勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

リンカーン / Lincoln

2013年04月29日 | 洋画(アメリカ系)
アメリカで最も愛される大統領で、日本でも奴隷解放という歴史的偉業を成し遂げ、そして、アメリカ史上初めて暗殺された大統領として知られているエイブラハム・リンカーン。この映画では、奴隷解放を定めたアメリカ合衆国憲法修正第十三条の下院での可決に掛けた、リンカーンの情熱を描いている。

冒頭、このあたりの歴史的事情に疎い日本人のために、監督のスピルバーグ自身による、歴史的背景の説明があります。確かに、それが有るのと無いのでは、何をしようとしているのかの理解は、全然違うでしょうね。

改めて、南北戦争と奴隷解放、そして、リンカーン暗殺を時系列で示すと下記の通り。
1861年3月4日  エイブラハム・リンカーン第16代アメリカ合衆国大統領就任
1861年4月12日 南北戦争開戦
1862年9月22日 奴隷解放宣言(1回目)
1863年1月1日  奴隷解放宣言(2回目)
1863年7月1日~7月3日 ゲティスバーグの戦い
1865年1月31日 アメリカ合衆国憲法修正第13条議会可決<-今回の映画の話
1865年3月4日  二期目就任
1865年4月9日  南北戦争終結
1865年4月15日 エイブラハム・リンカーン暗殺
と言う事で、日本でも有名なゲティスバーグの戦い(と、演説)よりも、後の出来事を映画では描いているんですよね。劇中、ゲティスバーグでの演説を聞いたと兵士たちが言っていて、しかも、暗唱しているので、そのことは自明ですが。

実は、映画で描かれているのは、たった28日間の話なんですよね。もっと長いような気がしますが。それだけ、濃密な議論が当時のアメリカ国内で行われていたということなんだと思います。

現代の人間から見ると、奴隷解放という偉業を成し遂げたリンカーンは、名大統領と呼ばれるわけですが、当時の人々から見ると、強引と思った人々が少なからず存在したのでしょう。それが故に、暗殺された時「Thus always to tyrants.(常にかくあれ、圧政者には)」と言われたんだと思います。今のTPPへの参加とかも同じ感じなのかもね。時代を経て、上手く行っていれば安倍総理は歴史に名を残す名総理だし、失敗したらヘボ総理になるわけです。

ところで、現代においても、大統領側が特定の法案を議会で通したい時は議会の説得工作を行います。流石に、職を提供するような、露骨な利益誘導はしないと思いますが、WIN-WINの関係でないと相互の利益にはならないでしょうから、どう言う交渉が行われているか、興味深い所ではあります。

さて、冒頭、戦闘シーンから始まるんですが、『プライベート・ライアン』で見せたような、色合いを落とした映像で、戦争の悲惨さなどを浮き彫りにする演出をしています。時代が時代なので、リアルな肉弾戦ですね。

それと、ダニエル・デイ=ルイスですよ! いやぁ、リンカーンは教科書などでも我々は顔を知っているわけですが、そっくりですね。ビックリです。ただ、そっくりなメイクだけではアカデミーの主演男優賞は取れないわけで、憲法修正(そして、戦争の終結)に掛けるリンカーンの情熱を、あたかもリンカーンが乗り移ったかのように演じています。この映画は、彼の熱演に尽きるね。

2013年の第85回アカデミー賞では、主演男優賞(ダニエル・デイ=ルイス)とアカデミー美術賞を受賞。同じく2013年第70回ゴールデングローブ賞で主演男優賞(ダニエル・デイ=ルイス)受賞。その他にも、沢山の賞を受賞しています。

下記で、“アメリカ連合国”と表記しているのは、国際的には正式にその存在を国として認めた諸外国は無いため。もっとも、戦時国際法における交戦団体としては、その存在と地位は認められているようですが。

