勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

チーム・バチスタの栄光(2008年)

2008年02月10日 | 邦画
原作は、第四回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作品。現役医師による医療ミステリーだけに、素人がちょっと勉強しただけでは書けない臨場感を感じます。

ほぼ原作どおりの映画化ですが、原作では男性であった田口が、女性に変更になっているのが主な変更点。映像の無い小説としては白鳥・田口は男男の組み合わせでも問題ないのでしょうが、映像化する場合、やっぱり男女の組み合わせのほうが映像的にはよいと言うことなのでしょう。

田口役の竹内結子がいい演技しています。お人好しで、素直と言う設定の田口を見事に演じきっています。本人は「この映画は、ずっとコメディーのつもりで撮っていました。」と言っていたようですが、まさに、そう言うつもりで演技しているのが伝わってきます。それが、病院内での殺人事件という重いテーマの映画を、コミカルな映像作品に見事に昇華させています。

そしてもう一人の重要人物が、白鳥役の阿部寛。「白鳥をやるならこの人しかない!」と思っていましたが、みんなそう思っていたようで、まさにはまり役。って言うか、本人の地ではないのでしょうか(ウソ)。

その他、名のある俳優人の中、おわらい芸人から田中直樹が出演しています。実は重要な役なのですが(って言うか、原作を読んだ人はどういう役柄か分かると思います)、きちんと演じています。パンフレットの写真では、俳優顔なので、まじめに演技すればいい演技が出来るようです。ただ、ちょっと滑舌が良くないかな。言葉が、若干はっきりしないところが残念。

上記の通り、田口の設定のほか物語の結末も原作とは異なっています。これに関しては、賛否があるかもしれません。また、原作にない設定として、何故だか、田口がソフトボールが趣味のようです。これに関しては、必然性はないのですが、必要なんでしょうかね?

原作を読んでも、読まなくても、楽しめると思います。非常にシリアスな内容(本当の話だったら、とっても怖い)の映画ですが、時々笑い声が上がるほど、コミカルなところもある映画です。面白いです。

タイトル チーム・バチスタの栄光
日本公開年 2008年
製作年/製作国 2008年/日本
監督 中村義洋
原作 海堂尊
出演 阿部寛(白鳥圭輔)、竹内結子(田口公子)、吉川晃司(桐生恭一)、池内博之(鳴海涼)、玉山鉄二(酒井利樹)、井川遥(大野直美)、田口浩正(羽場貴之)、田中直樹(氷室貢一郎)、佐野史郎(垣谷雄次)

[2008/02/10]鑑賞・投稿
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アメリカン・ギャングスター(2007年)

2008年02月03日 | 洋画(アメリカ系)
1960年代末期から1970年代前半に掛けて、ニューヨークの麻薬ビジネスを仕切った一人の黒人マフィアに関する話。実話である。

デンゼル・ワシントンの”悪役”姿が珍しいです。”悪役”と言っても、大物ギャングなので、”やり手の実業家”と言う見た目ですが、人殺しも躊躇せず実行すると言う冷酷な一面も見せています。逆に、ああ言うことを実行できるから、裏世界でのし上がれるのだと思います。対する刑事役は、ラッセル・クロウ。こう言う物語の刑事にありがちな、家庭生活は崩壊している刑事です。賄賂や脅しにも怯まない、骨のある刑事を演じています。

この映画の背景には、ベトナム戦争と中国国共内戦が影を下ろしています。ベトナム戦争では、米軍兵士への麻薬汚染が問題になっているのですが、それが無ければ、デンゼル・ワシントン演じるフランク・ルーカスは、麻薬を入手できなかったでしょう。また麻薬は、中国国民党の残党がタイ・ビルマ・ラオスの奥地で経営している麻薬工場から入手して、米軍輸送機により米国内に持ち込むと言う大胆不敵な手口。これにはビックリです。ちなみに、この麻薬工場で、中国国民党は活動資金を賄っていました。

