ゆるゆるらいふ

とりあえず、今日も一日機嫌よく・・・

終の楽園

2014年07月29日 | 演劇

ちょうど昨年の今頃、市川海老蔵さんの自主公演「ABKAI」の会場で
パンフレットなどの販売スタッフとしてお手伝いさせていただいた。

その時、スケジュール調整などで連絡をしてくださり、当日一緒にパンフレットを販売したのが
この「終の楽園」の脚本を手がけた長田育恵さん。

そのころ長田さんはご自身の主宰する劇団で金子みすゞさんをモチーフにした舞台を手掛けていた。

メールのやりとりの中で、私が建築士であることを知ると、舞台美術の図面を見せてくださり、通し稽古も見せてくださった。

この時の「空のハモニカ」という作品は本当に面白くて、感動した。

その後の長田さんの活躍は本当にすばらしい。

で、この長田さんが文学座に書き下ろしたのがこの作品。


平日の昼間に、高校時代の友人にお付き合いいただき、観に行ってきた。


高級老人ホームに一人で住む大金持ちだけれど、孤独な老人。

大金持ちゆえの複雑な家庭環境で、なにかと意見が合わない母親違いの子供たち。

老人はアートセラピーのための絵の講師の女性に心を開いていくが、そのことが家族関係のゆがみを
浮き彫りにしていく・・・。


老人問題、不妊治療、セクハラ、不倫、相続争い、ギャンブル依存、マイノリティ・・・

これでもかってくらいの、社会問題山積みで、いったいどこに向かうのか・・・とハラハラドキドキ

なんとなくピュアな絵の講師の老人への優しい接し方と、自分のことばかり考えている人たちへの毅然とした態度が救い・・・


ちょっと悲しい結末となってしまうけれど、
それぞれが前を向いて進んで行こうとする姿にわずかな希望を見出して、劇場を後にする。


お付き合いいただいた友人とは3日前にあったばかりだけれど、大勢の席でゆっくり話が出来なかったので、
そのまま劇場近くの明治記念館内のビアガーデンへ

彼女はよくここを訪れるとのことだけれど、私はビアガーデンなんて何年ぶりだろう・・・


広い広い中庭に面したビアガーデン



なんだかとっても優雅な気分

途中、女性のサックス奏者がジャズのスタンダードを演奏しはじめる。

いい雰囲気の中、なぜか着物の女性たちがジャズに合わせて踊り始める・・・

なぜ、ジャズに日舞

そっちが気になって演奏が耳にはいってこない。

紅白ものまね…みたいな番組で、歌と関係のないバックのダンスを観ているような錯覚に陥り、
だんだん可笑しくなってきた

私はお酒が飲めないので、ビアガーデンに座ってるのはなんだか申し訳ない気もしたが、
お手入れの行き届いたお庭を見ながら、おしゃれで美味しいお料理をいただき、
たっぷりとおしゃべりをして、ちょっとセレブな気分を味わった

彼女のお父様は今、体調を崩されていて、彼女は近々実家のある北海道へ様子を見に帰る、とのこと。

この年齢になると、お互いの親の生活や健康面の心配事の話題が多くなってくる。

お父様の一日も早いご回復をお祈りします。

また会いましょう







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プチ同窓会

2014年07月26日 | 友達
新年会と、納涼会・・・

ここ数年、関東近郊に住む高校の同級生達と、年に2回集まるのが恒例となった。

新年会は日程にばらつきがあるけれど、納涼会はここ3年同じ月、同じ週の週末。

メンバーの入れ替わりはあるものの、なんとなく人数も定着しつつある。

今回は男性5人、女性4人。

お店は丸の内ブリックスクエアの中にあるCHINESE青菜

毎回、連絡を回してくれたり、美味しいお店を決めてくれる幹事のお二人には本当に頭が下がる。

みんなそれなりに年を重ね、それぞれの卒業後を生きてきたけれど、
顔を合わせると瞬時にあのころに戻れるのが本当に不思議

地元の道の駅の場所の説明で、ローカルな地名がガンガン飛び交い、
すでに実家が無くなってしまった私にはなんとも懐かしく響いたりした。

毎回言っているけれど、高校時代の友人たちに会うと、
ちょっと黒っぽくなりつつある心が、きれいになる気がする。

みんなの明るい顔を見ると、
その先に待ち構えている、大きな山や谷のことなど思いもせずに、
純粋に明るい未来を当然と思っていたころの自分を思い出し、背中を押されるような・・・


さてさて、この日、窓の外が何やらにぎやかだな~と思ってみると、



こんな踊りの列が延々と続いている。

阿波踊りっぽい。

いったいなんのイベントだったのだろう?


