ゆるゆるらいふ

とりあえず、今日も一日機嫌よく・・・

【観劇メモ】ART

2015年04月30日 | 演劇

市村正親さんの舞台って、今まで観たことがなかった。

ミュージカル系がちょっとニガテなので、先入観があったのかもしれない。

今回、生協でチケットが割引になっていたので、ちょっと買ってみた。

実はこのところ平田満さんが少しばかりマイブームってこともある。

G.Wの始まりってこともあり、みなさん忙しそうなので、とりあえず予定の無い夫を連れて行く。

劇場は池袋のサンシャイン劇場。

今回のこの舞台は、同じメンバーで16年ぶりの再演とのこと。

攻撃的な航空エンジニア、マークを市村正親さん。

アートが好きで、高額な「白い絵」を買ったためにマークに攻撃される皮膚科の医師セルジュに益岡徹さん。

失業し、やっと文房具店で職を得た、前出の二人に比べるとちょっとパッとしないイワンに平田満さん。


白いキャンバスに白いラインが描かれている、という一見ただの白にしか見えない絵を、
嬉しそうに、自慢げにみせて喜んでいるセルジュに対して、いらいらを隠せず、厳しく攻撃するマーク。

言い争いがエスカレートし、絵以外のことにも言及しはじめ、どんどん険悪になっていく。

穏やかで人のいいイワンが中立的な立場をとれば、二人はイワンを見下すようなことを言って、傷つけたりする。

イワンが爆発して、5分くらいの長台詞を一気にまくしたてると、会場からは拍手が


最終的には仲直りして、中年のオジサン3人の友情は深まっていく?

結局、この絵の価値を一番理解していたのはマーク?


ともあれ、ベテラン3人の掛け合いは絶妙で、楽しい。
それぞれがいかにも、あ~いるいるこういう人、って感じ。

初めて見た舞台の上の市村さんはさすがに立ち居振る舞いがかっこいい。


夫は演劇には全く興味がないのだけれど、ベテラン3人の軽妙な会話に、時折笑い声をあげながら
眠ってしまうことなく最後までちゃんと観ていた。

あっという間の1時間半。

突発的に買ってしまったチケットだけれど、楽しい時間を過ごさせていただいた。

普段二人では出かけない夫も楽しめたようだ、と思ったのもつかの間、この翌日から、
彼はウィルス性胃腸炎でG.Wを棒に振るのでした・・・
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鶴瓶噺

2015年04月29日 | ライブ
ここ数年、この季節の私の恒例行事となった、「鶴瓶噺」

会場は世田谷パブリックシアター。

妹と夫と3人で出かけて行く。

昨年も同じメンバーだ。


毎年ご本人もおっしゃってるが、落語ではない。

鶴瓶さんが日々遭遇する面白い出来事を、ひたすらしゃべり続け、ちょっと映像が交じったりもする。


とにかく面白い。

よくもまあ、こんなにいろんなことに遭遇するものだ、と感心するくらい、いろんな出来事に遭遇しているし、
マネージャーさんをはじめ、彼の身近にいる人たちもかなりの曲者、強者揃いだ。