あと、もう一つ映画の背景にあるのが、警察の腐敗。ラッセル・クロウ演じるリッチー・ロバーツは、ニュージャージー州の刑事なのですが、対岸のニューヨークの麻薬捜査局の刑事たちは腐敗しきっていて、賄賂を取ったり、麻薬を横流ししたりと、悪行三昧。まぁ、ネタバレをしてしまうと、リッチーに逮捕された後、フランクはリッチーによる悪徳刑事逮捕に協力しています。もっと言うと、この事件の後、リッチーは刑事をやめ、弁護士に転進しているんですが、その第一号依頼者はフランクと言うオマケ付き。

157分と言う結構長い映画ですが、物語に飽きません。見応えのある映画です。良くも悪くも、麻薬ビジネスが世界規模で動かされていることが良く分かりました。

タイトル アメリカン・ギャングスター
原題 American Gangster
日本公開年 2008年
製作年/製作国 2007年/アメリカ
監督 リドリー・スコット
出演 デンゼル・ワシントン(フランク・ルーカス)、ラッセル・クロウ(リッチー・ロバーツ)、キウェテル・イジョフォー(ヒューイ・ルーカス)、キューバ・グッディングJr(ニッキー・バーンズ)、ジョシュ・ブローリン(トルーポ刑事)

[2008/02/03]鑑賞・投稿
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歓喜の歌(2007年)

2008年02月02日 | 邦画
大晦日のママさんコーラスグループのコンサートの会場予約がダブルブックされていた・・・と言うシチュエーションを描いたドタバタ劇の映画化。元々は、立川志の輔の新作落語。落語は、その時代時代の風刺や庶民の生活を描いたものなのですが、こう言う現代の市民生活も落語になるんですね。ミュージカルも映画になるんですから、落語も映画になっていいわけですね(笑)。

基本は、大晦日前日の一日の話。ジェットコースタームービーな筈なのですが、物語の最初の頃は、コンサートまでまだ一週間でもありそうな感じで、ゆっくりと時間が流れます。しかし、途中から話は急に進みだし、最後は大団円になるんですが、最初のたるんだ感じの進み方は気になりました。

映画のタイトル「歓喜の歌」とは、年末になると何故だか町の中に流れ出す交響曲第九番のこと。年末のコンサートだからねぇ。大晦日前日の話なので、当然冬の設定なのですが、実際の撮影は夏ごろに行われたので、猛暑の中、冬の設定の撮影には苦労したらしいです。

由紀さおりが、一方のコーラスグループの代表の役で出ていますが、由紀さおりと言えば姉の安田祥子。出ていました。劇中、セリフのあるシーンでは出てこないんですが、最後の合唱シーンで、由紀さおりの斜め後ろ辺りに立っていました。

安田成美が、もう一方のコーラスグループの代表役で出ていますが、10歳前後の子供がいる設定。彼女も、そう言う歳なんですねぇ。

別に感動するような物語ではないはずなのですが、最後の大団円に向かっては、ほのぼのと、そして、何となく感動します。細かい事を言えば、突っ込めそうなところはたくさんありますが、落語だと思って気楽に見ると良いと思います。

タイトル 歓喜の歌
日本公開年 2008年
製作年/製作国 2007年/日本
監督・脚本 松岡錠司
原作 立川志の輔(新作落語「歓喜の歌」より)
出演 小林薫(飯塚正)、安田成美(五十嵐純子)、伊藤淳史(加藤俊輔)、由紀さおり(松尾みすず)、浅田美代子(飯塚さえ子)、田中哲司(北澤直樹)、藤田弓子(大田登紀子)、根岸季衣(塚田真由美)、光石研(五十嵐恒夫)、筒井道隆(「リフォーム大田」の客)、笹野高史(伊藤茂)、塩見三省(大河原勇)、渡辺美佐子(大河原フク)、立川志の輔(本人)

[2008/02/02]鑑賞・投稿
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