ゆるゆるらいふ

とりあえず、今日も一日機嫌よく・・・

舞台「友達」を家で観る!

2021年09月29日 | 演劇

【友達】

作:阿部公房

演出.上演台本:加藤拓也

新国立劇場 小劇場

友達 | シス・カンパニー | SIS company inc.

 

9月のアタマに観た「砂の女」に続き、

阿部公房作品が続いている。

 

もしかして、今、流行ってる?

 

加藤拓也さんの舞台は「心がざわつく」とどこかに書いてあった。

そもそも阿部公房自体がかなりざわつくけど、

確かにざわついた

 

一人暮らしの男、鈴木浩介さんの家のドアがある日ノックされる。

「ドア、どこ?」って思ってたら、なんと床についてる。

 

ドアを押し上げ、山崎一さんを先頭に、大きな荷物を持った9人の家族がぞろぞろとなだれ込んでくる。

 

これが男(鈴木さん)の不条理の始まり・・・

 

あっけにとられる男をよそに、家族は荷物を広げ、そこに住む準備を始める。

 

とにかく男と大家族の話が全くかみ合わないのだ。

 

家長であるお父さんの言うことは、民主主義の理屈にあってるようなあってないような。

最後は負けるに決まってる多数決で物事を決められていく。

 

警察や大家さんを呼んでも

彼らが「友達」と言うので、相手にしてもらえない。

 

大家さんに「僕、一人暮らしってことは大家さんわかってますよね」

と言っても

「一人暮らしってことはわかってるけど、交友関係までは・・・」

と警察への説明もなんだかもやもや。

でも確かにそうよね・・・と納得したり。

 

婚約者にも話が伝わらず、その家族の長男にうばわれちゃう始末。

時には暴力で財布や通帳も取り上げられ、

家の仕事の当番で仕事にも行けず、仕事を辞め、

お金が無くなってくると働けと言われ・・・

 

仕返しを考えてることがばれて檻

おそらくインテリでそこそこ裕福であろう男が

よくわからない家族たちに論破され、まったく太刀打ちできない。

 

この論点がかみ合わない感じは、どこかで見たことあるような気がしたら

政府の記者会見?

 

「そもそも」の所が違っていたら、まったく会話がかみ合わなくて、

どこまで行っても平行線・・・。

 

純粋無垢な感じの有村架純ちゃんがニコニコしながら怖いことを言ったりしたり・・・

かわいいから余計に怖さが際立つ

 

浅野一之さんがなぜか「おばあちゃん」なのが笑える。

オジサンなのになぜ?

女優さんじゃだめだったの?

と思うけどこれが違和感がないからさすがだ。

 

今、仕事している中でも、「そもそも」がぜんぜん違う人がいて、

本当に歯がゆいんだけれど、どうにもならない。

 

自分が「常識」と思っていたことが、相手にとってはそうでないとき、

どっちが正しいのかぐらぐらしてしまう。

 

でも、絶対に譲れない部分は譲らない!と決めて、周りに確認しながら進めているのだけれど。

 

あ~、どうしてこんなに伝わらないんだろう、の「男」のもやもや、いらいらがひしひしと伝わってきて

く~っと胸が苦しくなってくる。

 

やがて、取り込まれ、もくもくと洗濯物をたたんでいる男の姿がなんとも切ない。

 

数で押し切られている社会の縮図を見ているようだ。

 

悲劇的なラストのあと、家族たちはまた平然と次の家を探しに出てゆく。

怖い怖い・・・

 

こんなことあるわけないよな~、と言い切れないところがあって、心がざわつく。

観終わった後もなんともざわざわする。

 

こと舞台のチケットはシス・カンパニーの優先予約から始まって、

色々チャレンジしたけれどとうとうゲットできず、有料配信で家のテレビで観ることになった。

コロナ禍、こういうチャンスが増えて、ちょっとうれしい。

 

その反面、

いつも言ってるけど、配信は「カメラマンさんの目線」でしか見られないのが、ちょっと残念。

 

誰かがアップになっていると周りが見られないので、他の人が何をやってるかがわからない。

ちょっと消化不良気味。

 

かと言って小さい画面でずっと俯瞰っていうのもなんだかな~ってなるだろうし。

 

やっぱり劇場で観たいですね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント
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