そこに、鶴瓶さんの巧みな話術が加わって、とにかく毎回涙が出るくらい笑える

このくらい笑うと、かなりすっきりする

ただ、今回はちょっとジーンとするお話も。

それは鶴瓶さんの師匠である笑福亭松鶴さんのお話。

きびしくも温かく鶴瓶さんを見守ってくれていた師匠が、病気に勝てずに亡くなってしまう。

日々、最後の日にむかって力を失っていく師匠を、慈しむ鶴瓶さんや、他のお弟子さんたち。

亡くなったのち、鶴瓶さんのもとに次々と師匠の情報が集まってくる。

偶然に二人が写っている映像とか、病室で師匠が書き続けたメモとか・・・。


人は亡くなって終わりじゃない、と鶴瓶さんはおっしゃる。

生きている人たちによって、その人の想い出のバトンが渡されていく・・・、と。

また、米朝さんが生前おっしゃっていたという「生まれるのも日常、死ぬのも日常」という言葉も胸に響く。


この日のつい一週間ほど前、高校の同級生が亡くなったことは、すでに書いた。

私は、故人とはそれほどお付き合いがあったわけではないけれど、
彼と親しかった人たちから、たくさんの情報が集まってきた。

自分が親しかったと錯覚しそうなくらい・・・。

そして私はその時に聞いた色々なことを他の友達にも伝える。
多分、今後も機会があればそうするだろう。

彼のご家族も、他の友人たちも、きっと彼のことを折に触れ、話すことだろう。

そうして、バトンが渡されていくのだな、と思う。

鶴瓶さんのお話を聞きながら、高校の時のなんだかいつもニコニコしていた故人の顔を思いだし、
ちょっぴり胸が熱くなった。

大笑いして、ちょっと感動して、どちらもちょっと涙を流し・・・。

すっきりして、心が温まったいい一日でした。

来年もきっと行きます。

そして私も もうちょっと きょろきょろして、面白い出来事を探してみよう













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小林一茶

2015年04月26日 | 演劇

小林一茶の人となりを綴るお芝居なのかと思ったら、ちょっと様子が違う。

どうやら一茶は大金を盗んだ犯人らしい・・・。

これは一茶が大金を盗んだ嫌疑をかけられ、禁足された7日間に焦点を絞った舞台だ。

何故そんなことに、と疑問を持った見廻同心見習の五十嵐俊介が
お吟味芝居を仕立てることを思いつく。
自らが小林一茶に扮し、一茶の気持ちになってなぜそんなことをしたのかを考えよう、というものだ。

かくして、ご近所の面々が一茶を取り巻く人たちを、
そしてなぜかこのタイミングでつかまっている、飯泥棒が一茶のライバル竹里を演じることとなり、
事件の真相が暴かれていく・・・。

教科書などに出てくる、一茶の句の素朴でとぼけた感じから、
なんとなくいい人のイメージを持っていたけれど、ちょっと違っていた。

自身の野望のために、自分を愛してくれる人を利用し、友人を出しぬき、と
そこそこしたたかないやな奴だ。

いつ裏切られるかわからないので、友達にはしたくないタイプ。

なるほどこれならお金が無くなった時に疑われてもしょうがないというか・・・。

そして、なんとも胡散臭い一茶なら泥棒ってことにしてもいいんじゃないか、というみんなの利害が一致して、
犯人に仕立て上げられてしまう。

江戸での成功を目指した一茶は、この事件を機に江戸を離れ、芭蕉や蕪村の型を離れて
自由な表現ができるようになり、今日に知られる人物となったらしい。

うそつきでしたたかで、でもなんだか憎めないお茶目な一茶を和田正人さんが好演。

何度も騙され、出しぬかれながら、一茶の実力を認め、憎み切れないライバルの竹里に石井一孝さん。

一茶を愛して、裏切られるおよねをはじめ、4人の女性を演じ分けるのは荘田由紀さん。
なんとも艶っぽい。

舞台上では7日間しか過ぎていないけれど、そこに至るまでの一茶のさまざまな行いが、
回想シーンとして現れ、一茶の半生とまではいかないにしても、そこそこ長い期間の一茶の生き方が
丁寧に描かれていて、私の中の勝手な一茶のイメージが、ずいぶんと変わってしまった。

「こういう人なんだから、罪をあと1個くらい付け加えてもべつにいいんじゃない?」的な冤罪は
今の世にもまだあるのかもしれない。
ちょっと素行の悪い子が、なんとなく疑われてしまうことがあるように・・・。

