落葉松亭日記

ニュース・評論スクラップ、凡夫の日々雑感、山歩記など

ベトナムの怒り

2014年05月18日 | 政治・外交
中共は南シナ海でも海洋進出が著しく、ベトナムやフィリピンの怒りを買っている。
石油資源探索と軍事拡張の側面がある。
1980年代からベトナムやフィリピンが実効支配していた砂州や岩礁が次々に武力によって奪取されている。
ベトナムでは中共に対する抗議でデモが暴動に発展し、進出企業400社に被害が出た。
中には同じ漢字圏の台湾企業、日本企業も含まれていた。

東シナ海、日中の排他的経済水域境界にあるガス田の共同開発はその後どうなったのか。
尖閣諸島を侵犯し、中共の傲慢さばかりが目立っている。
南シナ海緊張、中越が掘削で対立 比は中国漁船拿捕 2014.05.08 Thu posted at 19:37 JST
http://www.cnn.co.jp/world/35047613.html

香港(CNN) ベトナムの国家国境委員会幹部は8日までに、同国と中国が領有権を争う南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島近くで中国の国営企業が石油の掘削作業を開始し、周辺海域に軍用船を含む60隻の船舶を集結させてベトナムの巡視船らに故意に衝突するなどの威嚇行動に出ていると発表した。
一方、南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島近くでは6日、絶滅危惧種のウミガメを大量に捕獲していたとして、フィリピン当局が11人乗りの中国漁船を拿捕(だほ)した。比当局は主権保持のための行動としている。
国営企業の中国海洋石油(CNOOC)は今月2日、パラセル諸島近くで海上掘削施設による作業を開始。中国当局はこれより前、同施設周辺に約4.8キロにわたる排他的海域の設定を宣言し、軍用船による監視活動を始めていた。
ベトナムの国家国境委員会副委員長によると、中国船舶による威嚇行動は4日以降に始まり、放水砲なども用いた。ベトナム側に人的な被害が出たとしている。
中国外務省報道官は掘削作業は中国領内の合法的な行動と主張。ベトナム側の嫌がらせ行為は中国の主権侵害であるとも述べた。船舶同士の衝突については確認しなかった。
CNOOCは、スプラトリー諸島の海底には中国の原油やガス資源の3分の1が埋蔵されていると主張している。南シナ海の領有権論争には中国、ベトナム、フィリピンの他、台湾、マレーシアやブルネイも絡んでいる。中国は同海全域での主権を求めている。・・・・

【主張】ベトナムのデモ 中国の掘削に根拠はない 2014.5.17 03:07
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140517/asi14051703070004-n1.htm

 南シナ海での中越艦船衝突を引き金に、ベトナムで広がった反中デモ隊の一部が暴徒化した。中国系の現地進出企業が放火、破壊され、多数の死傷者が出ている。
 台湾系、日系の企業も巻き添えで襲撃された。焼き打ちや殺傷といった無法な抗議行動は絶対に許されない。
 ベトナム当局はズン首相の指示通り、混乱収拾と暴力の再発防止に全力を挙げるべきだ。
 中国と同様、ベトナムは共産党一党の支配下にある。原則禁止されているデモが発生したのは、少なくとも当局が黙認したからだろう。デモ隊が反中感情と同時に社会不満のはけ口を求めて暴走したものだとしたら、抑圧的な体制の問題ともいえよう。

 ただし、事の大本は、両国などが領有権を争う南シナ海パラセル(西沙)諸島海域で中国が一方的に石油掘削をしたことにある。
 中国は、掘削装置を直ちに撤収して対立原因を取り除き、両国艦船がにらみ合う一触即発の状況を沈静化させねばならない。それなのに、石油掘削を棚に上げ、暴動への「重大な懸念」を表明してベトナム側に抗議している。  一昨年、日本の尖閣諸島の国有化に対し、中国各地で抗議のデモ隊が暴徒化し、日系の企業やスーパーが破壊や放火で甚大な被害を受けた。日本側の抗議に、中国政府は「責任は日本にある」と開き直り、暴動に対しまともな責任追及すらしなかった。
 中国は同じ南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島にあるジョンソン南礁も埋め立て、滑走路とみられる施設の建設を進めている。これも即刻、停止すべきだ。
 南シナ海のほぼ全域を囲む「九段線」を主張して中国は領海と唱えているが、国際法上、何ら根拠はない。

 米国のバイデン副大統領は石油掘削をめぐり、中国側に「深刻な懸念」を伝え、ケリー国務長官も「挑発的だ」と批判した。オバマ大統領は先のアジア4カ国歴訪で、安全保障の重心をアジア太平洋地域に移す再均衡(リバランス)戦略を確認したばかりだ。
 南シナ海での中国の強硬姿勢は、米国がどこまで本気かを見定めるためのものという見方がある。中国の力ずくの海洋進出に対抗するため、オバマ政権は言葉だけでなく、断固たる態度を示してほしい。