2時間の飲み放題が終わった後も、お店の方に何も言われないのをいいことに、
1時間以上話し続けて、この日はお開きに

いつもおまかせしっぱなしで悪いなあ、と思いつつ、
幹事のお二人、また新年会、よろしくお願いします

ホントにお疲れ様、そしてありがとう

みなさん、またお会いしましょう









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風のセールスマン

2014年07月25日 | 演劇
昨年通っていたセミナーの講師陣は著名な脚本家の方たちだった。

その先生たちがたびたび「別役実」と言う脚本家のお名前を口になさる。

不条理演劇の第一人者だとのこと。

サミュエル・ベゲットの「ゴドーを待ちながら」と言う作品が不条理演劇として有名だが、
底の浅い演劇ファンの私は観たことは無い。

待たれてるゴドーはなにをしているか、という「ゴドーは待たれながら」なんていうパロディは観ちゃったけど・・・。

一度、別役氏の作品を観てみたい、と思っていたところ、この作品が上演されるというので、
一人でのこのこ観に行ってみる。

劇場は三軒茶屋のシアタートラム。

柄本明さんの一人芝居だ。

柄本さんが演じるのは、水虫防止付靴底シートのセールスマン。

ヨレヨレのスーツにトランクを持ち、黒い雨傘をさして登場。
そのたたずまいだけで、なんだか可笑しい。

舞台の上には電信柱とバス停とベンチ。

別役氏の舞台にはいつも電信柱が登場するらしい。


柄本さんは観客に語りかけるようにセールスマンである自分のことを語り始める。

商品である靴底シートに始まり、奥さんや子供のことなど・・・。

あまりに自然で、ほんとにそのへんのおじさんの世間話を聞いているような錯覚に陥る。


途中、セールスに行きたくないからと自分を首輪で電柱につないでみたり、
段ボールに住もうとしたり、まじめにいろんな変なことをしてはことごとく失敗し・・・。

とぼけた語りとなんともコミカルな動きで笑いを誘う。
どうにも仕事のできないサラリーマンって感じが伝わってきて、これじゃあ売れるわけないよなあ、って思ってしまう。

やがて彼の身にふりかかった悲惨な出来事がぽつりぽつりとさりげなく話しの中に盛り込まれていく。

笑って観ていたのにいつの間にか前に乗り出して「え?なになに?」っていう思いで息を呑む展開に。
大切な人の命に係わる悲惨な内容なのに感情が高ぶることなく、水虫防止付靴底シートの説明と同じようなテンションで
淡々と語られていき、そのことで、セールスマンの絶望がより強く感じられる。

なんともやり切れないラストに「う~ん」とうなりそうになる。

カーテンコールとセールスマンのときと変わらないテンションでの柄本さんのご挨拶で、現実に引き戻された感じ。

休憩無しの1時間20分、ひとりのホントのセールスマンの孤独な人生を垣間見たようだった。


ずいぶん前になるが、市川市市民会館で、柄本さんの一人芝居を観たことがある。
題名は忘れたが、チェーホフのモノだったと記憶している。

初めてのチェーホフで、ロシア人の名前が覚えにくいなあ、と思いながら観ていた。

そして、この日の舞台は最悪だった。

柄本さんが、じゃない。観客が、だ。

チケットがあまり売れなかったのかどうかはわからないが、興味がないけどチケットをもらったから来ました、という
年配のオバサマたちが1/3はいたんじゃないだろうか。

マナーの悪さがハンパじゃない。

上演中におしゃべりはする、物は食べる、「おもしろくない」「なに言ってるかわからない」などと
聞こえるように言う。

そして途中で席を立って帰る・・・

あなたたちはタダで来たかもしれないけれど、こちらはちゃんとチケットを買ってきてるのに・・・

何より柄本さんに申し訳ない

小学生の発表会だってもうちょっとおとなしく観てるのに、っていうありえないマナーレベル
本当に残念だった。

なので、今回は私にとって仕切り直し、っていう思いも見事に達せられて、本当に行ってよかった














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苔玉を入れて ~涼夏アレンジ~

2014年07月24日 | フラワーアレンジメント

暑い暑い毎日が続き、お花のモチも悪いこの季節・・・。

例年のレッスンではブルー系のプリザーブドフラワーを使った涼しげなアレンジを作ってきた。

が、今年はちょっと趣向を変えて・・・


「苔玉」を使った和風のアレンジで「涼」を感じてみよう


今回の花材は白グリーン系のこちら。


 

  



赤くならないヒペリカム、トルコキキョウ、スプレーバラ、アワ
グリーンはソケイ

花器は



ザルとガラスのお皿。




こんな風にセッティング。




オアシスを立方体に切った後、角を落として球形に近づいてきたら、
手でこすってなめらかな球にする。

結構大変・・・


これに濡らしたモスをワイヤーをUピンにして留めていく。

 


