勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

ダーク・プレイス / Dark Places

2016年06月25日 | 洋画(イギリス系)
『ゴーン・ガール』の原作者の新たな小説の映画化。

なるほど~。そう来ますか。

この手の作品は、最後に所謂“衝撃の結末”が待ち受けている訳ですが、これも、意外と言えば意外な結末で、しかも、色んな出来事が絡んでいたということなんですね。とは言っても、メインの事件の“犯人”がアレなのは、ミステリーと言うかサスペンスとしては、禁じ手ではないかと?もう一つの出来事と絡んできたので、そんなに酷い感じとは思いませんでしたが、そっちの出来事がなければ、かなり酷い結末だったかも。だってさぁ、犯人が・・・(以下自粛)

この作品で、シャーリーズ・セロンのいいところ、出ていましたかね?正直言って、表現力が必要とされるような感情の発露のシーンが有るわけでもなく、比較的淡々と進んでいったと言うと言い過ぎでしょうか。そう言う意味で、主演がシャーリーズ・セロンであった理由がよくわかりません。

それと、所謂“殺人クラブ”が、この一家惨殺事件解決を計ろうとしていたわけですが、殺人クラブが出てくるのは最初だけで、あとは、シャーリーズ・セロンが自分で色々と調べごとを進めていった感じですよね。そう言う意味で、殺人クラブの設定が甘かったのではないかと思います。

などと、結構キツイことを書いていますが、サスペンスとしては、まぁまぁ面白い作品だと思います。悪くはないです。

タイトル ダーク・プレイス / 原題 Dark Places

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2015年/イギリス・フランス・アメリカ
監督 ジル・パケ=ブレネール
出演 シャーリーズ・セロン(リビー・デイ)、スターリング・ジェリンズ(若き日のリビー)、ニコラス・ホルト(ライル・ワース)、クロエ・グレース・モレッツ(若き日のディオンドラ)、クリスティーナ・ヘンドリックス(パティ・デイ/リビーの母)、コリー・ストール(ベン・デイ/リビーの兄)、タイ・シェリダン(若き日のベン)、アンドレア・ロス(ディアンドラ)、シャノン・コック(若き日のトレイ・テーパノ)、J.ラローズ(トレイ・テーパノ)、ドレア・デ・マッテオ(クリッシー・ケイツ)、アディ・ミラー(若き日のクリッシー・ケイツ)

64 ロクヨン 後編

2016年06月19日 | 邦画
64 ロクヨン 前編』に引き続く後編。結末が、原作と異なっています。

前編が思ったよりも良かったので、期待していきましたが、う~ん、敢えて変えた結末はどうなんでしょうね?わたし的には、ちょっとイマイチ。

って言うか、原作は読んだんですが、どう言う内容だったか忘れてしまったので、改変部分か否かが定かではないんですが、物語終盤の三上の“暴走”で、ここまでいい感じで描かれてきたこの作品の世界観が一変してしまった気がします。映像作品という事もあるので、それなりの盛り上がりが必要なのは理解できますが、ああ言うシーンは必要であったのかな?ちょっと疑問です。

それと、娘がいなくなって以来、不安定な精神状態だった三上の妻ですが、いつの間にか落ち着いていませんか?何がきっかけだったのか?そもそも、それほど重症では無かったのかもしれませんが、ちょっと違和感を覚えました。

原作をもう一度読み返してみます。

タイトル 64 ロクヨン 後編

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2016年/日本
監督 瀬々敬久
原作 横山秀夫『64』
出演 佐藤浩市(三上義信/警務部秘書課広報室広報官、元ロクヨン追尾班)、夏川結衣(三上美那子/義信の妻)、綾野剛(諏訪/警務部秘書課広報室係長)、金井勇太(蔵前/警務部秘書課広報室主任)、榮倉奈々(美雲/警務部秘書課広報室)、三浦友和(松岡勝俊/刑事部捜査一課長、元ロクヨン追尾班長)、緒形直人(目崎正人/平成14年の事件の被害者)、吉岡秀隆(幸田一樹/警備員、元ロクヨン自宅班)、窪田正孝(日吉浩一郎/無職、元ロクヨン自宅班)、烏丸せつこ(日吉雅恵/浩一郎の母)、鶴田真由(村串みずき(旧姓:鈴本)/主婦、元ロクヨン自宅班)、滝藤賢一(赤間/警務部長(キャリア))、菅原大吉(石井/警務部秘書課長、三上の上司)、仲村トオル(二渡真治/警務部警務課調査官)、奥田瑛二(荒木田/刑事部長(ノンキャリ))、小澤征悦(御倉/刑事部捜査一課次席)、永瀬正敏(雨宮芳男/ロクヨン被害者の父)、瑛太(秋川/東洋新聞キャップ)、坂口健太郎(手嶋/東洋新聞サブキャップ)

