勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

ヒトラー暗殺、13分の誤算 / Elser

2015年10月18日 | 洋画(ドイツ系)
1939年11月8日、ミュンヘンのビアホール「ビュルガーブロイケラー」で発生したヒトラー暗殺事件の首謀者、ゲオルク・エルザーを描いた作品。

ヒトラー暗殺計画は、数多く計画されたのは知っていましたが、このゲオルク・エルザーの事は、不勉強で知りませんでした。でも、作品を見て判ったのが、信念の人だったんですね。誤解を恐れずに言えば、反ナチス原理主義的人だったようにも思えます。それと、あれだね、

先ごろ見た『顔のないヒトラーたち(Im Labyrinth des Schweigens)』でナチスを追求するオットー・ハラー検事を演じたヨハン・フォン・ビューローが、この作品では逆に、ゲシュタポを演じていたのが、わたし個人的には印象的でした。

また、こちらは史実ですが、エルザーを追求した刑事警察長官のアルトゥール・ネーベが、後年、シュタウフェンベルク大佐が画策したヒトラー暗殺計画のヴァルキューレ作戦に連座して処刑されているのも、興味深いです。エルザーはなぞの多い人物と言われていますが、ネーベ自身も十分になぞの多い人物だと思います。

タイトル ヒトラー暗殺、13分の誤算 / 原題 Elser
日本公開年 2015年
製作年/製作国 2015年/ドイツ
監督 オリバー・ヒルシュビーゲル
出演 クリスティアン・フリーデル(ゲオルク・エルザー)、カタリーナ・シュトラー(エルザ)、ブルクハルト・クラウスナー(アルトゥール・ネーベ/ナチス・ドイツの刑事警察長官)、ヨハン・フォン・ビューロー(ハインリヒ・ミュラー/ゲシュタポ局長)
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ステーキ・レボリューション / Steak (R)evolution

2015年10月17日 | 洋画(フランス系)
世界一おいしいステーキを探すために、20カ国、200軒以上のステーキハウスをめぐる旅を追ったドキュメンタリー。スペインのサン・セバスチャン国際映画祭キュリナリー部門(食・ガストロノミーをテーマとした作品)正式出品作品。

唾液が出まくるような、ステーキ料理の連続と思うと間違いです。最初私も、そんな映像の連続の“飯テロ”作品かと思っていたんですが違いました。国に依る牛の品種や品種による味の違い、国に依る調理の違いなど、もっと奥深い“文化”を探る作品です。そう言う意味では、“飯テロ”を期待する人には退屈かも。

日本も登場します。鎌倉の精肉店(萩原精肉店)、神戸の精肉店、神戸の畜産家、松阪の畜産家、築地のステーキ店(築地さとう)。ちなみに、日本のステーキは3位でした。フランス人の口に、日本のさしの入った霜降り肉は合うようです。

そのことと合わせて、初めて知ったのですが、アメリカはわかりませんが、ヨーロッパでは意外にさしの入った、日本で好まれるような牛肉が好まれているということ。そのためか、スウェーデンには、『和牛』を飼育する畜産業者も居るほどです。『和牛』と『』付きで記したのは、厳密には、和牛の胚と乳牛の交配種だから。まぁ、それでもさしが入るという和牛の特徴は生きているようで、中々の高値で取引されているようでした。

そこで思ったのが、日本の農業・畜産業も、もっと海外に出ていくべきであるということ。「TPPが大筋合意」と言う事に対して、農業関係者が「怒り心頭」みたいですが、それはあまりにも近視眼的なんじゃないですかね?上記のスウェーデンの和牛畜産家も、大学はスウェーデン王立工科大学で物理を修め、スイスでMBAを取得し、畜産業の他に投資銀行を経営するなどしている様な人。見た目、完全に投資家・経営者です。その意味で、スウェーデンの例では、和牛の生育は完全に産業化されているんですよね。そんな人が居るほどヨーロッパで『和牛』が好まれているんですから、ほんとうの和牛が出て行く余地は十分にあると思います。日本でも、徹底的なコストダウンを行って畜産を産業化して“経営”出来る様にすれば、「TPP恐るるに足らず」だと思うんですけどねぇ。