オアシス1/2本から私は中2個、小1個の苔玉を作る。

どかんと大きいのを1個の方も、大小2個の方もいて、それはそれぞれ自由にしていい。


苔玉をお皿の上に置いて、あとはお花を挿していく。

苔玉の形を隠してしまわないよう、今回はお花は控えめに。


最後にまん丸のアーティシャルフラワーを2個挿して出来上がり


先生が100円ショップで見つけてきてくださったマットを敷き、写真を撮る




マットもお持ち帰りで、玄関に飾ります。



ちょっと涼しげ


我が家の玄関は西日が入るので、お花のモチはあまりよくないけれど、
挿し替えたり、庭のグリーンを足したりしながら、だましだましできるだけ長い期間「涼」を楽しもう










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カウラの班長会議

2014年07月20日 | 演劇

「カウラ・ブレイクアウト」

第2次世界大戦下、オーストラリア・.カウラ捕虜収容所で1104名の日本人捕虜が集団脱走を遂げた事件。

この脱走で命を落とした日本兵は234名。

ジュネーヴ条約を遵守し、待遇のよかったこの収容所をなぜ、これほど多くの日本人が脱走しようとしたのか・・・。
そこに至るまでの収容所の一部屋で交わされる話合いや葛藤を描いた舞台。


同じ班に所属する日本人捕虜たち、その代表である班長達が集まる班長会議での決定、その決定事項に対しての多数決。
一見、民主主義的な方法でことは進められていくけれど、
「生きて虜囚の辱めを受けず、死して罪禍の汚名を残すことなかれ」という「戦陣訓」の教えが
捕虜たちの心をがんじがらめにしている。

恥ずかしながら、歴史にはめっぽう弱い私・・・。
捕虜と言えばシベリア・・・くらいの浅い知識しか持ち合わせていない・・・。

この舞台を観に行くことになってなければ、たまたま朝日新聞に載っていたこの記事にも気が付かず、
スルーしてしまったことだろう。


「ルポ 多文化国家の素顔 [第3回] カウラの戦中・戦後日本兵捕虜の脱走事件とオーストラリア」
http://globe.asahi.com/feature/100405/side/02_03.html

この舞台の脚本・演出は坂手洋二氏。
燐光群という劇団を主宰している。

坂手氏は昨年のセミナーの講師として何度か講義をしてくださった。

この舞台に、やはり同セミナーの受講生だった俳優の山森信太郎さんが出演することとなり、
ご案内をいただいたので、行ってみることにした。

先月のセミナー卒業生によるリーディングを設定してくださったのがこの山森さんだ。
皆さんからは「髭さん」と呼ばれている。

劇場は下北沢の「ザ・スズナリ」

有名だけれど、私は初めて。

なぜなら、下北沢は私の家からはそこそこ遠くて、下北沢での公演、って言うと
観たいなあ、と思っても、ちょっと二の足をふんでしまいがち・・・。

現代のオーストラリアの学生が、この「カウラ・ブレイクアウト」についての映画を作ろう、としている設定。
本当にオーストラリアの俳優さんたちが5人出演し、英語で台詞をいい、字幕が流れる。

坂手氏の舞台は以前にも一度観たのだけれど、ちょっと私には難しくて、今一つ、ついて行ききれないところがある。

収容所内で捕虜たちが話し合っているかと思えば、突然現代の学生たちと、元軍曹役を演じるという男性たちが現れ、
映画の内容について話しだす。

ってことはこの捕虜たちも映画の中での配役っていう設定なのかしら?
それとも史実を本人たちとして表現しているのかしら?

となんだかわからなくなってくる。

その上、そこに福島の問題も乗っかってくるので、これまた浅い知識しかない私はもうお腹いっぱい。

途中、学生役の女性たちがパネルを持ち、客席に向かって、歴史の授業のように、
カウラの位置をはじめとして、この事件の内容の補足説明を始める。

そこまでの説明はちょっといらないんじゃないかなあ、と思ったりもする。

そういうことも含めて、全体的に説明が多い感じで、自分で想像する余地をもう少し残してくれてもいいような・・・。
NHKのドキュメンタリー番組の再現フィルムのような感じ・・・というのかしら。

もっとも私のように、翻訳劇などでいつも背景がよくわからずにいるようなフトドキ者には
これくらい説明してもらわないと、伝えたいことの本質が理解できないのかも

それにしても、戦時下の教育による洗脳(?)は本当に恐ろしい。

この脱走は生きるための脱走ではなく、死ぬための脱走だ。

捕虜として生き延びてしまえば、家族に迷惑がかかる、生き恥をさらすことになる、
それなら脱走して撃ち殺されよう、殺されなければ自害しよう、と本気で考え脱走するのだ。
それも、全員で・・・

この史実をを知らずに観ていた私は、本当に恐ろしい気持ちになった。

安倍政権のもとで、憲法9条の意味が少しずつ捻じ曲げられようとしている今、
妙にリアリティを持ってじわじわと響いてくる恐ろしさだ。

設定のわかりにくさ(私だけです)はあったものの、この舞台を日本のみならず、
オーストラリアでも公演する意味は大きいと思う。

東京公演は昨日が千秋楽。

このあと神戸・名古屋と続き、カウラ・キャンベル・シドニーで公演するとのこと。

髭さん、このあともがんばってくださいね













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