勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

フロスト×ニクソン

2009年03月28日 | 洋画(アメリカ系)
アメリカ史上(いまのところ)唯一、任期中に辞任した大統領ニクソン。汚名を何とか返上し政界復帰を目論む、そのニクソンと、アメリカ進出の為の足掛かりを得ようとする、イギリス人TVショーの司会者フロスト。その両者のトークバトルとも言うべき4日間のインタビュー模様を、その準備段階からドキュメンタリー風に纏めた映画。その後、ニクソンが復活する事は無いままであったという歴史の事実は、この冒頭に記しても許されるのではないでしょうか。

フロストが死に物狂いになってニクソンを追い詰めようとするきっかけとなった、ニクソンからフロストへの電話のシーンが、物語のクライマックス近くにあります。それをニクソンが覚えていなかったというのは、本当はどうか知りませんが、かなり衝撃的。全4回のインタビューのうち、既に3回を終了し、残されたのは1回のみ。しかも、それまでの3回のインタビューはニクソン圧勝であったわけですから、ニクソンは、不必要な電話で、自分で自分の首を絞めてしまったことになります。酒を飲んで電話をしてはいけません(笑)。

ニクソンを演じるフランク・ランジェラですが、惜しくもアカデミー賞受賞は逃したものの、大物政治家の役を貫禄たっぷりに演じています。特に、最後の、フロストの攻撃に陥落してしまった表情は、何とも良い表情をしていました。

他方、デビッド・フロストを演じたマイケル・シーン。フロストとしては、ニクソンにかなり追い詰められていたはずなのですが、あまりそう言う表情は見せなかったのは、演出か?

軽薄な、面白おかしい物語ではありませんが、重厚な政治ドラマという訳でも有りません。もう少し、フロストとニクソンの心理バトルを楽しみたかった気がします。

2008年度アカデミー賞主要5部門(作品賞、監督賞(ロン・ハワード)、主演男優賞(フランク・ランジェラ)、脚色賞、編集賞)ノミネート。ゴールデングローブ賞最多5部門(ドラマ部門:作品賞、主演男優賞(フランク・ランジェラ)、共通部門:監督賞(ロン・ハワード)、脚本賞、作曲賞)ノミネート。

タイトル フロスト×ニクソン
原題 Frost/Nixon
日本公開年 2009年
製作年/製作国 2008年/アメリカ
監督・製作 ロン・ハワード
脚本・原作・製作総指揮 ピーター・モーガン
出演 フランク・ランジェラ(リチャード・ニクソン)、マイケル・シーン(デビッド・フロスト)、ケビン・ベーコン(ジャック・ブレナン)、レベッカ・ホール(キャロライン・クッシング)、トビー・ジョーンズ(スイフティー・リザール)、マシュー・マクファディン(ジョン・バート)、オリバー・プラット(ボブ・ゼルズニック)、サム・ロックウェル(ジェームズ・レストン)

[2009/03/28]鑑賞・投稿
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ワルキューレ

2009年03月20日 | 洋画(アメリカ系)
第二次大戦時、ヒトラーを暗殺しようとした計画は、少なくとも43回計画されたと言われています。これは、その一つで、最後に企てられた暗殺計画を元にした映画。タイトルの“ワルキューレ”とは、本暗殺計画の名称ではなく、クーデターへの対処計画として元々存在していて、今回の暗殺計画の際に利用しようとした作戦の名称です。クーデター対処計画を、逆にクーデターに利用してしまうというのは、中々、イケていますね。

この暗殺計画は失敗しており、計画の成否に関してのサスペンスはありません。話がかなり脚色されていること想像に難くないですが、それでも、どうやって計画されて行き、実行されたのかと言うことには、人を惹きつけるドキドキ感はあります。

史実に即した映画なので、ストーリーについて述べる事は特にしません。脚色的観点では、ドイツでの話を英語で演じるのに違和感を感じそうだったのですが、映画の最初の字幕がドイツ語で始まりいつの間にか英語に変わっていたり、シュタウフェンベルク大佐を演じるトム・クルーズの最初のセリフも、ドイツ語で始まりいつの間にか英語に変わっている等の演出の効果か、最初に危惧したほどの違和感はありませんでした。

全て実在の人物なので、見た目も、なるべく似た人物を配しています。また、撮影の多くもベルリンで行ったようで、往時の雰囲気を感じる事が出来ます。ベック上級大将のテレンス・スタンプなどは、結構似ていると思います。

予告編で、トム・クルーズが暗闇の中に現れ「これは始まりだ」とトレスコウ少将?に言っていたシーンは、本編では無かった気がするんですが?

タイトル ワルキューレ
原題 Valkyrie
日本公開年 2009年
製作年/製作国 2008年/アメリカ・ドイツ
監督 ブライアン・シンガー
出演 トム・クルーズ(シュタウフェンベルク大佐)、ケネス・ブラナー(トレスコウ少将)、ビル・ナイ(オルブリヒト少将)、トム・ウィルキンソン(フロム上級大将)、カリス・ファン・ハウテン(ニーナ/シュタウフェンベルク妻)、テレンス・スタンプ(ベック上級大将)、エディー・イザード(フェルギーベル大将)、クリスチャン・ベルケル(クヴィルンハイム大佐)、トーマス・クレッチマン(レーマー少佐)、ジェイミー・パーカー(へフテン中尉)

[2009/03/20]鑑賞・投稿
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ジェネラル・ルージュの凱旋