タイトル リンカーン / 原題 Lincoln
日本公開年 2013年
製作年/製作国 2012年/アメリカ
監督 スティーブン・スピルバーグ
出演 ダニエル・デイ=ルイス(エイブラハム・リンカーン)、トミー・リー・ジョーンズ(ダグラス・スティーブンス/共和党議員)、サリー・フィールド(メアリー・トッド・リンカーン)、ジョセフ・ゴードン=レビット(ロバート・リンカーン)、ガリバー・マクグラス(タッド・リンカーン)、デビッド・ストラザーン(ウィリアム・スワード/国務長官)、ジェームズ・スペイダー(W・N・ビルボ/ロビイスト)、ハル・ホルブルック(プレストン・ブレア)、ジャレッド・ハリス(ユリシーズ・S・グラント)、リー・ペイス(フェルナンド・ウッド/民主党議員)、ピーター・マクロビー(ジョージ・ペンドルトン/民主党議員)、ウォルトン・ゴギンズ(クレイ・ホーキンズ/民主党議員)、マイケル・スタールバーグ(ジョージ・イェーマン/民主党議員)、ジャッキー・アール・ヘイリー(アレキサンダー・スティーブンス/“アメリカ連合国”副大統領)、マイケル・シフレット(R・M・T・ハンター/“アメリカ連合国”前国務長官)、グレゴリー・イッツェン(ジョン・A・キャンベル/“アメリカ連合国”陸軍次官補)

[2013/04/29]鑑賞・投稿
コメント (2)   トラックバック (31)

ラストスタンド / The Last Stand

2013年04月28日 | 洋画(アメリカ系)
元カリフォルニア州知事(と言う肩書きが付くんですよね)のアーノルド・シュワルツェネッガーの俳優復帰第一作。シュワちゃんと言えば、アクション。この作品も期待通りのアクション作品です。

『ラストスタンド』と言うのは“最後の砦”と言う意味。メキシコ国境手前のサマートンが、逃亡を図る麻薬王を確保するための、まさに最後の砦として立ちはだかると言うのが、この物語。事前にあまり情報を入れなかったんですが、逃亡の手段が、スーパーカーなんですね。なんか『ワイルド・スピード・シリーズ』とか、『トランスポーター・シリーズ』見たい。もっとも、それらの二作品は、いわゆる良い者側がスーパーカーを操っているんですが、この作品では、悪者側がスーパーカーを操っています。

自分でもセリフで言っていますが、シュワちゃん、(失礼ですが)歳とりましたね~。往年の激しいアクションは、ちょっと期待できないです。その代わりと言ってはなんですが、カーアクションとか、銃撃シーンが激しくなっていました。撃たれるシーンとか、銃弾が放伐するシーンとかで、人体が・・・。

ぶっちゃけ言うと、アレほどまでに用意周到で、組織力も有る組織なら、スーパーカーで国境を目指すなんて面倒なことはせずに、一気に空から国境越えが出来そうな気がするんですけどね?まぁ、そんなことしたら、映画にならなくなってしまうかもしれませんが。満足度90何%とか、TVCMでやっていたような気がしますが、本当か?派手なドンパチが見たい時は、良いと思います。

タイトル ラストスタンド / 原題 The Last Stand
日本公開年 2013年
製作年/製作国 2013年/アメリカ
監督 キム・ジウン
出演 アーノルド・シュワルツェネッガー(レイ・オーウェンズ/保安官)、ルイス・ガスマン(フィギー/副保安官)、ジェイミー・アレクサンダー(サラ・トーランス/副保安官)、ザック・ギルフォード(ジェリー・ベイリー/副保安官)、ロドリゴ・サントロ(フランク・マルチネス)、ジョニー・ノックスビル(ルイス・ディンカム)、エドゥアルド・ノリエガ(ガブリエル・コルテス)、ピーター・ストーメア(ブレル/コルテスの手下)、フォレスト・ウィテカー(バニスタ/FBI)、ジェネシス・ロドリゲス(リチャーズ/FBI)

[2013/04/28]鑑賞・投稿
コメント   トラックバック (33)

図書館戦争

2013年04月27日 | 邦画
シリーズ発行部数400万部を超える大人気小説の映画化。いきなり言ってしまいます。イイです!結構良いです!

