勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

グランド・イリュージョン / Now You See Me

2013年10月27日 | 洋画(アメリカ系)
ネタバレ有りです。

ラスベガスからテレポーテーションをしてパリの銀行を襲撃、ニュー・オリンズでは大富豪の銀行口座から観客の銀行口座へお金を振り込む・・・。マジックの手法を用いながら、大胆な“犯罪”を繰り返すフォー・ホースマン、マジックのカラクリが解けないFBI、マジックのネタばらしを生業にしている元マジシャンそれらの人物たちが、複雑に絡み合いながら物語は進んでいきます・・・、そしてラストは?

物語冒頭のフォー・ホースマンの面々の“登場”のシーンは、リズミカルで、この先の物語に一気に引きこまれました。謎のタロットカードによりフォー・ホースマンを構成する面々は、とある一室に集合させられるんですが、謎のタロットカードって、何ごとも放り出して駆けつけなければならないと思うほど、権威が有るんですかね?その設定が、若干甘かった気もします。

いやぁ、それにしても、第一幕のラスベガスの舞台は、タネ明かしをされると、何かどこかで(オーシャンズ11)見たようなタネですが、非常に大掛かりで、盛り上がります。それに対して、ニュー・オリンズでの第二幕。お金をもらった観客たちは盛り上がるかもしれませんが、内容は、第一幕ほど興奮するようなトリックではありません。って言うか、トリックは明かされないし。でも、これが、結末に向けての伏線だとはね・・・。

物語の中で、端々に第5のフォー・ホースマンのメンバーの存在が仄めかられるんですが、まさか・・・とは。推理小説では、一番怪しくない人物を怪しめという定説がありますが、正にそういう事かも。

一つ残念な気がしたのは、ラストのシーン。メリーランドでのシーン。そこまでは、結構現実感のある、面白い話だと思っていたんですが、あれで一気にファンタジー感が出てしまって、ちょっと残念。もう少し、違う描き方なかったんですかね?

とは言え、中々リズミカルに物語が進んで、面白い作品だと思います。

タイトル グランド・イリュージョン / 原題 Now You See Me
日本公開年 2013年
製作年/製作国 2013年/アメリカ
監督 ルイ・レテリエ
出演 ジェシー・アイゼンバーグ(J・ダニエル・アトラス/フォー・ホースマン;リーダー)、マーク・ラファロ(ディラン・ローズ/FBI捜査官)、ウディ・ハレルソン(メリット・マッキニー/フォー・ホースマン;メンタリスト)、メラニー・ロラン(アルマ・ドレイ/インターポール)、アイラ・フィッシャー(ヘンリー・リーブス/フォー・ホースマン;脱出マジック)、デイヴ・フランコ(ジャック・ワイルダー/フォー・ホースマン;スライハンドマジック)、コモン(エバンス/FBI捜査官)、マイケル・ケイン(アーサー・トレスラー/フォー・ホースマンのスポンサー、大富豪)、モーガン・フリーマン(サディアス・ブラッドリー/トリックを暴く元マジシャン)

[2013/10/27]鑑賞・投稿

人類資金

2013年10月19日 | 邦画
『M資金』。第二次大戦終戦時の混乱期に隠匿された大量の貴金属類と噂されるもの。その実在は不明。

平成の今、M資金と言って、一般に通用するんですかね?もはや、陰謀論、都市伝説の類になっていると思いますが・・・。しかし、リーマン・ショックで拝金至上主義の世界経済の限界が露わになり、第二の終戦と言われる東日本大震災や福島原発事故後の日本の状況を絡めて、うまくM資金の話を物語の俎上に持ってきています。

原作小説と同時進行という、面白い形式です。映画版と小説版では、結末が異なるそうです。しかもその小説は、7巻構成で、毎月1冊ずつ刊行されるという。まぁ、その点については、オイオイと突っ込みたくなりますけどね。

日本の商業映画としては初めて、国連で撮影が行われています。しかも、場所は国連総会が行われる総会議場。ニュースでよく見る場所です。東日本大震災からの復興に日本が向かっていること、EU危機など不安定な世界経済環境の中、新興国の発展を祈念するような話であることなどが、総会議場での撮影が許可された要因なんですかね?エンドクレジットには、協力として国際連合日本政府代表部とクレジットされていました。

佐藤浩市や森山未來の演技と比較すると、慎吾ちゃん、苦しい・・・。下手なわけではないんですが、やっぱり一枚、その他の俳優陣と比べると・・・。佐藤浩市が良いのは自明なんですが、森山未來が、中々いい味出しています。彼の骨太な一面を見た気がしますね。

それにしても、出演俳優のほとんどが男性。紅一点が観月ありさ。小説ならば、あまり気にならないと思いますが、映画になるとちょっとつらい気もします。内容が非常に骨太なので、仕方が無いのかもしれませんが、どうにかならないかと思ったところです。

