ゆるゆるらいふ

とりあえず、今日も一日機嫌よく・・・

聖地X

2015年05月31日 | 演劇

 

思い切って行ってよかった~

戯曲セミナーの講師でもあった前川知大さんの脚本であるこの舞台、
日程がなかなか合わなくて、でもセミナーでご一緒した方たちが皆「面白かった」とおっしゃってるので、
あと3日で終演って時に一人で行ってみた。

息もつかせぬって言うほどハードでもないのに、とにかくひきつけられて、
途中、中だるみすることもなく(私が、です)一気にラストまで・・・

夫に嫌気がさし、離婚を決意して実家に帰る妻。
だが、1か月たっても夫は迎えに来ないどころか連絡もよこさない。
ある日、夫の姿を見かけた妻が、彼を追いかけて入ったレストランで、トイレにいるだろう夫に呼びかけると、はたして夫が現れる。
が、彼は身分のわかるものを何も持たず、記憶もあいまい。
自分の足取りを調べた夫は、東京にもう一人の自分がいて、普通に仕事をしていることを知る。
ドッペルゲンガー

しかし、そんなことが起こっているのは彼だけではなかった・・・。
この町の、そのレストランにはなにか特別な力があるらしい。
そのことに気が付いて調べて行くと、他にも過去に不思議な出来事が起こっていたようだ。

と、不思議な世界にどっぷりとはまっていく。

前川さんの作品は、こんな感じで、現実とも異次元ともつかないような不思議なシチュエーションのものが多い。

以前にお話しする機会があった時に、「太陽」と言う作品の中に出てくる、新人類を「ノクス」今までの旧人類を「キュリオ」と名づけていることについて、
「こういう名前は、どういう風に思いつくんですか?」とお尋ねしたところ、
「男子ってこういうの考えるのが好きなんだよね~」なんて笑ってらっしゃった。

今回も、現実にはありえないドッペルゲンガーの世界が繰り広げられるんだけど、
それに遭遇する人たちのびっくり具合とか、到底受け入れられない感じがとってもリアルで、
また、その反応がコミカルで、会話があまりにも普通で、なんの不自然さもなくその世界にすんなりと入ってしまう。

「いやいや、ないでしょ」と思いながらも、思わず身を乗り出している自分がいる。

何とも言えない一体感。

え?もう終わり?って感じで、あっという間に時間が過ぎた。

この日、会場で、セミナーでご一緒させていただいた方とばったりお会いした。
そのあと、Facebook上で、「あのときはどうも!」的なご挨拶をしたところ、
仲村トオルさんが会場にいましたよね~、とおっしゃる。
・・・ぜんぜん気が付きませんでした
いつだってこうだ

それはともかく、最初にも書いたが、ホントに思い切って行ってよかった

「太陽」は来年映画化されるらしい。
昨年の舞台はチケットが取れず観られなかったので、今からとても楽しみだ















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今年も宝塚 ~カリスタの海に抱かれて~

2015年05月28日 | 演劇
「全国賃貸管理ビジネス協会」主催の宝塚貸切公演のチケットをいただいた。

夫の家族と従姉も一緒だけれど、私と友人は席が離れていた。
という私たちも、隣じゃなくて前後だった・・・。

この関連の貸切り公演で初めて宝塚を観た私。
以来、毎年、チケットをいただいて足を運んでいる。
自分で買ったことは・・・無い

今までは2階席とか後ろの方とかだったけど、今回は前から10列目。
出演者の皆さんのお顔がよく見える。

オーケストラピットもすぐ近く

第1部がミュージカル「カリスタの海に抱かれて」
テレビドラマなどでおなじみの大石静さんの脚本だけあって、ストーリーがわかりやすく、
昨年のベルばらよりも面白い気がする。

フランス革命後、マリー・アントワネットが処刑される少し前、
フランスに占領されている地中海の美しい島「カリスタ島」が独立するまでのお話。

さまざまな事件や、ラブロマンスなど、コテコテのハッピーエンドものだけれど、
宝塚の皆さんが演じる男性陣は、本物の男性以上にステキ

ヒロインをはじめとする女性たちは、ちゃんと内臓全部はいってる?ってくらい、ウエストが細くてうらやましい。

第2部は、レヴューロマン「宝塚幻想曲」

くるくると場面が変わり、華やかな宝塚の皆さんが歌い踊り、
さながらディズニーランドのエレクトリカルパレードのよう

電飾が無くても、きらきらしてること この上ない


花組トップの明日海りおさんがステキなのは言うまでもないが、
私的には、制服姿でバスケットボールのゴールを決める柚香光さんのシュッとしたお顔立ちが一番ステキと思った。
この方は1部ではナポレオンの役を演じていらした。