人を色眼鏡で見ないようにすることはむずかしい。

情報があふれている今、マスコミの情報を鵜呑みにして、それだけを判断材料にするのはとても危険だ、
と言うことを改めて考えさせられた。

パンフレットに、故井上ひさしさんが選んだ一茶の句がいくつか書いてあった。

芭蕉の句には説明が必要だけれど、一茶の句はわかりやすい、
わかりやすい句を詠んだのは一茶が日本最初の人かも・・・、と井上さんは書いている。

井上さんが選んだ句の中に

芭蕉の

荒海や佐渡によこたふ天の川

と比べて

うつくしや障子の穴の天の川

というちょっとスケールの小さい句と、それとは対照的に

木曽川に流れ入りけり天の川

というスケールの大きな句がある。

天の川の見え方一つで、こんな風に表現が変わる。
たしかにストレートでわかりやすい。

なるほど俳句は奥が深い・・・、なんてことにも改めて気づかされた舞台でした。






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生け花体験

2015年04月25日 | フラワーアレンジメント
生け花をやってみたい、と妹が言う。

フラワーアレンジもいいけれど、少しのお花でステキに生けてみたい、と。

と言っているときに、彼女が持っているクレジットカードのサイトで、
3回レッスンできるというチケットを発見。

早速二人で行ってみた。

教室は、めったに行かない恵比須にある「ボタニカリズム花教室」

めったに行かないので、めちゃめちゃ道に迷ってしまった。
斜めの道をどんどん歩いて行ってしまい、かなり離れた先の方にたどり着き、遅刻してしまう。

この日のこの時間レッスンを受けるのは私たち二人だけ。

今回のテーマは「変わり者の春景色」

私はフラワーアレンジを習っているので、いつもはオアシスに花をアレンジしていく。

でも今回は生け花なので剣山を使う。

花材は

リューカデンドロン・カーネーション・プロメリア・ブプレリウム

1本目のリューカデンドロンは器の高さ+高さの1.5倍の長さで真っ直ぐ挿します、
なんていう説明がなんだか新鮮。

アレンジとは違い、花材が少ないので、わりと短い時間で終了。

お茶をいただきながら、雑談の中で、先生には小さなお子さんがいらっしゃって、
お仕事をセーブしていることを知る。

かつての私たちもそうだった。

子供がいると、自分のスケジュール通りには決して事が進まない。

渦中にいるときは、とてつもなく長い時間に感じて、いったいいつまでこれが続くんだろう、と
途方に暮れることもあったけれど、振り返るとあっという間だ。

もっと丁寧に接していれば、なんてちょっぴりの後悔もあったりする。

そんな親の気持ちもなんのその、子供はちゃんとそんな母親を愛してくれる。

ありがたい

で、完成したのはこれ。



アレンジと違って、完成したものを一度全部抜いて持ち帰り、家に帰ってまた生け直す。

自分だけでやるとビミョーに違うけれど、よしとしよう

あと2回レッスンは残っている。

新しいことを始めるのって、いつでも、いくつになっても、ちょっとわくわくする








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さよなら

2015年04月20日 | 友達
高校の同級生の訃報が届いた。

「ああ、とうとう・・・」と思った。

ホスピスに入院した、と聞いていたからだ。

彼とは、同じクラスになったことがあったっていうくらいで、特に親しいということもなかったのだけれど、
彼と親しかった人たちが周りにいて、ちょくちょく情報が入ってきた。

すい臓がんになってしまったこと。

カバノアナタケというキノコのおかげで、劇的に回復し、職場復帰を果たしたこと。

お酒を飲みに行けるくらい回復して、一緒に飲んだ、と言う話。

家に遊びに行ったという話・・・。

奇跡ってあるんだなあ、と思っていた。

その後、話題にのぼらなくなり、元気でやっているのかと思っていたら、
ホスピスに入院しているらしい、という話が耳に入ってきた。

お見舞いに行ったという話。

会いたい人はたくさんいるけれど、衰弱している自身の姿を見せたくない、と言っていたこと。

ちょっとだけ自宅に帰ったってこと。

大阪から札幌までお見舞いに行った同級生がいたこと・・・。
そして、その彼が大阪に戻る飛行機に乗る直前に、訃報が届いたこと・・・。

奇跡はおこらなかった。

思いつく同級生に、このことを知らせた。

あまり、知らないけど優しい人だったよね。

いつもニコニコしてたよね。

と、おしなべて、優しい笑顔の人、という印象をみんなが抱いていた。
悪いイメージを持っている人がただの一人もいない。

なんて素敵なことなんだろう。

葬儀の日程も伝わってきたので、弔電を打った。

それほどのお付き合いはなかったけれど、あまりにいろんな人から情報が入ってくるので、
なんだか親しいような錯覚に陥ったのかもしれない。

参列した友人によれば、名前が違う風に読まれていたらしい。
ただでさえ、結婚して苗字が変わってるので、もはや誰だかわからなかったに違いない。

お嬢さんが私の次男と同じ年だと聞いた。
年が明けたら成人式。
振袖姿を見たかったことだろう。

自分のことを思っても、まだまだ子供たちを残して逝くわけにはいかない。
さぞ、無念だったことだろう。

葬儀の前に彼のお宅に弔問した友人によれば、彼が最後に聞いた曲は
ビートルズのデビュー曲「ラブ・ミー・ドゥ」とのこと。

かっこよすぎる、と友人は言う。

それを聞かれて、ちゃんと答えられる彼の息子さんもかっこいい。

彼は、同じ職場の同級生に、亡くなる前に手紙を託していて、葬儀の時に読まれたという。

お世話になった各方面の人たちに感謝を、最後には残された家族のことをよろしく、と。

数年前に、やはり友人ががんで亡くなった。
彼もまた、残された日々の中で、着々とその日への準備を進めていた。

このとき集まった仲間たちで話したものだ。

「死にざまは生きざまだ」と。

もしも私が余命を、宣告されたら彼らのようにできるだろうか・・・。

ただ言えるのは、月並みだけれど、その日が来るまでの一日一日を大切に生きて行かなければ、ということかも。
大きなことはできなくても、せめて恥じることのない人生を送りたい、と切に願う。

次の同窓会でお会いできなくなってしまったのが本当に残念です。
どうか安らかに・・・。

合掌





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