シークレット・アイズ / Secret in Their Eyes

2016年06月18日 | 洋画(アメリカ系)
元々は、アルゼンチン映画。それのハリウッドリメイクです。

ジュリア・ロバーツが、ほとんど素っぴんで出ています。その意気込みを感じますね。って言うか、そうじゃないと、あの役は演じられないですね。それほどの演技だと思いました。ニコール・キッドマンは、バッチリメイクなので、その対比が眩しいです。でも、思ったよりも、出番が少ないんですよねぇ。ものすごく重要な役割なんで、そこがちょっと不満です。推理小説だったら、禁じ手に近い。

そしてそのニコール・キッドマン。美人であることに異論はないと思います(笑)。でも、こう言うと怒られると思いますが、あの改造してるよね?アップが気になりました。

それで、この作品で一番活躍したのは、キウェテル・イジョフォー。いろんな意味で、女二人に翻弄されたような気がします。

いやぁ、でも、そう言う事ですか。一旦結末っぽい話の後に、実は本当は・・・。これは書けないです。コピーの「予想しない真相」と言うのは、嘘ではないです。

タイトル シークレット・アイズ / 原題 Secret in Their Eyes

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2015年/アメリカ
監督 ビリー・レイ
出演 キウェテル・イジョフォー(レス・カステン)、ジュリア・ロバーツ(ジェシカ・コブ)、ニコール・キッドマン(クレア・スローン)、アルフレッド・モリーナ(マーティン・モラレス/13年前の検事)、マイケル・ケリー(レグ・シーファート)、ディーン・ノリス(バンピー・ウィルズ)、ジョー・コール(マージン/ベックウィズ)

[2016.6.18スマホから投稿。2016.6.19PCにて修正]

帰ってきたヒトラー / Er ist wieder da

2016年06月18日 | 洋画(ドイツ系)
市中での撮影は、映画の撮影と言うことを隠して撮ったらしいので、その後映画として公開するときに了承を得られなかった人には、目隠しなどの加工がされています。

いや、でも、これが今のドイツの本音なんだろうね。それにしても、ヒトラーの格好で歩いていても、思ったよりも反発がないばかりか(一人、反発していた人は居たけど)、例のナチスポーズを取ったりしていて、ビックリしました。あの敬礼は、ドイツでは違法なはずなのに・・・。

翻って、我が日本の事に思いを馳せました。今の日本も、この映画で描かれたドイツの様に、過去を過剰に美化し、賛美する風潮を感じます。過去に学び、未来に生きる。そう言うことを、この映画から感じました。

いやぁ、それにしても、ドイツの本音。そうだろうなぁと思うところと、知りたくなかったと言う二つの思いがあります。

タイトル 帰ってきたヒトラー / 原題 Er ist wieder da

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2015年/ドイツ
監督 デビッド・ベンド
出演 オリバー・マスッチ(アドルフ・ヒトラー)、ファビアン・ブッシュ(ファビアン・ザバツキ/TV局契約局員)、クリストフ・マリア・ヘルプスト(クリストフ・ゼンゼンブリンク/TV局副局長)、カーチャ・リーマン(カーチャ・ベリーニ/TV局局長)、フランツィシカ・ウルフ(フランツィスカ・クレマイヤー/TV局事務員)、ラルス・ルドルフ(キオスクのオーナー)、トマス・ティーマ(ケルントナー/TV局社長)

[2016.6.18スマホから投稿。2016.6.19PCにて修正]

マネーモンスター / Money Monster

2016年06月12日 | 洋画(アメリカ系)
ジョディ・フォスター、ジョージ・クルーニー、ジュリア・ロバーツのケミストリーがいい感じに出たんじゃ無いでしょうか?