主演は、雑誌『ダ・ヴィンチ』の読者投票で、それぞれ1位を取った岡田准一と榮倉奈々。いやぁ、投票一位だけあって、確かにイメージにピッタリの配役ですね。岡田君は、格闘技の素養があるんで結構見せています。検閲に対向する戦闘は、基本的に火器を使った戦闘なんですが、接近した格闘戦もあって、随所でその妙技を見せています。他方、榮倉奈々も健康的で元気な笠原を上手く演じています。ただやっぱり、火器の構えはちょっと苦手かもしれませんね。ちょっと構えが緩かった。

驚いたのが、児玉清さんが“出ている”事。もっとも、日野の悪夢で児玉さん演じる稲嶺は犠牲になったことになっているので、“出演”は写真での出演にとどまりますが。でも、稲嶺は児玉さんのイメージとも言われていますので、そのイメージを壊さないようにと言う事なんでしょうね。そのため、映画版オリジナルの登場人物として関東図書基地司令仁科巌が生み出された事になるんだと思います。

堂上の相棒(?)の小牧が、田中圭ですか。堂上と違い、優しく諭すような小牧のイメージに合っていました。それと、原作でも時折描かれている、体を折るようにして笑う仕草は、映画でも再現。なるほど、ああ言う風に笑うんだな。想像通りだけど。

柴崎麻子を演じたのは栗山千明。原作でも柴咲と笠原の寮での生活シーン(入浴含む)がしばしば描かれていますが、映画でも当然のごとく、そのシーンはありました。入浴シーンもね。まぁ、どちらも人気女優なので、流石にサービスカットにはなっていませんでしたが。ところで、栗山千明が「特別出演」で、明らかに格上の石坂浩二や、リアルに特別出演であると思う児玉清が、特にそういうクレジットが無いのは何故なんでしょうね? 

いやぁ、それにしても、この映画。防衛省・自衛隊が大・大・大協力ですね。だって、基地のシーンなんて、明らかに本当の自衛隊の基地だし、ヘリには「関東図書隊」とか書かせているし、凄い。「専守防衛」「守るために戦う」と言う事が、まさに自衛隊の存在意義にも合うということなんでしょう。最後のクレジットで、“航空自衛隊航空幕僚監部広報部「空飛ぶ広報室」”とあったのは、原作者がどちらも有川浩だし、制作しているのはどちらもTBSと言う事情が作用したものと思われます。

仁科という、映画オリジナルの登場人物はありましたが、概ね原作にそって映画化されています。堂上と笠原の実写の掛け合いが好印象。また、戦闘シーンも、結構圧巻。自衛隊の協力の賜物ですね。

それにしても、今年は有川浩作品の映像化が多いですね。この作品のほか、『県庁おもてなし課』も映画化(しかも、こちらも主演はジャニーズの錦戸亮)、『空飛ぶ広報室』は、この作品と同じTBSでドラマ化。それ故に、上記に記すようなことがあったのかも(笑)。

タイトル 図書館戦争
日本公開年 2013年
製作年/製作国 2013年/日本
原作 有川浩
監督 佐藤信介
出演 岡田准一(堂上篤)、榮倉奈々(笠原郁)、栗山千明(柴崎麻子)、田中圭(小牧幹久)、福士蒼汰(手塚光)、西田尚美(折口マキ)、橋本じゅん(玄田竜助)、石坂浩二(仁科巌/関東図書基地司令)、児玉清(稲嶺和市)、相島一之(良化特務機関指揮官)、鈴木一真(武山健次/メディア良化法賛同団体リーダー)、嶋田久作(警視庁刑事)

[2013/04/27]鑑賞・投稿
コメント   トラックバック (41)

天使の分け前 / The Angels' Share

2013年04月21日 | 洋画(イギリス系)
原題に使われている“Angels' Share”とは、劇中でも説明がある通り、ウィスキーを樽で熟成させる際、空気中に自然に蒸発していく分の事。毎年2~4%蒸発していくといわれるので、10年も熟成させると結構な量が蒸発していっているんですよね。

でも、こう来るか。そうか、そういう事ね。日本的な発想で行くと、不良だった青年が、子供が生まれたことを契機に真面目に更生していくと言う、お涙頂戴的なストーリーになるんでしょうけど、イギリス人が考えると、素直にそう言う感じにはならないんですね~。でも、それならそれで、イギリス人らしく、もっと笑える所があっても良かったかなぁと思います。逆に、ああ言う、クスクス笑う所はあるものの、現実をシニカルに見つめるという所がイギリス的なんですかね?

英語を聞いていると、弁護士・裁判官という人たちは、クイーンズ・イングリッシュを話すわけですが、この物語のその他の登場人物たちは、非常に訛った、ぶっちゃけ何を言っているのかが不明な英語であったりして、階級社会イギリスを意識させられます。舞台はスコットランドなので、もしかしたら、弁護士・裁判官は支配階級=イングランドで、その他の登場人物たちは被支配階級=スコットランドと言う表現なんでしょうか?

