勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

エージェント:ライアン / Jack Ryan: Shadow Recruit

2014年02月23日 | 洋画(アメリカ系)
2013年10月1日、突然世を去ったトム・クランシーが創りだしたヒーロー、ジャック・ライアン。これまで、アレック・ボールドウィン(『レッド・オクトーバーを追え!』)、ハリソン・フォード(『パトリオット・ゲーム』『今そこにある危機』)、ベン・アフレック(『ベン・アフレック』)が演じてきましたが、今回は、クリス・パインがその役に挑みます。

ただ、トム・クランシーに依っているのはジャック・ライアンと言う設定だけ。映画のストーリーはオリジナル。9.11以降の世界を舞台にして、物語を現在にマッチさせています。そういう意味では、2014年のジャック・ライアンを描こうとすると、アメリカ大統領だったりするので、描ききれないですからね(笑)。あ、ジャック二世と言う手もありますけどね・・・。

トム・クランシーの原作では、グリーア提督がジャックの分析官としての生活に重要な役割を果たすのですが、この作品では、ハーパーという海軍士官がその役割を担っています。そういう意味では、パラレルワールドなのかもしれませんね。あるいは、最近のハリウッドで得意な“リブート”とか。

と言う様に、原作のジャック・ライアンを知っていると戸惑うところもありますが、物語はリズミカルに進み、アクションも適度にあって、(突っ込みたくなる所は無視することにして)エスピオナージとしては必要にして十分。私は嫌いじゃないです。

冷戦終結以降、エスピオナージの舞台としては、中国だったり、東アジアの半島の某国だったり、あるいは、得体のしれない多国籍企業だったりしていましたが、この作品が描いている舞台はロシア。やっぱり、ロシアはエスピオナージの舞台からは外せないんですかね?あるいは、大統領が元諜報機関員だったりする事が、その舞台設定には影響しているんでしょうか?

タイトル エージェント:ライアン / 原題 Jack Ryan: Shadow Recruit
日本公開年 2014年
製作年/製作国 2013年/アメリカ
監督 ケネス・ブラナー
出演 クリス・パイン(ジャック・ライアン)、キーラ・ナイトレイ(キャサリン・ミューラー)、ケビン・コスナー(ロバート・ハーパー)、ケネス・ブラナー(ヴィクトル・チェレヴィン)

[2014/02/23]鑑賞・投稿
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大統領の執事の涙 / Lee Daniels' The Butler

2014年02月16日 | 洋画(アメリカ系)
ユージン・アレンと言う8代の大統領に使えた実在の執事の人生を元に描いた、1950年代から1980年代のアメリカの戦後史。

物語の始まりは、1920年代のアメリカ南部から始まるのですが、まだまだ黒人差別が有る時代が描かれています。ネタバレになってしまいますが、いきなり、セシルの父が撃たれてしまうシーンは、当時のアメリカ南部を象徴しています。でも、それが普通であったという事も驚きですが。そういう意味では、歴史を描いているので、実際の出来事も劇中でたくさん描かれていますし、今では差別用語とみなされ、使われなくなった『ニグロ』と言う言葉が、作品中で普通に使われています。(今では、アフリカン・アメリカン/アフリカ系アメリカ人と言わないとダメ。)

歴史を描いているし、歴代大統領に使えた執事を描いているので、歴代大統領が画面に登場するんですが、これが・・・似ていない(苦笑)。まぁ、セシルが主人公なので、脇役はどうもでいいのかもしれませんが、ちょっと気になりましたね。それと、日本的には非常に注目される人物のキャロライン・ケネディですが、幼少のキャロライン・ケネディも劇中少しだけ出てきています。

いやぁ、日本人には判りにくいかもしれない人種差別の問題を、上手く描いていますね。非常に判りやすいです。「白人用」「有色人種用」とくっきりと様々なものが分けられているのを見るのは衝撃的です。それが、戦後も続き、つい先ごろまで継続されていた(あるいは、未だに継続されているのかもしれませんが)のですからねぇ。

