落葉松亭日記

ニュース・評論スクラップ、凡夫の日々雑感、山歩記など

ロシアの本性

2010年11月02日 | 政治・外交
大国は相手が弱いと見ると次々に踏み込んでくる。これが国際社会。
誠意も仁義もあったものではない。
ロシア大統領の国後島訪問は、今までの北方領土交渉を根底から覆した。

ソ連は日本の敗戦を見るや火事場泥棒的に北方4島を占領した。その本性を受け継ぐかのように、ロシア大統領は日中の尖閣トラブルに乗じ、御自ら足跡を付けに行ったように見える。

露大統領が国後訪問 実効支配強化、鮮明に 2010年11月2日(火)08:00
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/world/snk20101102079.html

 【モスクワ=遠藤良介】ロシアのメドベージェフ大統領は1日、旧ソ連・ロシアの国家指導者として初めて、日本の北方領土を訪問した。大統領は国後(くなしり)島でインフラ(社会基盤)の整備状況を視察し、今後も政府の積極的な資金投下を続ける考えを表明。北方領土交渉を棚上げし、実効支配を強化するとの意思を鮮烈に示した。沖縄・尖閣諸島近海での中国漁船衝突事件に続き、日本の外交姿勢が根本的に問われる事態だ。
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 インタファクス通信などによると、大統領は訪問先のベトナムから空路、極東ユジノサハリンスク経由で国後島に入った。同島の中心地の古釜布(ユジノクリリスク)近郊にある地熱発電所や水産加工場、建設中の港湾施設などを視察。「ここの生活はロシア中央部と同様に良くなる。資金を投入することが大事だ」と述べ、1991年のソ連崩壊後に進んだ人口流出を食い止めるべく発展を加速させる決意を示した。

 北方領土訪問の計画は9月末、中国漁船衝突事件で日中関係が悪化していた最中に浮上した。尖閣をめぐって日中関係が悪化しているすきを突き、圧力を強め出方を探っている形だ。

 大統領は今月中旬、横浜で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)に出席するために訪日する予定で、そこでの日露双方の出方が注視される。

 北方領土をめぐり、ロシア側は現在、「いかなる真剣な交渉も行われていない」(外交筋)との認識でいる。他方、千島列島(クリール諸島)と北方四島では2007~15年の「社会経済発展計画」(計画投資額179億ルーブル=約468億円)に基づく大規模なインフラ整備が進む。領土問題をめぐる日露関係の構図は根本的に変化しつつある。
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 ■首相「訪問は遺憾」
 菅直人首相は1日夜、メドベージェフ露大統領の北方領土訪問について「北方四島はわが国固有の領土という姿勢は一貫している。それだけに訪問は遺憾だ」と語った。首相官邸で記者団の質問に答えた。前原誠司外相は同日、ロシアのベールイ駐日大使を外務省に呼び抗議した。これに対し、ロシアのラブロフ外相は、日本の抗議は「受け入れられない」と反発。ボロダフキン外務次官が河野雅治駐露大使にロシア側の立場を説明した。
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【用語解説】北方領土問題
 1945年8月9日、ソ連は41年に署名され当時有効だった日ソ中立条約を無視し、対日参戦した。ソ連軍は終戦後の8月18日、千島列島への攻撃を開始。28日に択捉(えとろふ)島、9月1日から4日に国後島、色丹(しこたん)島、歯舞(はぼまい)群島をそれぞれ武装解除し、5日までに北方四島(北方領土)を占領した。サンフランシスコ平和条約で日本は千島列島を放棄したが、北方領土は含まれていない。北方領土には終戦時約1万7300人の日本人が居住していた。四島の総面積は約5千平方キロで福岡県とほぼ同じ。

参考
■北方領土問題の経緯(領土問題の発生まで)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/hoppo/hoppo_keii.html

■日ソ・日露間の平和条約締結交渉
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/hoppo/hoppo_rekishi.html

■北方四島をめぐる日露協力の進展
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/hoppo/shinten.html

■北方四島住民支援事業
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/hoppo/jyumin.html

■ムネオハウス
http://www.sasaki-kensho.jp/giwaku/article/suzuki/001.html