落葉松亭日記

ニュース・評論スクラップ、凡夫の日々雑感、山歩記など

日本企業の脱中国が始まる

2020年04月23日 | 世相
コロナ禍はグローバル経済にも影響し、中国にある日本企業がUターンを始めた。
1970〜80年代、欧米に追いつき追い越せと賑わった。
かつて町工場が牽引した「物作り大国」の復活が期待される。
日本企業が“脱中国”加速! 政府が「Uターン企業」支援に2400億円計上へ 識者「中国とのビジネスは危険。国内回帰すべき」 2020.4.23
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/200423/dom2004230006-n1.html

 新型コロナウイルスの感染拡大は、中国に生産拠点や部品調達先を依存しすぎた日本経済の危険性を明確にした。医療用品の輸出管理を強化して、いわゆる「マスク外交」を展開した隣国の姿には、共産党独裁国家の本性を感じさせた。こうしたなか、日本政府が打ち出した緊急経済対策に、「生産拠点の国内回帰」を後押しする企業支援策が盛り込まれ、注目されている。日本は「モノづくり大国」として復活できるのか。

 《このマスクを待ち望んでいた。Made in Japanを待ち望んでいたのは、他ならぬ日本人だったことを、政界、経済界はこの機会によく認識するべきだと思う。コスト効率だけではない、信用、信頼、安心感と言う大きな付加価値がそこにはある》
 自民党外交部会の中山泰秀部会長は20日、自らのツイッターに、こう書き込んだ。家電大手のシャープが翌日、「国産マスク」の個人向け販売を始めるのを心待ちにしていたのだ。

 中山氏は、町工場を多く抱える衆院大阪4区の選出だ。高度経済成長期に、日本の製造業を牽引(けんいん)してきた地域を知るからこそ、以前から、日本企業の「中国依存」のリスクを懸念していた。

 今回、新型コロナの影響で、中国から資材や部品の調達が滞る地場企業が出てきた。
 中山氏は「これまで、経済界はあまり『政治的リスク』を考えずにきた。生産ラインを多元化し、製造基盤を国内回帰させなければ、まずい」との信念を強くした。

 政府・自民党内にも、同様の認識が広がっており、2020年度補正予算案に、サプライチェーン(部品供給網)再編支援として計2435億円を盛り込んだ。具体的には、2200億円を中国から日本にUターンする企業に、残りは東南アジアなどの第三国に生産拠点を分散化する企業を支援する。中小企業に移転費用の最大3分の2、大企業に2分の1を補助する。

 早速、生活用品大手「アイリスオーヤマ」(仙台市)は20日、これまで中国で製造していた家庭用マスクを、6月から宮城県の工場で一貫生産すると発表した。同工場では、マスクの主材料である不織布も製造する。

 同社広報室は「輸出制限などの対中国リスクを回避する。国内生産により、(店頭に並ぶのは)2週間早くなる」と語った。

 これまで日本企業は「政冷経熱」の言葉にあるように、日中の安全保障関係が厳しいなかでも、経済関係は別次元ととらえてきた。財務省貿易統計によると、日本の対中国輸出は18年に計15兆9000億円(対前年度比6・8%増)、輸入も19兆2000億円(同4%増)となっている。

 今後、日本企業の「脱中国」は進むのか。
 中国事情に詳しい評論家の石平氏は「中国はこれまでも経済を政治的に利用し、日本を翻弄してきた。新型コロナでは、隠蔽工作が指摘されるなど共産党独裁国家としての本性をあらわにした。中国とのビジネスは危険が多い。今回の補正予算案では、安倍政権の『脱中国』という本気度がうかがえる。中国に邪魔されて、日本企業には損失も出るだろうが、長期的な視点から国内回帰すべきだ」と強調する。

 コロナ禍で関心が薄れているが、米中両国は現在、5G(第5世代移動通信システム)をめぐる覇権争いを続けている。
 前出の中山氏は「日本は5Gの先をにらみ、半導体や部品は独自に調達し、国内生産に切り替えていくべきだ。自民党としても、より支援を拡充したい。われわれは、昭和の先達者の残したアセット(資産)の恩恵にあずかり、今があることに恩義を感じ、日本のモノづくりの本来の力を取り戻すべきだ。『富国強民(=民間活力)』を図るのは、今だ」と語っている。
「宮崎正弘の国際情勢解題」令和二年(2020)4月18日(土曜日)通巻6453号
https://www.mag2.com/m/0001689840.html?l=ivu076c88e

中国の第一四半期GDP速報、マイナス6・8%(嘘くさいが)
大学は出たけれど、就職氷河期どころか、求人募集の企業がない


 4月17日、中国国家統計局は「第一四半期(2020年1月─3月)のGDPがマイナス6・8%だった」と初めてマイナスを公表した。 自動車販売が70%以上の落ち込んでいる上、多くの都市が封鎖され、生産活動が止まっていたのだから、マイナスは当然だが、その幅が僅かに6・8%だったとは嘘くさい。マイナス30%ぐらいではないのか? ちなみに2019年第四四半期の日本のGDPはマイナス7・1%で、これはコロナ発生前である。

 中国湖北省・武漢は人口1100万。ハイテク産業のメッカの一つでもあり、2019年度のGDPは9・27%成長を遂げ、中国全土で八位だった。
なにしろ武漢に進出した日本企業だけでも160社。自動車部品や半導体エンジニアが集中していたことは、五次にわたったANAチャーター便での帰国者分析で明らかとなっている。

 武漢には武漢大学や、工学で有名は華中科技大学など89の大学、短大、各種職業学校があり、三流大学も含めて、二十万人とも三十万とも言われる学生がいる。
とくに華中科技大学(略称=華大)は、工学系の大学院を含めて学生数が十万余。教員3000というマンモス。

 中国の大学制度は、七月卒業。去年まで新卒予定者は就職の内定組が殆どだった。武漢肺炎で76日間、武漢は封鎖された。この間、生産活動はなく、大方が巣ごもりで過ごした。
企業は操業を停止していた。封鎖が解かれると、中小零細企業の多くが倒産していた。

 新卒予定者への就職説明会は例年ごった返し、バブル期は売り手市場、この二、三年は買い手市場。それでも殆どが職場を見つけることが出来た。

   ことしの中国全土の大学新卒者は874万人である。僥倖で就職口をみつけても月給は女工さんより安い。3000元でしかなく、これでは何のために大学へ高い授業料を払って通ったのか、不満の声は澎湃として鳴り響く。

 コロナ以後、求職活動が開始されたが、募集する企業はゼロに近く、説明会も開催されない。そればかりか、「内定」した学生らにも内定取り消し通知。氷河期ではない。凍死場所である。

 新卒予定は874万人のうち、就職難のため卒業後の職業訓練コースを選択した者が、じつに341万人。大学院に進む者が32万人となっている。



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