いやぁ、中々感動的。非常に深い内容です。

タイトル 大統領の執事の涙 / 原題 Lee Daniels' The Butler
日本公開年 2014年
製作年/製作国 2013年/アメリカ
監督 リー・ダニエルズ
出演 フォレスト・ウィテカー(セシル・ゲインズ)、オプラ・ウィンフリー(グロリア・ゲインズ)、デビッド・オイェロウォ(ルイス・ゲインズ/ゲインズ家の長男)、イライジャ・ケリー(チャーリー・ゲインズ/ゲインズ家の次男)、ヤヤ・ダコスタ(キャロル・ハミー/ルイスの友人、黒人運動家)、ロビン・ウィリアムズ(ドワイト・アイゼンハワー)、ジェームズ・マースデン(ジョン・F・ケネディ)、ミンカ・ケリー(ジャッキー・ケネディ)、リーブ・シュレイバー(リンドン・B・ジョンソン)、ジョン・キューザック(リチャード・ニクソン)、アラン・リックマン(ロナルド・レーガン)、ジェーン・フォンダ(ナンシー・レーガン)、ネルサン・エリス(マーティン・ルーサー・キング・ジュニア)、キューバ・グッディング・Jr.(カーター・ウィルソン/ホワイトハウスの執事頭)、テレンス・ハワード(ハワード/グロリアに言い寄るゲインズ家の隣人)、レニー・クラビッツ(ジェームズ・ホロウェイ/ホワイトハウスの執事)、アレックス・ペティファー(トーマス・ウェストフォール/綿花畑の主人)、バネッサ・レッドグレーブ(アナベス・ウェストフォール/綿花畑の女主人)、マライア・キャリー(ハッティ・パール/セシルの母)、アムル・アミーン(15歳の時のセシル・ゲインズ)、クラレンス・ウィリアムズ3世(メイナード/若きセシルに仕事を与えたホテル執事)、クロエ・バラク(キャロライン・ケネディ)

[2014/02/16]鑑賞・投稿
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ラッシュ/プライドと友情 / RUSH

2014年02月09日 | 洋画(アメリカ系)
1976年のF1を舞台に描く、ジェームズ・ハントとニキ・ラウダの友情。

良いですねぇ。単なるレーシング映画ではありません。確かに、ヒューマンドラマです。「事実は、小説より奇なり」と言う言葉がありますが、この映画の場合は「事実は、映画よりドラマティック」と言えるでしょう。

“レーシング映画では無く、ヒューマンドラマだ”とは言いましたが、F1を描いていますので、レーシングシーンは避けられません。そして、そのレーシングシーンが、これまた、リアル。それもそうですよねぇ。『アポロ13』であり得ない角度からの、アポロ13号打ち上げシーンを映像化したロン・ハワード監督ですからねぇ。ただ、この作品では、模型ではなく、実際のF1マシーンを集め、当時のF1マシーンに合うように改造して、リアリティーを追求しています。そのF1部門にはヨッヘン・マスが、統括として協力したらしいです。そりゃぁ、リアルなF1マシンになりますよね。

物語は、ジェームズ・ハントとニキ・ラウダの愛憎半ばの関係を描き出しているのですが、文字通り命を賭けて争っている相手だからこその、シンパシーとか、あるいはもちろん、嫉妬とかもあるんでしょうね。付かず離れず、頭にくることもあるけど、やっぱり信頼していると言う二人の関係がうまく描かれていました。

ラストは、FISCO改めFSWでのF1世界選手権イン・ジャパン。日本でF1チャンピオンシップのカタが付くって、昔からなんですね。セナ・プロスト時代だけじゃないんですね。まぁ、毎年終盤に開催されるので、そう言うチャンスも多いでしょうけど、F1本場のヨーロッパではなく、極東でチャンピオンシップが決まるというのも、何とも、皮肉な感じもしますが・・・。

