勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

2011年振り返り

2011年12月31日 | 振り返り
さて、今年は、3.11に東日本大震災があり、
震災前/震災後で人々の意識が変わったと言われています。
私自身も、明快には言えませんが、変化を感じています。
2012年は、いい年になることを切に願います。

さて、2011年の振り返りです。
まず観賞数ですが、
1月:3本
2月:5本
3月:2本
4月:2本
5月:4本
6月:2本
7月:0本
8月:3本
9月:5本
10月:4本
11月:2本
12月:4本
合計:36本
2010年が41本だったので、
数を競うつもりはないんですが、減っています。
この減少には、正直3.11が影響しています。
どうも、映画を観る気になれなかったんですよねぇ。

そんな最中でも、今年一番印象に残った映画ですが、
英国王のスピーチ / The King's Speech』や
マネーボール / Moneyball』も良かったんですが、
敢えて、『ミケランジェロの暗号(Mein bester Feind)』ですかねぇ。
シリアスなテーマを描いた作品にもかかわらず、
所々クスリと笑う様なシーンが随所にあり、
非常に面白かったです。

違う意味で印象に残ったのは、『ヒア アフター / HEREAFTER』。
この映画の津波のシーンが、直後に起きた東日本大震災の津波に重なります。
そう思ったのは、私だけではなく、直ぐに上映中止に。
あの津波のシーンはヤバイですよ。

イマイチだったのは、『ツーリスト / The Tourist』。
出演者は豪華ですけど、内容が・・・。

ここまでは洋画中心で記してきましたが、
今年も邦画は頑張っていました。
邦画で印象に残った作品は、
名作と言われそうな作品も多数ありましたが、
探偵はBARにいる』にします。
“俺”のイメージに、大泉洋はピッタリですね。

あと、内容的に突っ込みどころはあるものの、
日輪の遺産』も、中々良かったと思います。

2012年は、どんな映画に出会えるのか?
楽しみです。

聯合艦隊司令長官 山本五十六 ―太平洋戦争70年目の真実―

2011年12月27日 | 邦画
1941年の太平洋戦争勃発から70年の今年(2011年)、太平洋戦争の口火を切る攻撃の指揮を取った山本五十六を描いた映画。

戦争を描いたのではなく、山本五十六自身を描いています。なので、戦争映画ではありますが、所謂、戦争映画とは異なり、ヒューマンドラマ的色彩が濃い・・・と言うより、むしろヒューマンドラマそのものです。なので、真珠湾攻撃の作戦過程やミッドウェイ海戦の作戦過程などは、余り描かれていません。描かれているのは、山本五十六の仕事ぶりや、家庭での父親あるいは夫ぶりです。『硫黄島からの手紙』の時も思ったんですが、あの頃の高級司令官って、家族思いの人が多いですね。硫黄島の戦いの栗林大将も非常に家族思いで有ったと伝えられていますが、この作品の山本も家族思いの人物として描かれています。

山本以下、海軍軍人達は実在の人物ですが、東京日報の人物たちは、会社そのものの存在から架空の設定(ですよね)。そしてその東京日報の記者新藤利一が、この物語の語り部になっています。新藤利一を演じる玉木宏は、のだめカンタービレから、モノローグづいていますね(笑)。

作品を見てみて、平和を愛する反戦の軍人として山本五十六を描こうとしていると意図を強く感じます。一般に、山本が太平洋戦争に反対したのは確からしいですが、それは反戦とかと言う意図ではなく、軍事的・政治的に合理的ではないと言うのが、その理由。反戦思想であったとか言う、日本人が好みそうな理由ではないはずなんですよねぇ。何と言っても、彼は、日本海軍の高級幹部。そんな思想を持っていたのであれば、高級幹部にはなれません。もっと言えば、指揮官としてもあまり優秀ではなかったとも言われています。その一端として、劇中にも描かれていますが、真珠湾攻撃に際しては、早期講和のために真珠湾攻撃を行ったのであれば、もっと徹底的に攻撃を完遂するべきだったのに二次攻撃を命令していないし、ミッドウェイ海戦に於いても南雲に任せっきり。「南雲はやらんよ。」「これで積んだね。」ではないんですよ。

その他、日本映画には多いんですが、テンポが悪くて冗長。瀬戸朝香、田中麗奈は、この物語の進行に必要でしょうか? 時代世相を映す役回り? 時代世相は、東京日報を中心に描いているのではないかと思うんですけどね。この当たりのシーンが無ければ、もっと締まったと思うんですけどねぇ。

