ゆるゆるらいふ

とりあえず、今日も一日機嫌よく・・・

【観劇メモ】ここには映画館があった

2013年11月27日 | 演劇

戯曲セミナー前週の講師だった、坂手洋二さん脚本演出の舞台を、割引料金で観に行ってみる。

失礼ながら坂手氏の舞台を観るのは初めて。

架空の街のつぶれそうな映画館が舞台のお話。

坂手氏の体験から、映画の自主上映がさかんだったという岡山が発想の根源になっているとのこと。

客席側をスクリーンに見立て、映画館の客席がこちらを向いて並んでいる。

かつて、映画好きの女子中学生だったという二人が古い映画館で再会。
もう一人、いつも一緒に観ていた女子中学生との思い出の回想へと移っていく。

つぶれそうな映画館はかつてポルノ映画専門だった。
そこが自分の家だってことをひた隠しにしていた女子中学生に重田千穂子さん。
その親友に岡本舞さん。
3人の中で一番映画に詳しく、小学校のころに辛い経験をしたらしい大人びた同級生に、円城寺あやさん。
円城寺さん演じるサヨコは、すでに亡くなっているようだ。

回想は1976年ごろへとタイムスリップ。
とにかく、次から次へと映画の話が続く。

このころの映画で誰もが知っているのは、なんといっても「JAWS」だろう。

配られたパンフレットに、このころ上映されたり、公開された、映画のタイトルが書かれている。

カッコーの巣の上で・ベンジー・グレートハンティング・リップスティック・狼たちの午後・・・

う~ん、懐かしい。

ただ、お芝居の内容は、と言うと、結局よくわからなかった・・・

スミマセン、理解力不足です。


さびれてきた商店街に、映画館を自主上映などで活用することで活気を取り戻そう、っていう
町おこし的なことがテーマなのかとも思ったり、
古き良き映画へのオマージュなのかな、とも思ったり、
そうかと思うと、いきなり沖縄の基地問題が出てきたり・・・。

う~ん・・・

ただ、観ていて、いろんなことを思い出したのは確か。

思えば中学生のころが一番洋画に興味があった気がする。

「ロードショー」とか「スクリーン」とかいう映画雑誌を夢中で読んだりしてたっけ。

田舎の映画はみんな2本立て、みたいな台詞では、「風と共に去りぬ」を観に行ったときのことを思いだした。

2時間に1本しかない列車に乗って、旭川市の映画館まで観に行ったら、ただでさえ長い映画なのに、
イザべラ・アジャーニ主演の「アデルの恋の物語」と2本立てになっていて、朝から暗くなるまで映画館にいたなあ。


最近は舞台ばっかりで、映画はほとんど観ていない。
テレビで放映される洋画でさえ・・・

この舞台を観たら、ちょっと映画館にも行きたくなった

「清州会議」でも観に行ってこようかしら・・・















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後藤悠仁 ヴィオラリサイタル2013

2013年11月26日 | コンサート


日本フィルハーモニー交響楽団のヴィオラ奏者として活躍する後藤氏は、
毎年この時期、ピアニストの清水将仁氏と二人のリサイタルを開催している

高校の同級生である彼は、日本フィルでの演奏以外でもさまざまな場所へと活動の場を広げているが、
有名になっても、まったく変わることなく「いい人」だ。

数年前から、高校の同級生や、近所のクラシックファンの友人たちと共に、毎回楽しみに出かけている。

会場は銀座三越の裏手にある、王子ホール。

開演は夜の7時からだが、高校の同級生と早めに待ち合わせて、
軽く何か食べよう、ということに。

どこに入ろうか、と4丁目あたりをうろうろして、FURLAのお店の前を通ったら、
地下にカフェがあるらしい。
バッグの前を素通りし、店員さんに「いってらっしゃいませ」と声を掛けられながら地下に降りると、
テーブルが4つほどの小さなカフェ発見
先に行ったキムラヤは満席で、何組か待ってたのに、こちらはガラガラ。
まあ、バッグのお店だしね
ここで、軽食をとって、時間までおしゃべり

関東近辺にいる同級生たちで、納涼会とか忘年会とか、何度か集まっているが、
この日一緒に行った友人はたまたま後藤氏とはまだ顔を合わせていないので、
この日が卒業以来初めての顔合わせとなる。
なので、事前に彼女にチラシを見せて、後藤氏の顔を再確認。
彼女が思っていた「後藤君」とは違うらしい・・・