で、セナ・プロスト時代のことではなく、映画の話。この1976年のF1世界選手権イン・ジャパンも、結末は衝撃的ですね。って言うか、あれほどの天気なら、中止と言う判断が、まともな判断だと思うんですが、興行と言う観点では、チャンピオンシップが懸かったレースを取りやめるわけには行かなかったんでしょうね。

いや、良い映画です。人生最高の映画を、塗り替えた?それはわかりませんが(笑)。

タイトル ラッシュ/プライドと友情 / 原題 Rush
日本公開年 2014年
製作年/製作国 2013年/アメリカ・ドイツ・イギリス
監督 ロン・ハワード
出演 クリス・ヘムズワース(ジェームス・ハント)、ダニエル・ブリュール(ニキ・ラウダ)、オリビア・ワイルド(スージー・ミラー)、アレクサンドラ・マリア・ララ(マルレーヌ・ラウダ)、ピエルフランチェスコ・ファビーノ(クレイ・レガツォーニ)、クリスチャン・マッケイ(ヘスケス卿)、アリスター・ペトリ(スターリング・モス)、スティーブン・マンガン(アラステア・コールドウェル/マクラーレン・チームマネージャー)、ジュリアン・リンド=タット(アンソニー・“バブルズ”・ホースレイ/ヘスケスレーシング・マネージャー)

[2014/02/09]鑑賞・投稿
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アメリカン・ハッスル / American Hustle

2014年02月02日 | 洋画(アメリカ系)
実話を下にした作品。って言うか、作品クレジットでは“いくつかの事実を含む”と言う感じでしたかね(笑)。ちょっと、脚色が強かったと言うことでしょうか。

下敷きとしたのは、1979年にアメリカ政界に巻き起こったアブスキャム事件。詐欺師グループをおとり捜査に使ったというところが、当時問題視されたようです。って言うか、今でも、問題視されると思うけど。

この作品を見ていると、最後の方にいみじくも、アーヴィンも語っていますが、“悪い事をしようと言うよりも、地元のために一肌脱ごう”と思った熱意ある人々を引っ掛けてしまったという後味悪い感じがしますね。アメリカの理論では“悪いことをしようとしているから囮に引っかかるんだ”ということになるのかもしれませんが、本心かどうかは知りまえんが、カーマインは確かに、怪しさを感じて一度ホテルを出たのに、無理やり(?)連れ戻されたみたいなものですし。

あと、問題だった(?)のは、リッチーがFBI捜査官であるにもかかわらず、ドンドン悪乗りしてしまっているところでしょうか。あと、元々は、詐欺の被疑者というか、百歩譲って囮作戦の協力者であるシドニーに惚れてしまうというのは、どうなんだ!上司に暴行しているし、リッチーが逮捕されていないのが、不思議なくらいでしたね。

最後の結末は、ちょっと意外。なるほどねぇ。まぁ、途中から、リッチーはやりすぎだなぁと思っていたし、意外にアーヴィンが詐欺師なのに常識的(笑)だなぁとも思ったし。でも、逮捕された政治家たちは、ちょっと気の毒(特にカーマイン)には思いました。

いやぁ、それにしても、クリスチャン・ベイルは、カメレオン俳優の面目躍如ですねぇ。あのブヨブヨした体。役作りとはいえ、あそこまで・・・。もう、元に戻ったそうですが、凄い。体に悪そうですが・・・。で、役作りと言えば、元祖はロバート・デ・ニーロ。彼も、十八番のマフィア役で出ていました。迫力が違いましたね(苦笑)。

2014年の第86回アカデミー賞では、最多10部門ノミネート(作品賞、監督賞、主演男優賞(クリスチャン・ベイル)、主演女優賞(エイミー・アダムス)、助演男優賞(ブラッドリー・クーパー)、助演女優賞(ジェニファー・ローレンス)、脚本賞、編集賞、美術賞、衣装デザイン賞)。アカデミー賞の前哨戦となる第71回ゴールデングローブ賞では、作品賞(ミュージカル・コメディ部門)レオナルド・ディカプリオが主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門)、主演女優賞(エイミー・アダムス)、助演女優賞(ジェニファー・ローレンス)を受賞しています。