このマネー・モンスターと言う番組の設定が、いかにもアメリカンですが、番組を鵜呑みにして失敗してしまう視聴者がいるのも、いかにもアメリカン。でも、居るんでしょうね、こう言う人

それにしても、ジャックされた生放送をそのまま続けると言うと言うのは、いかにも現代的ですね。実際、そう言う事も有るかも。

監督も、俳優陣も素晴らしいのですが、足りないと思ったのが、起きたと言われる情報操作のからくりの件。これが、この事件の起きた発端な訳ですから、何故・どうやって、と言う所をもっと掘って欲しかった気がします。これだと、ジョディ・フォスターの監督としての才能と、ジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツの演技を再確認しただけになってしまうかも!

タイトル マネーモンスター / 原題 Money Monster

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2016年/アメリカ
監督 ジョディ・フォスター
出演 ジョージ・クルーニー(リー・ゲイツ/マネーモンスター MC)、ジュリア・ロバーツ(パティ・フェン/マネーモンスター ディレクター)、ジャック・オコンネル(カイル・バドウェル/犯人)、ドミニク・ウェスト(ウォルト・キャンビー/証券会社CEO)、カイトリオーナ・バルフェ(ダイアン・レスター/金融会社広報)、ジャンカルロ・エスポジート(パウエル署長)、クリストファー・デナム(ロン/マネーモンスター プロデューサー)、レニー・ベニート(レニー/マネーモンスター カメラマン)、デニス・ボウトシカリス(エイヴリー・グッドロー/金融会社CFO)、エミリー・ミード(モリー)

[2016.6.12スマホから投稿。2016.6.19PCにて修正]

二ツ星の料理人 / Burnt

2016年06月11日 | 洋画(アメリカ系)
最近、料理やレストランに纏わる作品を見ることが多いのですが、それらの多くはドキュメンタリー。でもこれは違います。劇映画です。

いやぁ、こんなシェフは嫌ですよね。人としての弱さを出しているシーンはありますが、ウーン、どうなのかな?チョット物語性を持たせ過ぎと言う気もします。

残念だったのが、オマール・シーの扱い。実は、ブラッドリー・クーパー演じるアダムと確執のある人物と言う設定で、和解したかに見えていたのですが、その実それを忘れていなかったと言う事ですね。彼が物語から退場するなら、もっと丁寧に描いて欲しかった。彼の扱いが軽かったのが残念な気がしますね。

それと、ミシュラン三ツ星と言えば、確かにそれは名誉な事ですが、何かそれを目指して形振り構わぬと言うのは、テーマとしてはいまいちな感じもしますねぇ。ミシュラン三ツ星の舞台裏を垣間見た気もして、ちょっと興醒めとも。

タイトル 二ツ星の料理人 / 原題 Burnt

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2015年/アメリカ
監督 ジョン・ウェルズ
出演 ブラッドリー・クーパー(アダム・ジョーンズ)、シエナ・ミラー(エレーヌ/スーシェフ)、オマール・シー(ミシェル/アダムのフランス時代の同僚)、ダニエル・ブリュール(トニー/アダムの古くからの友人、給仕長)、リッカルド・スカマルチョ(マックス)、サム・キーリー(デビッド)、マシュー・リス(リース/アダムのライバル料理人)、エマ・トンプソン(ロッシルド医師)

[2016.6.11スマホから投稿。2016.6.19PCにて修正]

教授のおかしな妄想殺人 / Irrational Man

2016年06月11日 | 洋画(アメリカ系)
例によって、邦題が「あれ」な感じです。でも中身は流石にウディ・アレン。不条理ですね(笑)

それと思ったのが、状況説明のモノローグ。これも、ウディ・アレンあるあると言って良いのでは無いでしょうか?