それと、監督の意図なのか、監修者の意図なのかわかりませんが、山本・米内・井上・山口・黒島は好意的に描かれていた様に感じたのに対して、南雲・宇垣・永野・及川(?)は否定的に描かれているような気がしたのは、気のせい? これって、監督or監修者or誰かの、好き嫌い? それぞれの人物に様々な評があり、揶揄されても仕方がない一面もありますが、こう言う描き方は一方的過ぎて、ちょっとどうかなぁと思いました。

普通の戦争映画だと思っていくと、意外にヒューマンドラマだったりするので、派手な戦闘シーンをお望みの方はご注意。って言うか、『太平洋戦争70年目の真実』と言うサブタイトルは付いていますが、新たに明らかになる真実はありません。

タイトル 聯合艦隊司令長官 山本五十六 ―太平洋戦争70年目の真実―
日本公開年 2011年
製作年/製作国 2011年/日本
監督 成島出
監修 半藤一利
特別協力 山本義正
出演 役所広司(山本五十六)、玉木宏(新藤利一)、柄本明(米内光正)、柳葉敏郎(井上成美)、阿部寛(山口多聞)、吉田栄作(三宅義勇)、椎名桔平(黒島亀人)、中原丈雄(南雲忠一)、中村育二(宇垣纏)、坂東三津五郎(堀悌吉)、伊武雅刀(永野修身)、原田美枝子(山本禮子)、袴田吉彦(秋山裕作/東京日報記者)、益岡徹(草野嗣郎/東京日報編集長)、香川照之(宗像景清/東京日報主幹)、五十嵐隼士(牧野幸一/五十六と同郷の零戦パイロット)、河原健二(有馬慶二/零戦パイロット)、碓井翔太(佐伯隆/零戦パイロット)、瀬戸朝香(谷口志津/小料理屋の女将)、田中麗奈(神埼芳江/志津の店の常連のダンサー)、宮本信子(高橋嘉寿子/五十六の実姉)

[2011/12/11]鑑賞・投稿

ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル / Mission: Impossible - Ghost Protocol

2011年12月18日 | 洋画(アメリカ系)
トム・クルーズのミッション:インポッシブルシリーズ第四弾。

いつもながらに思うんですが、IMFって、諜報機関としての体をなしていないと思います。いつもは、自分の組織内に裏切り者が居るわけですが、今回はそれ以上に、その存在意義が問われることに。って言うか、結局“ゴースト・プロトコル”が発動されて、IMF事態が抹消されてしまうんですけどね。自らの身を守れない諜報機関って、何なんですかね?存在意義が無いと思います。

何と言っても、世界一高い超高層ビル『ブルジュ・ハリファ』の窓を登るシーンで、トム・クルーズがスタントを立てずに自ら窓をよじ登ったと言うのは、必見。って言うか、スゴすぎ。

舞台が、モスクワ、ドバイ、ムンバイと移り変わるのは、いまの世界経済を象徴しているような気がしますね。間違っても、トウキョーは出てこないですね。

でも真面目な話、ロシアから核関連の物質が流出しているというのは、結構洒落にならない話です、流石に核ミサイル発射コードは『まだ』流出していないと信じたいですが、プルトニウムとかは流出しているとも言いますからねぇ。

流石に4作目ともなると、過去の作品などへのオマージュとも思える所が数々出てきます。ブラントの空中に浮くシーンは、過去のイーサンの宙吊りへのオマージュですよね?

興行的な事を気にしたのか、若干、派手な割には中身が薄い気もしますが、この手のアクション作品が昨今少ないので、結構見応えはあります。

タイトル ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル / 原題 Mission: Impossible - Ghost Protocol
日本公開年 2011年
製作年/製作国 2011年/アメリカ
監督 ジョナサン・レヴィン
出演 トム・クルーズ(イーサン・ハント)、ポーラ・パットン(ジェーン・カーター)、サイモン・ペッグ(ベンジー・ダン)、ジェレミー・レナー(ウィリアム・ブラント)、ミカエル・ニクヴィスト(カート・ヘンドリクス)、ウラジミール・マシコフ(アナトリー・シディロフ)、ジョシュ・ホロウェイ(トレヴァー・ハナウェイ)、サムリ・エデルマン(ウィストロム)、アニル・カプール(ブリッジ・ナス)、レア・セイドゥ(サビーヌ・モロー)、トム・ウィルキンソン(IMF長官)、ヴィング・レイムス(ルーサー・スティッケル)、ミシェル・モナハン(ジュリア・ミード)