話を聞いていると、彼女が思っているのはどうやら完全な別人・・・。
いったい誰を思い浮かべているのか全く見当がつかない

とはいえ、とりあえず会場へ。

今年の曲目は・・・

アルカンジェロ・コレルリ:ラ・フォリア(ヴァイオリン・ソナタ 作品5-12 ニ短調)

ロベルト・シューマン:おとぎの絵本 作品113

マックス・ブルッフ:ヴィオラのためのロマンス

アンリ・ヴューダン:ヴィオラ・ソナタ 変ロ長調 作品36

そしてアンコール2曲

・・・ごめんなさい

今年も1曲も存じ上げません・・・

でも、毎年、彼の人柄がにじみでる、アットホームなリサイタルに癒されています


例年のように、終演後ロビーで一人一人とあいさつを交わす、後藤氏。

私たちも挨拶をして、外に出ると、強風が吹く、不穏なお天気

寄り道せずにまっすぐ帰ったものの、途中駅で強風のため電車が止まってしまった・・・


その旨を家族に一斉メールすると、夫から「何両目?」とメールが。
「4両目」と返信すると、ほどなく彼が顔をだす

まさかの同じ電車

塾に行ったまま、2つ先の駅で足止めを食っている次男に、ファミレスで待ってるようメールして合流し、
遅い夕食を取り、やっと家に帰りつく。

なんだか、バタバタと盛りだくさんの一日だった


後藤悠仁さん、今年も素敵な演奏をありがとう

忘年会か新年会でお会いしましょう















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くるみ割り人形とプロジェクションマッピング

2013年11月25日 | コンサート
どちらかというとクラシックは得意ではないけれど、
たま~に聞きたくなることがある。

今回はプロジェクションマッピングとのコラボ、と言うことでついついチケットを買ってしまった。

昨年末、東京駅の駅舎の壁に映し出されたプロジェクションマッピングは、圧巻だった

と言っても、テレビで観たんだけれど・・・。

当日は大雨で、くじけてしまい、見逃したのをとても後悔したものだ


今回演奏される曲はくるみ割り人形。

指揮は西本智美さん。
この方も一度観てみたいと思っていた。
演奏は、日本フィルハーモニー交響楽団。
同級生がヴィオラ奏者として所属しているが、この日は出演していなかった。

クラシック好きの友人ご夫妻と私の妹が一緒。
クラシックには全く興味は無いけれど、プロジェクションマッピングには興味津々の夫も珍しくついてくる。

西本さんは、想像していたよりも長身の女性で、宝塚の男役を彷彿とさせる凛々しさ
誰もが聞いたことのある親しみやすいくるみ割り人形の音楽が奏でられると、
サントリーホールの左右の壁面に、ポツン、ポツンとインクがたれるように、映像があらわれる。