それにしても、ウィスキーも、ワインのような表現で語ると言うことは、新たな驚き。まぁ、そうですよね。テイスティングと言う行為があるんだから、表現方法も有るわけで、それは他の酒類を似ていてもおかしくはないですよね。興味深かったです。

タイトル 天使の分け前 / 原題 The Angels' Share
日本公開年 2013年
製作年/製作国 2012年/イギリス・フランス・ベルギー・イタリア
監督 ケン・ローチ
出演 ポール・ブラニガン(ロビー)、ジョン・ヘンショウ(ハリー)、ゲイリー・メイトランド(アルバート)、ウィリアム・ルアン(ライノ)、ジャスミン・リギンズ(モー)、シボーン・ライリー(レオニー)、チャーリー・マクリーン(ロリー・マカリスター)、ロジャー・アラムタ(デウス)

[2013/04/21]鑑賞・投稿
コメント   トラックバック (17)

舟を編む

2013年04月14日 | 邦画
なるほど、こうきますか。

馬締が、松田龍平と聞いた時は「どうかな~」と思いましたが、中々どうして。結構いい仕上がりになっていますね。さすがです。

凛とした美しさを持つ女性には、やっぱり宮崎あおいは外せないですよねぇ。ただ、「自分、不器用ですから」と言いそうな、女高倉健の雰囲気は、彼女をしても、表現しきれなかったような気がします。中々難しい表現なんでしょうね。

軽妙な西岡を誰が演じるのか気になりましたが、オダギリジョーが上手く演じています。なるほどね。確かに、一見軽薄だけど、実は真面目と言う感じは、オダギリジョーの雰囲気であるかもしれません。

そして、加藤剛と八千草薫。この二人には、思わず唸ってしまいますね。加藤剛の重厚感と、八千草薫の淑やかさがあって、この作品は逸品になっているんだと思います。

ピース又吉が出ているのは、最後のクレジットで気が付きました。って言うか、何処に出てた?

原作も読んでいるんですが、結構、原作に沿った内容になっていると思います。ただ、時間の都合のためか、原作での岸辺と宮本が付き合っていく件などは、完全に省かれていますが。あのあたりも、辞書編集にまつわる濃厚な人間関係の表れとしては良いと思うんですけどね。

タイトル 舟を編む
日本公開年 2013年
製作年/製作国 2013年/日本
原作 三浦しをん
監督 石井裕也
出演 松田龍平(馬締光也)、宮崎あおい(林香具矢)、オダギリジョー(西岡正志)、黒木華(岸辺みどり)、渡辺美佐子(タケ)、池脇千鶴(三好麗美/西岡の恋人)、鶴見辰吾(村越局長)、伊佐山ひろ子(佐々木薫/辞書編集部の契約社員)、八千草薫(松本千恵/松本朋佑の妻)、小林薫(荒木公平)、加藤剛(松本朋佑)、宇野祥平(宮本慎一郎/製紙メーカー社員)、森岡龍(江川)、又吉直樹(戸川)、斎藤嘉樹(小林)、波岡一喜(編集者)、麻生久美子(大渡海ポスターの女優)

[2013/04/14]鑑賞・投稿
コメント (1)   トラックバック (49)

ヒッチコック / Hitchcock

2013年04月07日 | 洋画(アメリカ系)
サスペンスの神様アルフレッド・ヒッチコック。そのヒッチコック最高の傑作『サイコ』の制作の舞台裏を描いた作品。

ヒッチコックを描いた映画ということで、ヒッチコックの作品を意識した映像・演出になっています。特に、冒頭にヒッチコックその人が出てきて解説する辺りとか、冒頭のカット割りとか、ヒッチコックの事を意識して作られています。

それにしても、アンソニー・ホプキンスとヘレン・ミレン素晴らしいですね。特にアンソニー・ホプキンスは、ヒッチコックにしか見えないですよ。アルマ・レビルは知らないですが、ヘレン・ミレンの演技は素晴らしい。自身も才能のある脚本家であり、才能のある夫を支える妻を非常に上手く演じています。

あと、ジャネット・リーを演じたスカーレット・ヨハンソンも素晴らしい。冷静に見ると、ジャネット・リーその人とは見た目が異なっているんですが、そんなことは感じさせない見事なヒッチコックブロンドを演じています。

一つ気になったのが、『サイコ』はパラマウント映画の作品なんですが、この『ヒッチコック』自体は20世紀FOXの作品。捻じれていますが、ちゃんとパラマウント映画のロゴは劇中写っています。それにしても、パラマウント映画は、映画化権を取れなかったんですかね?