それと、テーマが壮大なんですが、最終的には、少し話が一点に集約されてしまっていること。元々のテーマだと、壮大過ぎて描ききれないという事なんだと思いますが、壮大なテーマだと思っただけに、落とし所が小さく感じてしまいました。有るべき話なんですけどね。

これは、映画よりも、小説のほうが面白いかもしれません。

タイトル 人類資金
日本公開年 2013年
製作年/製作国 2013年/日本
監督 阪本順治
原作 福井晴敏
出演 佐藤浩市(真舟雄一)、香取慎吾(“M”)、森山未來(石優樹)、観月ありさ(高遠美由紀)、岸部一徳(本庄一義)、オダギリジョー(鵠沼英司)、寺島進(酒田忠)、三浦誠己(辻井)、石橋蓮司(北村刑事/真舟を追う刑事)、豊川悦司(ハリー遠藤/嘗てM資金に関わったCIA構成員)、ユ・ジテ(遠藤治/ハリー遠藤の孫、暗殺者)、ビンセント・ギャロ(ハロルド・マーカス/NY大手投資銀行行員)、仲代達矢(笹倉暢彦)

[2013/10/19]鑑賞・投稿

ダイアナ / Diana

2013年10月19日 | 洋画(イギリス系)
1997年8月31日、パリでパパラッチに追い回された末の事故で亡くなった、元イギリス皇太子妃ダイアナの、離婚の少し前から亡くなるまでの約二年間のダイアナを描いた作品。

ダイアナを演じたのは、ナオミ・ワッツ。世界中に顔を知られた人物ですので、演じるのはかなりハードではなかったかと思いますが、中々上手く演じています。外見も、当時の写真などを入念にチェックした結果、髪型も服装もコピーしています。特に、チャールズ皇太子の不倫や自分の自傷行為に言及したBBCのインタビューや、地雷廃絶活動の映像などは、当時のニュースフィルムかと思うような出来栄えでした。それらのみならず、数々のシーンにおいて、当時の服装、履物をリサーチして再現しています。

この映画を見ると、一緒に亡くなったドディ・アルファイド氏が最後の恋人と言われていますが、心はアルファイド氏ではなく、ハスナット・カーン氏にまだまだあったみたいですね。なので、見ている最中は、ダイアナがわざわざ贔屓の記者に自分の事をリークしてアルファイド氏との写真を撮らせているのが理解できなかったんですが、後から考えてみると、あの行為は、注目を集めてしまったカーン氏から目を逸らさせるための陽動作戦だったのかな?と思います。

それにしても、英国王室は自由ですね。って言うか、ダイアナが自由なのかもしれませんが。奔放な恋と言うか、何というか。まぁ、それはそれとして、ダイアナが護衛も付けずに自由に出歩いているのには、驚きました。まだ離婚前の皇太子妃の頃であっても、護衛無し。ベルギーやオランダなども、王室ファミリーは、かなり自由に出歩いているみたいですから、欧州の王族はそういう物なんでしょうか?

物語の終盤、ニュース映像などで何度も見たパリのリッツのエレベーターのシーンが出て来るんですが、そこに至る前のダイアナが、何か物凄く苛立っていたように見えるのが印象的です。って言うか、実際に事故の時のダイアナは、苛立っていたように見えたと仄聞しますから、それを表現しただけなんですが。

ケンジントン宮殿の門での撮影が英国王室から許可されたそうです。印象的なラストシーンは、もちろん、そこでの撮影なんでしょうね。それにしても、門の外とはいえ、撮影を許可したなぁ、英国王室。まぁ、拒否したらしたで、叩かれるのは必定なので、許可したのかもしれませんが。

クィーン』は王室側からの視点だった訳ですが、この作品はまさにダイアナ側からの視点。これで、両面からの話が見えましたね。

タイトル ダイアナ / 原題 Diana
日本公開年 2013年
製作年/製作国 2013年/イギリス
監督 オリバー・ヒルシュビーゲル
出演 ナオミ・ワッツ(ダイアナ)、ナビーン・アンドリュース(ハスナット・カーン)、ダグラス・ホッジ(ポール・バレル/ダイアナの執事)、ジェラルディン・ジェームズ(ウーナ・トッフォロ/ダイアナの治療師)、チャールズ・エドワーズ(パトリック・ジェフソン/ダイアナの秘書)、キャス・アンバー(ドディ・アルファイド)、ジュリエット・スティーブンソン(ソニア)

[2013/10/19]鑑賞・投稿

トランス / Trance

2013年10月14日 | 洋画(アメリカ系)
絵画のオークション会場で強奪されたゴヤの名画。しかし、頭を強く打った事から、絵画を持ちだした強盗団の一味が、絵画を何処に隠したか忘れてしまう・・・。