ただ、明日香さんの歌の上手さは、ダントツ

1部で、アニータと言う神秘的な女性を演じた美穂圭子さんの歌もすばらしく、劇団四季を思わせる。

それほど宝塚ファンってわけでもない私がこんなに素敵って思うくらいだから、
ホントの宝塚ファンの方たちの想いってすごいんだろうなあ。

今まで、何度かこの不動産がらみの貸切り公演にご招待いただいたが、
今回が一番女性客が多かったような気がする。

初めて行ったときには、観客の7割くらいが年配の男性で、ちっとも盛り上がらず、不思議な感じだった。
一度観たから次回は奥様やお嬢さんに、って感じになってきたのだろうか。

そんな中、なにより残念だったのが、開演前の主催者あいさつ。

各地方代表の方たちのご挨拶が終わり、一番エライ方の代理と言う方のご挨拶がいただけない。
満席の宝塚劇場の舞台の上で、今どき珍しい、セクハラ発言連発で、さすがに驚いた。

まずは自民党賛美から始まったご挨拶。
自民党員をご自分たちの力で増やしていきたいので、どうかご協力を!みたいな呼びかけもなんだか違和感があるなあ、と
思いながら聞いていたら、お次は結婚のお話。

今の若者たちは結婚をしなくなっている。
外国では結婚しなくても子供を産むけれど、日本では結婚しないと子供を産まない。
結婚すると言っても40歳を過ぎてからだと、子供も産めない。
だからせめて25、26歳くらいで結婚してもらわないと・・・。

そして人口を増やして空室率を少なくしよう
というオチ(?)に持っていこう、というジョークのつもりだったのかもしれないが、
隣の席の女性などは「セクハラおやじ」とそこそこ大きな声で言っていたし、
会場もちょっとざわざわ・・・。

そんな空気を全く読まず、最後まで「自分は気の利いた冗談を言ったぞ」的な感じでへらへら話しているエライおじさま。

よく、議員さんが辞任に追い込まれる発言そのままなのに・・・。

出演者全員女性、観客の7割くらいも女性って中でこの発言ができた彼はある意味すごい
そして、この方を代表挨拶者に任命した会社って女性が働きやすいんだろうか・・・?

これが、終わった後の挨拶だったら、後味の悪い気持ちで帰らなければならないところだったけれど、
最初でよかった

そんなことも忘れさせてくれるくらいのステキな舞台でした

最後に、私の故郷のお隣の町から、宝塚をめざし、この春デビューしたすごい人がいるらしい。
同級生のお嬢さんのお友達で、彩音星凪さんとおっしゃるらしい。

はっきり言って、札幌からも100kmは離れている地域。
ここで、生まれ育ち、大きな夢をあきらめずに持ち続け、努力を重ね、実現した彼女はホントにすごい

詳しくは、同級生が発行している、こちらの「共犯新聞」の記事をご覧ください。

http://kyouhanshinbun.hp2.jp/kansai2015-0502.htm

距離も情報量も学習環境も、宝塚が身近にあるライバルたちとはかなりのハンディがあったと思う。
ご両親の応援も大変なものだっただろう。

ほとんど関係ない私だけれど、彼女の今後の輝かしい未来を応援したい









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【観劇メモ】地獄のオルフェウス

2015年05月25日 | 演劇

 

