コレット=セラ
出演 リーアム・ニーソン(マイケル・マコーリー)、ベラ・ファーミガ(ジョアンナ/謎の女)、パトリック・ウィルソン(アレックス・マーフィー/マイケルの元相棒)、サム・ニール(ホーソーン警部)、エリザベス・マクガバン(カレン・マコーリー/マイケルの妻)、ジョナサン・バンクス(ウォルト)、フローレンス・ピュー(グウェン)
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ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書 / The Post

2018年04月01日 | 洋画(アメリカ系)
事実を下にした作品。

1971年に起きた、ベトナム戦争を分析・記録した国防省の最高機密文書「ペンタゴン・ペーパーズ」のスクープに関連する、ワシントン・ポストの発行人キャサリン・グラハムと編集主幹ベン・ブラッドリーの活躍を描いています。

この話が、【今の】アメリカで作られたのは、何らかの意図があるんでしょうか?当時のニクソン政権の悪辣さは、今の時代、詳らかになっていますが、現トランプ政権も、ニクソン政権と似た感じで、ホワイトハウスに権限を集中させて“仲良しだけによる”政治を推し進めようとしています。ニクソンの場合は、その悪辣さから、最終的には自滅して辞任に至ったわけですが、トランプの場合はどうなるんでしょうね?意外に思ったよりも長持ちしていると思うんですけどね。今年の中間選挙がどうなるか・・・。ますますアメリカ国内の分断が進むような気がして仕方ありませんが。

それともう一つ羨ましいのは、司法が機能していたと言う事。一審では被告(NYタイムズ)勝訴、連邦政府の上告を受けた控訴審では原告(アメリカ連邦政府)勝訴。そして、最終的な決着の場となった上告審の最高裁では、6対3と多数決で被告側(NYタイムズとワシントンポスト)の勝訴となったのは作品の通りですが、政府に与することなく、きちんと憲法の精神に則って判断したのは羨ましいです。もっとも、もしかしたら、ニクソンの前はJFKであったので、その際にリベラルな判事が任命されて、判事の優劣がリベラル優位になっていたのかもしれませんが、そこはちょっとわかりません。

あぁ、こんな新聞社が日本にもあったならば、今の安倍内閣の“麺類疑惑”は、もっと解明が進んでいたのではないかと思わずにはいられません。

最後ですが、これもなぁ“邦題あるある”ですね。だってさぁ、この作品が描いているのは、報道の自由を守り通そうとするワシントン・ポストな訳で、決して、ペンタゴン・ペーパーズじゃ無いんですよねぇ。だから、その“添え物”のペンタゴン・ペーパーズがタイトルのメインに来るのは違うんじゃないかと思います。そういう意味では、やっぱり原題は、しっくりきますね。

タイトル ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書 / 原題 The Post

日本公開年 2018年
製作年/製作国 2017年/アメリカ
監督 スティーブン・スピルバーグ
出演 メリル・ストリープ(キャサリン(ケイ)・グラハム/ワシントン・ポスト紙社主・発行人)、トム・ハンクス(ベン・ブラッドリー/ワシントン・ポスト編集主幹)、サラ・ポールソン(トニー・ブラッドリー/ベンの妻)、ボブ・オデンカーク(ベン・バグディキアン/ワシントン・ポスト編集局次長・記者)、トレイシー・レッツ(フリッツ・ビーブ/ワシントン・ポスト取締役会長)、ブラッドリー・ウィットフォード(アーサー・パーソンズ/ワシントン・ポスト取締役)、ブルース・グリーンウッド(ロバート・マクナマラ/国防長官)、マシュー・リス(ダニエル・エルズバーグ/ペンタゴン・ペーパーズの執筆者の一人)、アリソン・ブリー(ラリー・グラハム・ウェイマウス/キャサリン・グラハムの娘)、マイケル・スタールバーグ(エイブ・ローゼンタール/ニューヨーク・タイムズ編集者)
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ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男 / Darkest Hour

2018年04月01日 | 洋画(イギリス系)
チャーチルの第一次内閣発足から、ダイナモ作戦(ダンケルク大撤退)までの4週間を描いた映画。

ゲイリー・オールドマンが第90回アカデミー賞で主演男優賞、辻一弘が同じアカデミー賞で、その主演男優賞のゲイリー・オールドマンを似ても似つかないウィンストン・チャーチルに“変身”させた事で、メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞しています。

ダイナモ作戦(ダンケルク大撤退)と言えば、昨年、クリストファー・ノーランの『ダンケルク』がありましたが、その撤退作戦に至るまで、イギリス政府指導部の内部では、こんな政治的な暗闘が繰り広げられていたんですね。チャーチルが、首相就任の頃、ここまで仲間の政治家たちに人気が無いとは知りませんでした。“挙国一致内閣”と言いながら、全然挙国一致していない。隙あらば足元を掬おうとしている政敵ばかり。リアルに国家の危機に瀕しているのに、議会政治の先進国であるイギリスにおいてすら、こんな状況なのかと、驚きました。まだまだ議会政治の世界で言えば野蛮な国である日本が、下らん政治的駆け引きに終始しているのも仕方ないのかな・・・。

それと思ったのが、いつの時代も、政党を移るような政治家は、政治家から嫌われるんですね・・・。日本でもそうですよね。

って言うか、乱世には暴れん坊・・・。日本でも、戦後の乱世の時代、チャーチルとどことなく風貌の似ている吉田茂が首相になって、長期政権を築いたことに気が付きました。政治家仲間から、なんとなく嫌われているのも似ていますね。

映画の話に戻ります。

ゲイリー・オールドマンがチャーチルを熱演していますが、彼の強気一辺倒のところだけではなく、党派争いで弱気になったり、アメリカからの援助を得ることが出来なくて絶望の淵にたったりと、様々な表情を上手く演じています。確かに主演男優賞モノですね。

上記の通り、似ても似つかないゲイリー・オールドマンがチャーチルになってしまったのですが、それ以外にも、顔を知っている人で言えば、チェンバレンも何となく似ていました。

最後ですが、微妙に“邦題あるある”に汚染されていますね。確かにチャーチルは、ヒトラーに勝ったわけですが、この作品は、その最後のところまでは映画いておらず、政権当初の立ち上がりの部分だけを描いています。そういう意味では、“ヒトラーから世界を救った男”と言うのは、言い過ぎでは無いかと?

タイトル ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男 / 原題 Darkest Hour

日本公開年 2018年
製作年/製作国 2017年/イギリス
監督 ジョー・ライト
出演 ゲイリー・オールドマン(ウィンストン・チャーチル)、クリスティン・スコット・トーマス(クレメンティーン・チャーチル/ウィンストンの妻)、リリー・ジェームズ(エリザベス・レイトン・ネル/ウィンストンの秘書)、スティーブン・ディレイン(ハリファックス子爵エドワード・フレデリック・リンドリー・ウッド/外務大臣)、ロナルド・ピックアップ(ネビル・チェンバレン/枢密院議長)、ベン・メンデルソーン(国王ジョージ6世)、ニコラス・ジョーンズ(サイモン子爵ジョン・オールスブルック・サイモン/大法官(貴族院議長))、サミュエル・ウェスト(アンソニー・イーデン/陸軍大臣)、デビッド・バンバー(バートラム・ヒューム・ラムゼー提督/ダイナモ作戦(ダンケルク大撤退)責任者)
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