非常に面白い作品です。ヒッチコックがここまで苦労して制作した『サイコ』を見たくなってしみました。

タイトル ヒッチコック / 原題 Hitchcock
日本公開年 2013年
製作年/製作国 2012年/アメリカ
監督 サーシャ・ガバシ
出演 アンソニー・ホプキンス(アルフレッド・ヒッチコック)、ヘレン・ミレン(アルマ・レビル)、スカーレット・ヨハンソン(ジャネット・リー)、トニ・コレット(ペギー・ロバートソン/ヒッチコックの秘書)、ダニー・ヒューストン(ウィットフィールド・クック)、ジェシカ・ビール(ベラ・マイルズ)、マイケル・スタールバーグ(ルー・ワッサーマン/ヒッチコックのエージェント)、ジェームズ・ダーシー(アンソニー・パーキンス)、マイケル・ウィンコット(エド・ゲイン/『サイコ』のモデル。実在の殺人犯)、リチャード・ポートナウ(バーニー・バラバン/パラマウント社長)、カートウッド・スミス(ジェフリー・シャーロック/映倫検閲官)

[2013/04/07]鑑賞・投稿
コメント   トラックバック (30)

君と歩く世界 / De rouille et d'os

2013年04月06日 | 洋画(フランス系)
原題の『De rouille et d'os』は、英語だと“Rust and Bone”。日本語では、“錆と骨”なんていう、何とも色気のないタイトルなんですよね。それが、邦題だと『君と歩く世界』となる不思議。まぁ、脚を失った女性が出ているので、判らなくはないです。

「両脚を失った女性の驚くべき再生と希望の物語」とか、「光指す方へ/一歩ずつ/ふたりで」とか、「両脚を失ったシャチの調教師ステファニー。ふたたび力強く歩み始める彼女の姿が胸を打つ、きらめく愛の感動作。」と言うコピーが、ポスターやパンフレットに氾濫していますが、ハッキリと率直に言って、そう言う言葉から想像されるような内容の物語ではありません。

主人公も、マリオン・コティヤール演じるステファニーじゃなくて、マティアス・スーナールツ演じるアリだと思います。それにしても、罪作りなコピーだ。マリオン・コティヤールが好きなんで見に行ったんですが、何だかなぁ。予想と全然違い過ぎ。でも、そういうことが判ってながら行くと、また違うように物語は見えるかもしれません。

ステファニーは両脚を失っているわけですが、その処理はCGで行われています。CGで処理されたとはわからないくらい自然。で、そのステファニーが両脚を失うことを示唆するかのように、ランニングする人々の脚元からの映像をつかったりしています。また、ステファニーが脚を失うのは事故なんですが、事故だけでは脚を失うようには思えないんですが、その後のステファニーの回想?の映像で、シャチを出すなど、映像の作り方は良いと思いました。

アリが、粗暴なのか、優しいのかよくわかりません(苦笑)。映画のコピー自体は、ステファニーの物語のように思えるコピーですが、実際の所は、映像の量といい、話の軸足と言い、アリが主人公なのでは?と思います。

第70回ゴールデングローブ賞「主演女優賞」「外国語映画賞」ノミネート。フランス版アカデミー賞と言われるセザール賞では、「作品賞」「監督賞」などの主要部門を含む9部門にノミネートされ、「編集賞」「脚色賞」「音楽賞」「新人男優賞」を受賞。第65回カンヌ国際映画祭ではコンペティション部門正式出品。

タイトル 君と歩く世界 / 原題 De rouille et d'os
日本公開年 2013年
製作年/製作国 2012年/フランス・ベルギー
監督 ジャック・オーディアール
出演 マリオン・コティヤール(ステファニー)、マティアス・スーナールツ(アリ)、アルマン・ベルデュール(サム/アリの息子)、セリーヌ・サレット(ルイーズ)、コリンヌ・マシエロ(アナ/アリの姉)、ブーリ・ランネール(マルシャル)、ジャン=ミシェル・コレイア(リシャール/アナの夫)

[2013/04/06]鑑賞・投稿
コメント   トラックバック (19)