なんとも救いの無い重~い余韻が残る。

だって、幸せな人が一人もいない。
差別・偏見・暴力がうずまく小さな田舎町では、もはや保安官だって「保安」していないのだから。

自由の国のはずのアメリカが、もしかしたら、このちいさな島国よりも閉鎖的かも、と思ってしまう。

とりわけ人種差別のレベルが違う。
人間とも思っておらず、いとも簡単に命を奪ってしまう。
勝手な大義名分のもとに・・・。

イタリア移民の成功者の娘だったレイディ(大竹しのぶさん)は
父の成功をねたむ人種差別の秘密結社に殺され、それとは知らずに 金で買われるようにそのリーダーと結婚してしまう。
彼女の夫ジェイブ(山本龍二さん)は不治の病におかされていて、余命いくばくもない。
レイディは夫の死を楽しみに待つかのように、新しい店の開店準備を始める。
そこに、保安官の妻ヴィー(三田和代さん)の紹介で、
ギターを手にしたミステリアスな若者ヴァル(三浦春馬さん)が現れ、レイディの店で働くようになる。
レイディはもちろんのこと、名家の娘だけれど、その奇行からみんなに疎まれているキャロル(水川あさみさん)もヴァルに心を惹かれ、
彼こそが自分をこの町から連れ出してくれるはず、とかすかな希望をいだく。
若く、魅力的なよそ者の出現に、町の男たちの嫉妬は日に日に高まっていき、身の危険を感じるヴァル。
自分の父の死が事故ではなく、夫達による殺人だったことを知ってしまうレイディ。
妻のヴァルへの想いに気が付き、嫉妬のあまりレイディに銃を向けるジェイブ。

もう最後はどろどろの殺し合い・・・。

近所の女性たちの噂話の前ではかたくなに、
夫の前では嫌悪感をあらわにしつつ、卑屈な態度で、
ヴァルの前では少女のようにかわいらしく、時に妖艶に、
と大竹しのぶさんが別人のようにくるくると変わる姿がすごい。

ただ幸せになりたいだけなのに、という切なさがひしひしと伝わってくる。

三浦春馬さんは、テレビより舞台の方が断然ステキ
歌もお上手
ものすごい女ったらしなのかと思いきや、小心者で意外と誠実っていう男の子を好演。

山本龍二さんは「鼬」のときもそうだったけれど、狡猾さと凄味のある怖さで背筋がざわっとする。

保安官までが一緒になって、人殺しを黙認してしまうという恐ろしい町では
逃げ出す以外に生きる道はないのだけれど、それができない人たちの暗澹たる思いが舞台上全体に渦巻いていて
とにかく重かった・・・。

この舞台の初演は1940年だという。

形は違うかもしれないが、現代においても、さまざまな差別や偏見や暴力が渦巻いている。

それとはちょっと違うけれど、力を持つ人たちがが作り上げる大義名分のもと、理不尽がまかり通る図式は、
まさに今、日本の国会でも民主主義の薄いベールをかぶせられて繰り広げられている気もする。

こうやって形を変えながら、いつの時代にも繰り返されていくのかと思うと、ちょっと切なくなってしまうけれど、
せめて私たちは自分の身の周りで、できることから小さな幸せを積み重ねて行かなきゃ、と思ったりする。








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マーマレードとジューンベリージャム

2015年05月24日 | グルメ
庭の夏みかんが今年は大豊作

去年はたったの2個だったのに、なんと53個も
収穫の前に2個落ちていたので、実際には55個だったことになる。

10数個はそのままおすそ分けして、マーマレードを作ろう

マーマレード作りはとにかく皮をむくのが時間がかかる。

私が時間的にも集中力的にも作りやすいのは4個。




まず、皮のきれいなものを選んで1個むき、皮の白いところを取って細く切る。

以前にレシピ通りに2個分の皮を入れたら、「苦い」と息子たちからクレームがついたので、今回は1個分。



水にさらしてから、湯がいて絞るっていうのを、3回やってみる。
そうすると苦みが取れる、と夫の従兄が教えてくれた。

あとは、撮りためたドラマを観ながら、ひたすらむき続ける。



全部向けたら、最初に皮と実を水を加えて煮込み、砂糖を何度かに分けて加えながら、煮詰めること3時間余り。

もとの半分くらいの量まで煮詰めて完成。



この夏ミカンは、それはそれは酸っぱいので、食べるときは



こんな風にお砂糖をかけて

3回目のマーマレードを作る頃、ジューンベリーも収穫。

2/3は鳥にたべられてしまい、これだけになってしまった。



例年、種を裏ごしするのがホントに面倒なのだけれど、今年は大丈夫

なんせ、ジューサーと言う強い見方が

一度ジューサーにかけたものを、お砂糖と一緒にお鍋でぐつぐつ。



少ないけれどできあがり

昨年までの裏ごしはいったいなんだったんだろうってくらいの楽ちんぶり

ちょこちょこむいたりマーマレードにしたりしているうちに、
夏みかんの残りはあと7個。

もう1回マーマレードが作れそう

夏みかんの木には、次の実がつきだした。

このままいけば来年もたくさん採れそうです
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夜想曲集

2015年05月22日 | 演劇

 