タイトル ステーキ・レボリューション / 原題 Steak (R)evolution
日本公開年 2015年
製作年/製作国 2014年/フランス・イギリス・アメリカ
監督 フランク・リビエール
出演 イブ=マリ・ル=ブルドネック
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図書館戦争 THE LAST MISSION

2015年10月11日 | 邦画
2013年の『図書館戦争』の続編。

この作品は、岡田くん無くして成立しないですね。そのくらい岡田くんの堂上は良いです。それとやっぱり、榮倉奈々の熱血バカの笠原も良いです。原作のイメージを壊さないこの二人が居たからこそ、この作品は成立しています。

前作と一番変わったと思ったのは、福士蒼汰。これは、インタビューとかでも指摘されていますが、前作は初々しい新人ということもあり、ガチガチの演技だったんですが、それから二年を経過して、福士蒼汰本人も経験を積んで、前回の様な緊張しきりのガチガチの表情だけではなく、自然な表情も出ていました。

今回も、防衛省自衛隊が大協力。そりゃ『専守防衛』の言葉が出れば、協力せずに入られませんよね。図書隊の車両は自衛隊車両なのに対し、メディア良化委員会の車両はそうじゃ無いんですよね。やっぱり、自由を抑圧する側に自衛隊を用いることは出来なかったということですね。まぁ、そっちに自衛隊を使うつもりなんだったら、自衛隊も協力しなかったと思いますけどね。

今回は、銃撃戦シーンが多いですっ!って言うか、かなりの部分が、銃撃戦・戦闘シーンになっています。それがまた、なんとも良いですね。そんな戦闘シーンでも、岡田くんの動きは様になっていますね。ジークンドー師範の彼は、やっぱり体幹がきっちりと出来上がっているんでしょうね。動きに無駄がないし、銃器を構えた時にブレもないです。

舞台が茨城で、図書隊の茨城県隊がヘボかったりするんですが、茨城県的には大丈夫か?とちょっと心配になってしまったりもします(笑)。

今回も、児玉清さんが出ていらっしゃいます。やっぱりこの作品で児玉清さんは必須の方なんですね。

いやぁ、良かったです。終わっちゃいないんで、タイトルはアレなんですが、続こうと思えば続けられるんですよねぇ。

タイトル 図書館戦争 THE LAST MISSION
日本公開年 2015年
製作年/製作国 2015年/日本
監督 佐藤信介
原作 有川浩『図書館戦争』シリーズ
出演 岡田准一(堂上篤)、榮倉奈々(笠原郁)、田中圭(小牧幹久)、福士蒼汰(手塚光)、西田尚美(折口マキ)、橋本じゅん(玄田竜助)、土屋太鳳(中澤毬江)、栗山千明(柴崎麻子)、中村蒼(朝比奈修二)、石坂浩二(仁科巌)、松坂桃李(手塚慧)、相島一之(尾井谷元)、児玉清(稲嶺和市)
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マイ・インターン / The Intern

2015年10月11日 | 洋画(アメリカ系)
ファッションサイトの若きCEOジュールズの下にやってきた70歳のインターン・ベン。人生の先輩のベンの助言を得ながら、ジュールズは人生の試練に立ち向かっていくと言う話。

テーマ的に女性向きの映画かと思いますが、実際にはそうでもないです。確かに、若い女性CEOが社会の偏見を受けるという描写は多少あり、「もっと女性が活躍出来る世界を!」と言う側面は否定できません。ですが、この作品の本質はそこではないですね。むしろ、ベンの様なシニアの知恵と経験を活かすと言う事の方に重点があると私には思えました。女性とシニア・・・正にダイバーシティ。この作品の本質は、ダイバーシティにあると思います。

ベンを演じるロバート・デ・ニーロが良いです!貫禄の演技ですね。しかも貫禄というよりも、可愛らしさを感じさせるチャーミングな演技。流石です。

面白いのが、ジュールズの会社にマッサージ師が居ること。西海岸のIT系企業にはよく聞く話ですが、NYCにもそう言う制度を持ってきたということですねぇ。と言う事は、ランチなどの食事はどうなんでしょうね?