[2011/12/18]鑑賞・投稿

RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ

2011年12月11日 | 邦画
2010年に一畑電車を舞台に描かれた『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』。その第二弾として、今回は、富山地方鉄道を舞台に、定年目前の夫婦の模様を描いている。

まず率直に。まぁ、悪くはないですが、良くも無いです。ちょいと微妙。『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』がヒットしたので、第二弾として企画したのが見え見え。『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』の時は、まぁそれなりに物語もありましたが、素直に感情移入できたんですが、第二弾のこの作品は、物語の端々に製作者の意図が見え見えで、素直に感情移入が出来ませんでした。

敢えて記しますが、例えば、徹と深山朋香の出会いのシーンとかね。まぁ、昔の夢に気付かされたと言う意味では、意味のあるシーンではありますが、ああいうシチュエーションである必要ある? あの役回りは、島村でも良いような気もしました。宇奈月温泉で、徹の退職を祝っているシーンでは、夫婦の問題を話し合っていましたしね。

あと、物語終盤の電車の送電事故。徹の電車に井上信子が乗っていてと言うのは、物語としては面白いですが、どうもねぇ。あと、電車が止まったところも、確かに急斜面だけど、徹と佐和子があんなになるほどの急坂?

それと、基本としては、徹の定年目前の1ヶ月間を描いた話のはずですが、映像の季節に一貫性を感じないような気がしたんですが? 物凄く冬っぽかったり、春先みたいだったり。回想シーンで、春を描いているのは良いとして、一応“今”を描いているはずなのに、季節の一貫性が無いように感じてしまいました。

とか何とか突っ込んでいますが、根本と成っているものは、第一弾も第二弾も同じかな?と思いますね。どちらも、結局は男が夢を追ったと言う事かなと。っして、その夢を追う男の周りの人々が、どう関わっていくかという事ですよね。

若干微妙な所はありますが、基本は色々と考えさせられる物語です。

タイトル RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ
日本公開年 2011年
製作年/製作国 2011年/日本
監督 蔵方政俊
出演 三浦友和(滝島徹)、余貴美子(滝島佐和子/徹の妻)、小池栄子(片山麻衣/滝島徹・佐和子の娘)、中尾明慶(小田友彦)、吉行和子(井上信子)、塚本高史(片山光太/麻衣の夫)、岩松了(島村洋二)、徳井優(河野啓司)、中川家礼二(楠木雅也)、仁科亜季子(深山朋香)、清水ミチコ(沢田良子)、立川志の輔(出前のオヤジ)、米倉斉加年(吉原満)、西村雅彦(冴木俊也)

[2011/12/11]鑑賞・投稿

50/50 フィフティ・フィフティ / 50/50

2011年12月10日 | 洋画(アメリカ系)
脚本家ウィル・レイサーのガン闘病体験を元にした作品。

健康的な日常を送っていた27歳でのガン宣告。若いとガンは進行しますからねぇ。複雑&混乱すると思います。って言うか、私も今この時点でガン宣告を受けたら、どう思うんだろうなぁ。

ガンを描いた映画というと、暗い雰囲気の作品かと思うかも知れませんが、この作品はそうではありません。一応、コメディ作品に分類されています。とは言うものの、明らかに爆笑というシーンはそれ程有りません。クスリと笑うか、明るく前向きにガンに向き合っていくという事がこの物語の基本です。

主人公アダムの友人カイルがいい味出しています。元々楽観的な人物として、人物設定がされているのだと思いますが、そうだとしても、アダムを勇気付けようとして“敢えて”バカを演じている男になっています。劇中も、ガン患者と共に生きる事をテーマにした本を読んでいることが明らかになっています。

その一方、カイルの主治医が、なんだかなぁ。患者に向き合わない医師って、感じ悪いんですけど(笑)。

やっぱり物語上、去っていく恋人と新たな出会いと言うのは、避けられないんですかね?まぁ、それが作品に物語を与えているわけですが。でも、いきなり院生に単独でセラピーってさせるんですかね? DC修了の条件なのかな?

日常の中の非日常。誰にでもありそうなことを描いた映画です。まぁまぁ、いい映画だと思います。

タイトル 50/50 フィフティ・フィフティ / 原題 50/50
日本公開年 2011年
製作年/製作国 2011年/アメリカ
監督 ジョナサン・レヴィン
出演 ジョセフ・ゴードン=レヴィット(アダム)、セス・ローゲン(カイル)、アナ・ケンドリック(キャサリン)、ブライス・ダラス・ハワード(レイチェル)、アンジェリカ・ヒューストン(ダイアン/アダムの母)

[2011/12/10]鑑賞・投稿