2009年03月14日 | 邦画
『チーム・バチスタの栄光』に続く、海堂尊の小説の映画化第二段。今回は、東城大学付属病院救命救急センターが舞台。センター長と業者の癒着のスキャンダルが、思わぬ方向へと進んでいきます。

当然ですが、田口が原作とは異なり女性となった設定は前回のままです。で、今回、田口(竹内結子)・白鳥(阿部寛)の凸凹コンビの調査の対象となった救命救急センター長速水晃一を演じるのが堺雅人。この堺雅人の演技、良いですねぇ。鬼気迫る雰囲気で救急救命行為を行う医師を非常に上手く演じています。って言うか、彼をイメージして海堂は原作に描いたのでは無いかと思うほどでした。

花房看護師長を演じるのは、羽田美智子。原作のイメージでは、もう少し厳しい人と言うイメージでしたが、映画では、凛とした雰囲気を持つ、有能な看護師を見事に演じていました。

それと、やっぱり、竹内結子と阿部寛は役者ですね。双方共に、非常にいい演技です。竹内結子って、なんであんなにいろんな役を演じられるんでしょうね?

医師と業者の癒着と言うことが今回のスキャンダルのトリガーになっているんですが、本質的問題として描こうとしたのは、救命救急センタースタッフたちの過酷な勤務状態と、導入が進まないドクターヘリなのではないでしょうか? どちらも、いまの日本の医療制度の中で問題になっていますから、医師と言う立場から海堂尊はどうしても語り掛けたかったのではないかと思います。

二作目と言うと、大概一作目よりも低い評価になりがちですが、これは必ずしもそのジンクスに当てはまりません。物語後半の病院を緊急事態に巻き込む大規模災害(火災)の描き方といい、非常に良い作品だと思いました。原作では、この『ジェネラル・ルージュの凱旋』と平行して『ナイチンゲールの沈黙』が進んでいるんですが、こちらの映画化はされるのでしょうか?

タイトル ジェネラル・ルージュの凱旋
日本公開年 2009年
製作年/製作国 2009年/日本
監督 中村義洋
原作 海堂尊
出演 竹内結子(田口公子)、阿部寛(白鳥圭輔)、堺雅人(速水晃一)、羽田美智子(花房美和)、山本太郎(佐藤拓馬)、高嶋政伸(沼田利博)、貫地谷しほり(如月翔子)、尾美としのり(三船啓二)、中林大樹(川村明)、林泰文(小峰小太郎)、正名僕蔵(磯部信也)、佐野史郎(垣谷雄次)、玉山鉄二(酒井利樹)、野際陽子(藤原真琴)、平泉成(黒崎誠一郎)、國村隼(高階権太)

[2009/03/14]鑑賞・投稿
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オーストラリア

2009年03月01日 | 洋画(その他)
第二次世界大戦直前のオーストラリアが舞台。オーストラリアの所有牧場に来たイギリス貴族婦人が、数々の困難に直面しながらも牧場の運営をする事になると言う話。まぁ、そう言う説明だとイマイチ的な雰囲気も感じますが、オーストラリアの雄大な自然と人間の戦いを描いた、壮大な大河ドラマと言ってもいいと思います。

第二次大戦直前と言えば70年位前。そのころのオーストラリアって、まだまだこんな感じの開拓時代の雰囲気を残していたというのは驚きです。って言うか、オーストラリアは今も地域によっては、開拓時代の雰囲気を残していますが。

いやぁ、ニコール・キッドマン美人ですねぇ。劇中にも「あれがアシュレイ婦人か。美人だな。」見たいなセリフがあります。あの容貌ですので、こんな貴族婦人の役とかは結構ピッタリかもしれませんね。

ヒュー・ジャックマンが演じるドローヴァーは、人名ではありません。ドローヴァーとは、“牛追い”と言う意味。それに対して、ニコール・キッドマンが演じるサラが「ミスター・ドローヴァー」と言うのは、おかしくないんですかね? 名無しの“牛追い”と言う設定は、彼が“本国から遠く離れた地の、一介の牛追い”と言う設定を強調する意味合いがあるのかもしれませんね。

物語後半の山場は、日本軍によるダーウィン空襲。このダーウィン空襲では、真珠湾攻撃よりも投下された爆弾数が多かったと言う説もあり、被害は甚大だったそうです。映画での描かれ方は、強ち誇張では無いかも。もっとも、とある島に上陸している描写がありますが、これはウソ。日本軍はオーストラリアの島に上陸していません。

劇中、アボリジニが重要な位置を占めています。上映直前の冒頭、日本語訳はされませんが、アボリジニの描写に関する説明があります。時代的に政策として白豪主義が取られていたころの話なので、差別的な表現に対するエクスキューズみたいです。

先にも書きましたが、これはオーストラリア(正確には、北部オーストラリア)を描いた壮大な大河ドラマ。ストーリーの是非はありますが、中々楽しめました。3時間近い上映時間ですが、あっという間でした。

タイトル オーストラリア
原題 Australia
日本公開年 2009年
製作年/製作国 2008年/オーストラリア
監督・原案・脚本 バズ・ラーマン
出演 ニコール・キッドマン(レディ・サラ・アシュレイ)、ヒュー・ジャックマン(ドローヴァー)、デヴィッド・ウェンハム(ニール・フレッチャー)、ブライアン・ブラウン(キング・カーニー)、ジャック・トンプソン(キプリング・フリン)、デヴィッド・ガルピリル(キング・ジョージ)、ブランドン・ウォルターズ(ナラ)

[2009/03/01]鑑賞・投稿
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