カズオ・イシグロ氏の短編集「夜想曲集」から3篇を選び出し、長田育恵さんが脚本を手がけたこの作品。

このところの長田さんのご活躍には目を見張るものがある。

「老歌手」「夜想曲」「チェリスト」

今回選ばれたこの3篇の物語のテーマは

才能への憧れ、遠い夢、誰かを愛すること・・・、と長田さんはおっしゃている。

誰もが一度は心に抱く感情だ。

それぞれのお話は独立したものだけれど、登場人物が微妙にリンクしていて、次の物語への余韻を残し、
すっと受け渡される。

前のお話の続きなのかなあ、と思ったらそうでもなかったり、でもちょっと伏線があったり。

東出昌大さんが演じる、ヤンというチェリストの青年がややストーリーテラーっぽい。
旧共産圏出身っていう設定からか、時に純粋で時に無神経で・・・。

1話目の「老歌手」に出てくる往年の歌手、トニー・ガードナーを演じる中嶋しゅうさんが渋い
この老歌手の若く美しい妻リンディを演じるのは、何年たっても美しい安田成美さん。
ホントに美しい

二人はとても愛しあっているのに、もう一旗あげたいトニーは、新しい若い妻を迎えるために、
離婚を計画し、最後のセレナーデをゴンドラから妻にむかって歌おうとしている。
ヤンはその伴奏を頼まれる。
この歌が終われば夫が自分のもとから去っていくのを妻も知っていて・・・、という切ないストーリー。

トニーの、夢を取るか愛する人を取るかの葛藤が痛いくらいに伝わってきて、コテコテの日本人の中嶋さんが
渋い外国人に見えてくる。

夢を追いかける愛する人の背中を押す妻の強がる姿がこれまた切ない。

大人のラブストーリーだ。

続く「夜想曲」はちょっとコミカル。

実力はあるのに、全然売れないサックス奏者のスティーブンを近藤芳正さんが演じる。
こともあろうに、売れない理由は「顔」がいけない、なんて言われて、半ば強制的に整形手術を受けさせられる。

顔がダメ、って言われる人の役を演じるのもちょっとお気の毒な気もする。

手術後の療養先である高級ホテルで、先に登場したそもそも美しいリンディも手術を受け療養中であることを知るスティーブン。

才能がないのに有名な彼女に反感を持っていたが、しだいに距離が縮まり・・・。

手術後の2人、ってことで二人ともミイラのように包帯ぐるぐる巻き。
なんとなくへそ曲がりだけれど実はわりと素直なスティーブン、屈託ないリンディに振り回されてる様がなんとも楽しい。

強気なマネージャー、リリー(入来茉里さん)に顔がよければすぐにメジャーになれる!なんて言われちゃったり、
と踏んだり蹴ったりのスティーブンだが、結局どれくらいステキな顔になったのかはとうとう見られなかったのが、とっても残念

そして、最後にヤンのお話「チェリスト」

旧共産国を出てまもなくの頃、イタリアで音楽家を目指していたヤンの前に、
自らを「高名な音楽家」と名乗る女性エロイーズ(渚あきさん)が現れ、個人教授を申し出る。
何とも神秘的というか胡散臭いというか・・・。
「天才の世界」をヤンに「私たちの場所」と淡々と言ってのける彼女に、「今見えた気がした」と叫ぶヤ純粋なヤン。

残念ながら、私には死ぬまで見えることが無い世界とは思うけれど、ある部分での天才っていう人は確かに存在すると思う。

なんとも純粋な感じの青年に東出さんはぴったり。
後に天才を語ったとしても、何の嫌味もないことだろう。

CMなどでは、甘いかわいらしい話し方の安田さんが、ちょっとセレブな大人の女性を凛と演じる。
この方がずっとすてき
本当にお顔が小さく、長身に華やかな衣装が映える。
オードリー・ヘップバーンを思わせるくらい。

それぞれのストーリーは人の心の機微をそれはそれは繊細に表していて、
難しいなりに胸が苦しくなる。
カズオ・イシグロさんの小説は読んだことが無いけれど、原作も繊細なことだろう。

天王洲にある銀河劇場は、私にとってはアクセスが今一つなので、いつもは敬遠しがち。
でも、行ってよかった

この日お付き合いしてくれた、最初に勤めた会社の同僚は私よりもさらに家が遠くて、ちょっと申し訳ない。
昼間の公演だったので、帰りは銀座でお茶をしたり、焼き物に造詣の深い彼女に誘われて、ギャラリーをのぞいたり・・・。
彼女が一緒でなければ、まず足を踏み入れない場所だ。

芸術三昧(?)の有意義な1日を過ごさせていただいた。

来月も長田さん脚本の舞台を一緒に見る予定

また来月、よろしくお願いします












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