会社も人生も危機に見舞われますが・・・、まぁ、そう来るよね。中々、面白かったです。なんかホッとする作品でした。

タイトル マイ・インターン / 原題 The Intern
日本公開年 2015年
製作年/製作国 2015年/アメリカ
監督 ナンシー・マイヤーズ
出演 ロバート・デ・ニーロ(ベン・ウィテカー)、アン・ハサウェイ(ジュールズ・オースティン)、レネ・ルッソ(フィオナ/ジュールズの会社のマッサージ師)、アダム・ディバイン(ジェイソン)、アンダース・ホーム(マット/ジュールズの夫)、ジョジョ・カシュナー(ペイジ/ジュールズの娘)、リンダ・ラビン(パティ/ベンの友人)、ジェイソン・オーリー(ルイス)、ザック・パールマン(デイビス)、アンドリュー・ラネルズ(キャメロン)、クリスティーナ・シェラー(ベッキー)
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ドローン・オブ・ウォー / Good Kill

2015年10月04日 | 洋画(アメリカ系)
アメリカのUAV(いわゆるドローン)攻撃の実態を表した作品。実際の出来事をベースに作られています。

飛んでいる航空機が撃墜されても自分の命に関わることはないし、コントロールルームはエアコンが効いて快適、そして何より、毎日の任務完了後は自宅に帰り家族と過ごすことが出来ると良い事尽くめの様に思えるUAV操縦士ですが、実は、PTSDと言うか、精神的にダウンしてしまう兵士が多いと言われています。この作品を見るとよくわかりますね。任務の時は、自分の命がかかっているわけではないですが、やっぱりそれでも人の死と関わっているので緊張する一方、家に帰れば子供や、家族の雑事にとらわれ、そのギャップが大きすぎです。一部は、それに順応する者も居ますが、それはこのことの重大性をきちんと認識していないか、あるいは、共感性に欠ける人物であるように思えました。

いやぁしかし、軍のオペレーションである内はまだしも、国際キリスト教協会・・・って言うかCIAのミッションは酷いですね。一部にCIAの作戦方針に積極的に賛成の人間も居るようですが、あんな作戦方針をみると、普通は拒否的反応で、軍という性格上断れないという前提において消極的に賛成・・・と言うか、命令だから実施すると言うのが、普通の人間の反応ではないかと思います。それがますます、UAV操縦士の心の負担を増している要因になっているのは間違いないと思いました。

テロとの戦いとは何か、いま世界が危険に満ち溢れているのは、果たして誰の責任なのかを改めて考えさせられました。

タイトル ドローン・オブ・ウォー / 原題 Good Kill
日本公開年 2015年
製作年/製作国 2014年/アメリカ
監督 アンドリュー・ニコル
出演 イーサン・ホーク(トーマス・イーガン/少佐)、ブルース・グリーンウッド(ジャック・ジョーンズ/中佐)、ゾーイ・クラビッツ(ヴェラ・スアレス/一等兵)、ジェイク・アベル(ジョセフ・ジマー/大尉)、ジャニュアリー・ジョーンズ(モリー・イーガン/トーマスの妻)
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顔のないヒトラーたち / Im Labyrinth des Schweigens

2015年10月03日 | 洋画(ドイツ系)
2015年の今年は戦後70年を迎えたわけですが、世界にはもう一つ戦後70年を迎えている国があります。この作品は、もう一つの戦後70年を迎えた国ドイツが、自身の戦争責任とどの様に向き合ったかを描いた骨太の作品。

今でこそ、ドイツは戦争責任を自分できちんと総括した国と称されている訳ですが、そこに至るまでは、こんな苦労があったんですね。ドイツ人のことなので、戦争終結を持って、理性的に、速やかにきちんと自身の過去と向き合ったのかと思っていたんですが、完全に勉強不足でした。