やっぱり役者って凄いなと思ったのが、エマ・ストーンの表情。ホアキン・フェニックス演じるエイブのしでかした出来事を知った時のエマ・ストーンの表情が凄い。表情だけで、エマ・ストーンが演じているジルが何を思っているのか、よくわかりました。凄いですよ。

ホアキン・フェニックスもそうです。物語最初の頃、生きることの意味をエイブは感じていなかったんですが、生きる意味を見出だした以降のエイブの表情には活力がみなぎり、元気一杯で有ることがよくわかります。これも表情での延期だと思うんですが、それだけで観客のその人物の状況を知らしめる事が出来るのは一流の俳優の証明ですよね。

結末も不条理。って言うか、因果応報かもね(笑)

タイトル 教授のおかしな妄想殺人 / 原題 Irrational Man

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2015年/アメリカ
監督 ウッディ・アレン
出演 ホアキン・フェニックス(エイブ/哲学科教授)、エマ・ストーン(ジル/大学生、エイブの教え子)、パーカー・ポージー(リタ/エイブの同僚)、ジェイミー・ブラックリー(ロイ/ジルの恋人)、ベッツィ・アイデム(ジルの母)、イーサン・フィリップス(ジルの父)

[2016.6.11スマホから投稿。2016.6.19PCにて修正]

サウスポー / Southpaw

2016年06月05日 | 洋画(アメリカ系)
ボクシング世界4タイトル保持者のチャンピオンが、自ら引き起こした事件が下で、チャンピオンシップおろか、妻と子供も含めて全てを失ったどん底から這い上がってくる姿を描く。

ボクシング映画って、なんでこう言う這い上がり物が多いんでしょうね。そしてそれって多くの場合、得意の絶頂から失意のどん底に一気に落ち込んでから、数少ない理解者を得てカムバックすると言うパターンな訳ですが、この作品もその例に漏れません。

そういう訳なので、正直、ストーリーを予測するのは簡単で、実際、その予想通りに物語は進んでいくんですが、それでも、何か感動しちゃいますね。何でなんですかね?

主演のジェイク・ギレンホールは、主人公ビリー・ホープを演じるため、6ヶ月にも渡ってボクシングのトレーニングを受けたそうです。画面には、見事にその鍛えあげられた肉体が映しだされていましたね。

それと、レイチェル・マクアダムスはカワイイんですが、それはそれで良いとして、この作品で素晴らしいのは、他の助演陣ですね。その中でも何と言っても、フォレスト・ウィテカーは良いですね。厳しい伝説のトレーナーに十分になりきっていました。彼が、プロをトレーニングしない理由を知りたい気もしましたが、それは明らかにならないんですね。残念。

そして子役のオオーナ・ローレンス。彼女も素晴らしいです。彼女の演じたレイラが、モーリーン亡き後のビリーの心の糧な訳ですが、なんか亡くなったモーリーンみたいになって、「もう、パパは何にも出来ないんだからぁ!」とか言って、ビリーをビシビシと厳しくしごいて行く姿が目に浮かびました(笑)。父と娘と言う構図だと、有りがちですよね。

この作品は、ヒップホップ・ミュージシャンのエミネムの半生をモチーフに作られているそうなんですが、エミネムって、ボクシングしないですよね?どの辺りが、エミネムの半生なんでしょう?正直それはわかりませんでしたが、それを抜きにして十分、感動的で、素晴らしい作品になっていると思います。

タイトル サウスポー / 原題 Southpaw


日本公開年 2016年
製作年/製作国 2015年/アメリカ
監督 アントワン・フークア
出演 ジェイク・ギレンホール(ビリー・ホープ)、レイチェル・マクアダムス(モーリーン・ホープ/ビリーの妻)、フォレスト・ウィテカー(ティック・ウィルズ)、オオーナ・ローレンス(レイラ・ホープ/ビリーの娘)、カーティス・“50セント”・ジャクソン(ジョーダン・メインズ/マッチメーカー)、ナオミ・ハリス(アンジェラ・リベラ/ソーシャルワーカー)、スカイラン・ブルックス(ホピー/ティックのジムの訓練生)、ボー・ナップ(ジョン・ジョン)、ビクター・オルティス(ラモン)、ミゲル・ゴメス(ミゲル・“マジック”・エスコバル)