どんでん返しの繰り返しです。しまいには、どれが本当の話なのかが、若干混乱してしまいます。それが、このトランスの魅力なのでしょうか。架空の記憶、あるいは、架空の話という観点では、若干『サイド・エフェクト(Side Effects)』にも似た感じもしました。架空の記憶・架空の話で、人を騙していますしね。

あるいは、人の記憶(意識)の中に入り込むと言う意味では、『インセプション(INCEPTION)』的とも言えるかもしれません。もっとも、『インセプション(INCEPTION)』は、他人の意識の中に入り込んで、他人を操るという話なので、失った記憶を思い出させるというこの映画のテーマとは少し違うかもしれませんが。

でも、そういう事か。サイモンがエリザベスのセラピーに行った時のエリザベスの表情。確かに、思わせぶりな表情でしたね。でも、物語の流れ上、はじめからそのエリザベスの表情の意味を説明するわけには行かなかったかもしれませんが、最後の最後、かなり結末に近くなった時にその話をするのはなぁ。推理小説だったら、掟破りの、反則ですね。推理小説ではないので、目は瞑りますが、そう言う伏線があっても良かったかも。あ。無いことはないか。そうか、エリザベスの表情と「あなたの好みは知っている」と言うエリザベスの言葉が伏線か。エリザベスの言葉は、セラピーの中で聞き出したのかと思ったんだけど、そうじゃありませんでしたね。

単純な、強盗の話ではありません。中々見応えがあります。

タイトル トランス / 原題 Trance
日本公開年 2013年
製作年/製作国 2013年/アメリカ・イギリス
監督 ダニー・ボイル
出演 ジェームズ・マカボイ(サイモン)、ヴァンサン・カッセル(フランク)、ロザリオ・ドーソン(エリザベス)

[2013/10/14]鑑賞・投稿

ランナウェイ 逃亡者 / The Company You Keep

2013年10月06日 | 洋画(アメリカ系)
実話を下にした作品。

へぇ。シャイア・ラブーフって、こう言う演技もできるんだ。ロボット生命体に引きずり回されていたり、女の子をチャラチャラ追いかけているだけじゃ無いんですね。でも、そのイメージが強くて、ちょっとこう言う硬派な役回りには、ちょっとだけ違和感がありました。

驚いたのが、ニック・ノルティ。ええっ!凄いガラガラ声と、でっぷりした体。アクションを行っていた当時の面影は・・・。まぁ、何となく凄みはありましたけどね~。

それにしても、歳は取りましたが、ロバート・レッドフォードは良いですね。この作品も、リベラルな彼の人柄がよく表れていて、テロリスト追撃という結構ハードな内容ではあるものの、派手な銃撃戦もなく、むしろ、穏やかに追い詰めていくという感じを受けました。ラストも、非常に、情緒的なラストでしたしね。

原題は『The Company You Keep』ですが、邦題は『ランナウェイ 逃亡者』になっています。洋画の邦題って、結構悲惨なことが多いのですが、これはマシな方ですかね。でも、冷静に考えてみると、やっぱり原題の方が適切といえば適切ですね。だって、そう言う内容の作品ですからね。

物語の下になった“ウェザーマン”とは、1960年代後半から、ベトナム戦争反対を主張してアメリカで活動した実在の過激派組織で、その活動は、政府組織の爆破を繰り返すなど非常に激しいものだった様です。元々ミシガン大学で結成されたので、劇中も、そう思われる所が出ていました。

いやぁ、それにしても、豪華な出演陣ですね。これも、監督ロバート・レッドフォードの力なんでしょうね。

タイトル ランナウェイ 逃亡者 / 原題 The Company You Keep
日本公開年 2013年
製作年/製作国 2012年/アメリカ
監督 ロバート・レッドフォード
原作 ニール・ゴードン
出演 ロバート・レッドフォード(ジム・グラント/ニック・スローン)、シャイア・ラブーフ(ベン・シェパード)、ジュリー・クリスティ(ミミ・ルーリー/ニック・スローンの嘗ての仲間)、テレンス・ハワード(コーネリアス/FBI捜査官)、スタンリー・トゥッチ(レイ・フラー/ベン・シェパードの上司)、サム・エリオット(マック・マックレオド)、リチャード・ジェンキンス(ジェド・ルイス/ニック・スローンの嘗ての仲間)、ニック・ノルティ(ドナル・フィッツジェラルド/ニック・スローンの嘗ての仲間)、ジャッキー・エバンコ(イザベル・グラント/ジム・グラントの娘)、アナ・ケンドリック(ダイアナ/FBI捜査官、ベン・シェパードの友人)、クリス・クーパー(ダニエル・スローン/ニック・スローンの弟)、ブレンダン・グリーソン(ヘンリー・オズボーン/30年前の銀行強盗事件の捜査官)、ブリット・マーリング(レベッカ・オズボーン/ヘンリー・オズボーンの義理の娘)、スーザン・サランドン(シャロン・ソラーズ/ニック・スローンの嘗ての仲間)

[2013/10/06]鑑賞・投稿