翻って我が国。この作品で描かれたドイツのような、自分自身できちんと自分の過去の行いと向き合ったでしょうかね?この作品でも描かれていますが、「もう忘れたい」とか「父の世代を糾弾するのか」と言う事もあって、ちゃんと自分自身で過去の振り返りをきちんとしていない気がしてなりません。

いまの日本人は見るべき映画だと思います。

タイトル 顔のないヒトラーたち / 原題 Im Labyrinth des Schweigens
日本公開年 2015年
製作年/製作国 2014年/ドイツ
監督 ジュリオ・リッチャレッリ
出演 アレクサンダー・フェーリング(ヨハン・ラドマン/ヘッセン州検事)、フリーデリーケ・ベヒト(マレーネ・ウォンドラック)、アンドレ・シマンスキ(トーマス・グニルカ/記者)、ヨハン・フォン・ビューロー(オットー・ハラー/ヘッセン州検事)、ヨハネス・クリシュ(シモン・キルシュ)、ゲルト・フォス(フリッツ・バウアー/ヘッセン州検事総長)、ロベルト・ハンガー=ビューラー(ウォルター・フリードベルク/ヘッセン州検事正)、ハンシ・ヨクマン(シュミッチェン/秘書)、ルーカス・ミコ(ヘルマン・ラングバイン)
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パパが遺した物語 / Fathers and Daughters

2015年10月03日 | 洋画(アメリカ系)
幼くして母を、そして、続いて作家の父を亡くした影響で、誰も愛することが出来ず破滅的な生活を繰り返していた女性が、作家であった父を尊敬する男性と巡りあったことから真実の愛を見つけようとする物語。

ラッセル・クロウもアマンダ・セイフライドももちろん良いんですが、この作品で一番の注目点は、幼いころのケイティを演じたカイリー・ロジャーズに尽きますね。豊かな表情で感情を非常に上手く表現しています。素晴らしい。劇中、ジェイクと幼いケイティが“CLOSE TO YOU”を歌うシーンが有るんですが、二人で仲良く歌い、本当に良いシーンでしたね。

そしてその“CLOSE TO YOU”。周知の通り、元々はカーペンターズの名曲ですが、カーペンターズ版の権利を取ることが出来ず、この作品ではマイケル・ボルトンが歌っています。カーペンターズ版と違った味わいですが、この作品の雰囲気と相まって、意外に良い味をだしていました。

これにも触れましょう。映像の進行ですが、現在と25年前の時代をシームレスに描く演出がされています。回想シーンなどで、過去の出来事を振り返ると言う演出はごく普通に使われる演出ですが、これはそれとはちょっと違いますね。正にシームレスです。ですが、それはそれで特に違和感も感じませんでした。

今のケイティの生活など、ちょっと予想とは異なる出来事もありましたが、全般的にはなかなか良い作品だったと思います。ジェイクのケイティへの無限で無償の愛が良いですね。

原題『Fathers and Daughters』。『A father and a daughter』でもなく、『The father and the daughter』でもなく、なんで複数形なんでしょうね。世の中の父と、世の中娘の物語ということなんでしょうか?

タイトル パパが遺した物語 / 原題 Fathers and Daughters
日本公開年 2015年
製作年/製作国 2015年/アメリカ・イタリア
監督 ガブリエレ・ムッチーノ
出演 ラッセル・クロウ(ジェイク・デイヴィス)、アマンダ・セイフライド(ケイティ・デイヴィス/ジェイクの娘)、アーロン・ポール(キャメロン/ケイティの恋人)、ダイアン・クルーガー(エリザベス/ジェイクの妻の姉)、クワベンジャネ・ウォレス(ルーシー)、ブルース・グリーンウッド(ウィリアム/エリザベスの夫)、ジャネット・マクティア(キャロライン)、カイリー・ロジャーズ(ケイティ・デイヴィス(幼少期))、ジェーン・フォンダ(セオドラ)、オクタビア・スペンサー(ドクター・コーマン)
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