壁が、凸凹してるので、ちょっとわかりにくい部分もあるけれど、
室内の様子が映し出され、、人影のような人形のようなものが次々とあらわれる。

絵本のようなメルヘンチックなぼんやりとした画風。

全体的にベージュ系で、派手な色遣いはない・・・。

・・・眠気を誘う色遣いだ・・・

踊りだしたりするのかな、と期待してみていたが、浮かんだり消えたりを繰り返す。

1幕目の最後の方に、雪が深々と降りしきる様子が、一番大きな動きだったような・・・。

花のワルツの時も、花が踊りだしたりするかと思いきや・・・これもそれほど動かない。

いつ動き出すのかと観ているうちに終わってしまった

映像に気を取られ、演奏もちゃんと聞いていなかったことに気付く

う~ん、私ったら何してたんだろう


東京駅があまりに強烈だったために、過大な期待をし過ぎたようだ

加えて、曲が 「くるみ割り人形」ってこともあり、ディズニー映画ファンタジアも頭の中にあったと思う。

勝手に映像に想像を膨らませていた
個人的にはちょっとがっかり・・・

おそらくは大変な思いをなさって作品を作り上げたであろう、アートディレクターの田村吾郎さん、
勝手な想像と先入観で出かけて行ってごめんなさい

先入観なく行っていたなら、素直に感動できたのかもしれない


ただ、動きこそ物足りなかったけれど(私だけです)、
奏でられる音楽とピッタリ合った、心を洗われるような美しい映像であったことは間違いない。

まさにファンタジーそのものでした。

次に機会があったら、心を真っ白にして臨みます







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【観劇メモ】スキャンダラス列島

2013年11月24日 | 演劇



あ~くだらない
と思いながら、毎年観に行ってしまう、スーパーエキセントリックシアターの舞台

三宅裕司さんのおっしゃるところの
ミュージカルアクションコメディと言うジャンルの舞台は、
歌もダンスもアクションも、とてもクォリティが高い。

今回はいつもよりしっとりとした歌が多くて、ドタバタが少なかった気もするが。

スキャンダルが原因で自らの命を絶ってしまった歌手の妹が
素性を隠して自分も歌手になり、スキャンダルを逆手に復讐を・・・みたいなお話しなんだけれど。

写真誌に載る写真を写りがいいように撮り直したり、
スキャンダルってこんな風に作られるのねっていうのがなんだかリアル。

ところどころに織り交ぜられる、
どこまでが台本でどこまでがアドリブかわからない、
三宅さんと小倉さんの掛け合いが楽しい。

特に三宅さんに突然話をふられて、しどろもどろになっちゃう小倉さんは毎回チャーミング

小倉さんファンの友人一家と、妹と私の総勢6人での観劇。

シリアスな舞台の合間合間に、何も考えずにゲラゲラ笑えるこんな舞台を観て、アタマをリセットしないとね







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【観劇メモ】地を渡る船  ~アチック・ミューゼアムと記述者たち~

2013年11月23日 | 演劇

脚本家 長田育江さんの主宰する劇団てがみ座から、公演のご案内をいただく。

この夏、市川海老蔵さんの自主公演、ABKAIのお手伝いをさせていただいたときに
窓口となってくださり、たまたまではあるが、お手伝い当日もご一緒させていただいた。

金子みすゞを主人公にした前回の公演では、本公演前の通し稽古まで見学させてくださった上に、
私が建築士であることを知ると、舞台装置のことまで細かく説明してくださった。
その節は本当にありがとうございました。

長田さんは、実在した人物の人生の中の数年間にスポットをあてて、脚本を書いてらっしゃる。

前回は金子みすゞさんが自らの命を絶つまでの2年間。
常に前向きでいようとした彼女が徐々に希望を失い、絶望の中に命を絶つ魂の叫びのようなものが
ひしひしと感じられる力強い作品だった。

今回の舞台は、財界人であり、民俗学者でもあった渋沢敬三氏が自宅に建てた博物館「アチックミューゼアム」。

「屋根裏の博物館」の意味。

なので、渋沢氏のお話しかと思いきや、地道な活動を渋沢氏に見いだされ、
研究のため自分の足で各地を歩いた研究者、宮本常一にスポットがあてられている。

昭和10年から20年夏、戦争中の不穏な情勢の中、スパイの嫌疑を掛けられたりしながらも、
ひたすらに「ただのひと」たちの生活を聞いて歩く常一と、それを支える家族、ほかの研究者、
渋沢家の人々や使用人たちの様子が、それはそれは丁寧に描かれている。

必ず現地に取材に赴く、という長田さんの脚本は緻密で、かつスケールが大きい。

常一が訪ねた島根の老人が、自分の父親が漁に出て遭難し、何年も色んな島を渡り歩いたことになぞらえて、
常一のことを「船のようだ」つぶやくのが印象的。

老人にそう言われて「積荷は全部焼いてしまった」となげく常一。

このとき、常一は、それまで10年かけて書き溜めた資料を戦争で焼失してしまっていた。

「もとから目に見えない積荷だ」と言う老人の言葉に、自分の身一つで積荷を届けねば、と決意する姿が神々しい。

終戦後、財産などすべてを没収される渋沢氏とともに歩き出す常一。

新たな未来を感じさせるラストシーンだ。


前作の中で、「心が道を照らす」という金子みすゞのセリフが心に残ったので、
ABKAIの時に、長田さんに聞いてみた。

あれは、金子みすゞがホントに言った言葉ですか?と。

彼女の詩の一節をヒントに思いついたセリフだとおっしゃる。

今回の登場人物たちも、民俗学、自分の環境、反戦への想いなど、さまざまな素敵なセリフを話す。

長田さんが現地や書簡を取材して、生まれた台詞なのだろうが、
想いを的確に表している感じがして、すっと胸に響いてくる。

この日は終演後、長田さんや演出をなさった方のアフタートークがあり、
苦労話などを聞くことができ、ちょっと得した気分

これからも、素敵な作品を書いてください。
次回作を楽しみに待っています















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