勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

天才作家の妻 40年目の真実 / The Wife

2019年01月26日 | 洋画(その他)
ノーベル文学賞を受賞した作家。しかし、彼の作品は、彼の妻が書いていた。

物語の舞台は。1992年と結構昔です。劇中、懐かしきコンコルドもCGで復活していたりしています。それにしても、フェイクニュースであふれている“いま”であれば、「あぁ、そう言う事も有り得るよね」と思いますが(まぁ、それでも、物凄いスキャンダルになりますが)、1992年にこんな事が起きていたら、想像を絶する大騒ぎになっていたに違いありません。

タイトルの通り、妻側に焦点があてられたものですが、その妻を演じたグレン・グローズが、(当然ですが)凄い。夫のノーベル文学賞受賞の報を聞いて、自分の心の葛藤と戦う表情、夫が称賛されるにしたがって強張っていく表情。素晴らしい演技です。第76回ゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞するのも納得です。アカデミー賞は、まだ結果が出ていませんが、当然、主演女優賞にノミネートされています。

タイトル 天才作家の妻 40年目の真実 / 原題 The Wife

日本公開年 2019年
製作年/製作国 2017年/スウェーデン・アメリカ・イギリス
監督 ビョルン・ルンゲ
原作 メグ・ウォリッツァー『The Wife』
出演 グレン・クローズ(ジョーン・キャッスルマン)、ジョナサン・プライス(ジョゼフ・キャッスルマン)、クリスチャン・スレイター(ナサニエル・ボーン)、マックス・アイアンズ(デビッド・キャッスルマン/ジョーンとジョゼフの息子、作家)、ハリー・ロイド(若い頃のジョゼフ・キャッスルマン)、アニー・スターク(若い頃のジョーン・キャッスルマン)、

マイル22 / Mile 22

2019年01月20日 | 洋画(アメリカ系)
世界を破滅させるような“危険な物質”の有りかを知る人物を22マイル(約35.4Km)先まで護送する任務。しかし、その途中には、武装勢力による危険な攻撃が待ち受けていた・・・。

さて、危険な環境の中を人間を護送する任務と言えば、ブルース・ウイリスがニューヨーク市警の刑事を演じた『16ブロック』を思いだします。これも、周囲が敵だらけと言う究極の環境での護送任務でした。

違う所は、『16ブロック』は一匹狼の刑事がたった一人で護送していたのに対し、こちらの作品は、チームとして活動しているところ。どちらが楽かと言う事は無いと思いますが、支援を受けられるだけ、こちらの方が楽?かとも思いましたが・・・全然違いましたね。ネタバレになるので、あまり詳しくは書けませんが、どちらも、護送任務を簡単に考えてはダメだと言う事ですね。

それにしても、中々派手なアクションシーン。ジョージア州アトランタとコロンビアのボゴタでのロケだったそうですが、かなりの量の銃器類をボゴタに“輸出”したそうです。あれをみると、そりゃそうだ。

いやぁ、なかなか面白かったです。

タイトル マイル22 / 原題 Mile 22

日本公開年 2019年
製作年/製作国 2018年/アメリカ
監督 ピーター・バーグ
出演 マーク・ウォールバーグ(ジェームズ・シルバ)、ローレン・コーハン(アリス・カー)、イコ・ウワイス(リー・ノア)、ロンダ・ラウジー(サム・スノウ)、ジョン・マルコビッチ(ビショップ)、イ・チェリン(クイーン)

TAXi ダイヤモンド・ミッション / TAXi 5

2019年01月19日 | 洋画(フランス系)
リュック・ベッソンのTAXiシリーズの第5弾。今度は、パリ警察から、マロが、マルセイユ警察にやってきます。

いままでの、サミー・ナセリ、フレデリック・ディフェンタールは出てきません。これまでと続いて出ているのは、市長になっているシベール役のベルナール・ファルシーくらいでした。また、一応、 サミー・ナセリ演じるダニエルの甥と言う設定はあるので、世界観は続いていると言う事の様です。

うーん、なんか、話のリズムが悪いですねぇ。見たのは、TAXi 3までですが、それまでだと、ダニエルとエミリアンの丁々発止のやり取りが物語にリズムを付け、そして、TAXIの疾走が、画面にドキドキ感と緊張感を与えると言う感じでしたが、それがありません。なんか、だらぁとした感じ。カーチェイスのシーンは、(それがウリの作品なので)あるんですけどねぇ。

笑うシーンも所々あるんですが、なんか、無理やりネタとして仕込んだ感じ。上滑りしています。

TAXiシリーズなので期待していたんですが、なんか、ちょっと残念。

タイトル TAXi ダイヤモンド・ミッション / 原題 TAXi 5

日本公開年 2019年
製作年/製作国 2018年/フランス
監督 フランク・ガスタンビド
出演 フランク・ガスタンビド(シルヴァン・マロ)、マリク・ベンタルハ(エディ・マクルー)、ベルナール・ファルシー(ジベール市長)、サブリナ・ウアザニ(サミア)、エドゥアルド・モントート(アラン)、ムッシュ・プルベ(メナール)、アヌアル・トゥバリ(ミシェル)、リオネル・ラジェ(レジス)、シシ・デュバルク(サンドリーヌ)、サンド・バン・ロイ(サンディ)、ロマン・ランクリー(ビション副市長)、サルバトーレ・エスポジート(トニードッグ)、ファブリツィオ・ネボラ(ロッコ)、ルドゥアン・ブゲラバ(マルコ)、イシェム・ブゲラバ(イシェム)

未来を乗り換えた男 / Transit

2019年01月14日 | 洋画(ドイツ系)
第二次大戦時のナチスによるフランス占領の舞台を、現代に置き換えて描いた作品。

RAIDとか、現代フランスの警察特殊部隊が、“難民”狩りを行う描写は衝撃的。って言うか、実際に今での起きている事なのかな?ヨーロッパは、中東やアフリカからの難民が押し寄せる問題が起きていたので、有り得ることかもしれませんね。

ゲオルグや、その他の多くの人が逃げなければならない背景は、全く明らかにされません。でも、ナチスによる占領が進んでいるという事で、ユダヤ人迫害の為に逃げなければならないと言うのは明確なんですかね?

それと、時代を現代にした事により、中東やアフリカからの難民も存在し、問題をより一層複雑にしています。だれもかれも、逃げようとしますからね。

“フランス”“ナチス”と言う二つの言葉から連想されるには『レジスタンス』ですが、この作品では出てきません。いや、“反体制派”とか言う言葉で、ちょっとは触れているのかもしれませんが、明示的には出てきません。むしろ、パリからマルセイユにたどり着き、そこからメキシコまで逃げ延びようとするまでの日々を、おびえながら、悩みながら、待っているという日々が描かれています。でも、意外に、それでも物語になるんですね。

結末が、まさに戦争に悲劇ですね。実際にあり得るような事。それがまたリアルにも感じます。

タイトル 未来を乗り換えた男 / 原題 Transit

日本公開年 2019年
製作年/製作国 2018年/ドイツ・フランス
監督 クリスティアン・ペッツォルト
原作 アンナ・ゼーガース『トランジット』
出演 フランツ・ロゴフスキ(ゲオルク)、パウラ・ベーア(マリー)、ゴーデハート・ギーズ(リシャール)、バルバラ・アウア(犬を連れた女性)、マティアス・ブラント(バーテンダー、ナレーター)、セバスティアン・フールク(ポール)、アントワーヌ・オッペンハイム(ビネー)、アレックス・ブレンデミュール(メキシコ領事)、トリスタン・ピュッター(アメリカ領事)