タイトル アメリカン・ハッスル / 原題 American Hustle
日本公開年 2014年
製作年/製作国 2013年/アメリカ
監督 デビッド・O・ラッセル
出演 クリスチャン・ベイル(アーヴィン・ローゼンフェルド)、ブラッドリー・クーパー(リッチー・ディマーソ)、ジェレミー・レナー(カーマイン・ポリート)、エイミー・アダムス(シドニー・プロッサー)、ジェニファー・ローレンス(ロザリン・ローゼンフェルド)、ロバート・デ・ニーロ(ヴィクター・テレージョ)、ルイス・C・K(ストッダード・トールセン)、マイケル・ペーニャ(パコ・ヘルナンデス)

[2014/02/02]鑑賞・投稿
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ウルフ・オブ・ウォールストリート / The Wolf of Wall Street

2014年02月01日 | 洋画(アメリカ系)
実話を下にした作品。

演技の一線から(一旦?)退くレオナルド・ディカプリオ。その最後の作品に選んだのが、この作品です。監督は、5度目のタッグとなるマーティン・スコセッシ。

そりゃぁ、R18+指定になりますよねぇ。クスリに、セックスに、やり過ぎです。実話を下にしている作品なので、多少の誇張はあるにしても、それこそ、多少のクスリと女は有ったんでしょうね。コンプライアンスと言う言葉がある、今の時代では、ほとんど不可能な行状ですが、その言葉が、まだ無かった頃の話ですからねぇ。

劇中「ゲッコー」と言う言葉が出てきます。これは、1987年(日本公開1988年)の作品『ウォール街』の主人公ゴードン・ゲッコーの事ですよね。共にウォール街舞台に描いた作品で、どちらも証券取引を巡る詐欺を描いているのですが、『ウォール街』の方はシリアスな感じ、こちらの方は、オチャラケたコメディと言う全く異なった味わいになっています。どちらが好みかは・・・。ただ、こちらの方が、お下劣ではあります。

見ていて思ったのは、これでやっていた事って、日本で言う所の、振り込め詐欺・母さん助けて詐欺に匹敵するんではないかと。電話をかけて、お金を出させる。どちらも、儲かるのは電話を掛けた側で、電話を受けた方は、損するだけ。なんだかなぁ。

驚いたのが、ジョーダンが会社を設立して、5年とか、その位の時間軸なんですよね。アメリカでは、物事の進みが速いです。

アカデミー賞では、主要5部門ノミネート(主演男優賞(レオナルド・ディカプリオ)、作品賞、監督賞、助演男優賞(ジョナ・ヒル)、脚色賞)。アカデミー賞の前哨戦となるゴールデングローブ賞では、レオナルド・ディカプリオが主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門)を受賞していますが・・・。本命のアカデミー賞に縁のないレオ様ですが、果たして受賞はなるんでしょうかね?

タイトル ウルフ・オブ・ウォールストリート / 原題 The Wolf of Wall Street
日本公開年 2014年
製作年/製作国 2013年/アメリカ
監督 マーティン・スコセッシ
出演 レオナルド・ディカプリオ(ジョーダン・ベルフォート)、ジョナ・ヒル(ドニー・エイゾフ)、マーゴット・ロビー(ナオミ)、マシュー・マコノヒー(マーク・ハンナ)、ジョン・ファブロー(マニー・リスキン)、カイル・チャンドラー(パトリック・デナム/FBI捜査官)、ロブ・ライナー(マックス・ベルフォート/ジョーダンの父)、ジャン・デュジャルダン(ジャン=ジャック・ソーレル)

[2014/02/01]鑑賞・投稿
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