本シリーズも22巻目(文庫の方で、単行本はもっと進んでいる)。
ライフワークとは言っても、凄い。
テーマは、明治維新。
昨年の大河ドラマを見ていれば、もっといろいろ突っ込めたのかもしれないが、相変わらずの洞察力と、調査力で、説得力のある議論を展開。
明治維新の混乱の中、ごく初期は、大久保と西郷の役割りがひじょうに大きかったことが、わかる。
そして、西郷の苦悩の末の西南戦争。
その勝敗も、当初はぎりぎりであったことがわかる。
作戦・装備のちょっとの差と、天候のいたずら。
韓国とのややこしい関係は、昔も今も変わらないというかそっくりだ。
だからすぐ戦争を起こすという考えは、今はないが、当時は、当たり前だった。
西郷は、征韓論者と言われるが、特に西郷だけがそうだった訳ではなく、逆に、死に場所を探していた節があるという。
今回は、補遺編が厚い。
本シリーズも長くなり、修正が入るようになった。
邪馬台国は、やっぱりどこ?銅鐸が、何故公式文書に記されていないのか?、元寇の神風は、本当にあったのか?、雲太和二京三が証明された!等々。
これだけでも相当の分量だ。
まずは通説を疑ってかかり、諸証拠を並べて、考えを巡らして、真実を探ろうとする姿勢は変わらない。
だんだん現代史になってきて、今後どう展開するのだろうか。
根拠薄弱な空気を信じてしまう自分に気づかされる。