本書は、新聞の広告で見つけたのだが、あまり期待していなかった。
読んでみてびっくり。
これは、まさに私の興味のあることを、実際にやってくれた方の著書だった。
大谷探検隊のたどった道を緻密に調査し、実際に、何度かに分けて、検証し、まとめてくれている。
大谷探検隊の残した写真と、今の写真を、共に載せてくれているので、リアル。
行くのが難しいところもあるが、丹念に回られている。
資料の調査も緻密で、これは、学者さんの習性だろう。
当時の探検家たちの交流も分析され、情報交換をしながら、全体像を解明していったことがわかる。
もちろん、諜報的な動きもあったのだろうが。
大谷探検隊の発掘品が、散らばってどうなったのか整理できていなかったが、個人に渡ってしまっているものもあるが、主に4つに分かれていて、日本では、龍谷大学と、トーハク。
そして、韓国の中央国立博物館と、旅順博物館なのだそうだ。
それにしても、ダイナミックな探検を、今から一世紀以上前に成し遂げた大谷光瑞のパワーはすごい。費やされた経費も、桁外れ。
大谷光瑞がいなかったら、今の、日本でのシルクロードブームはなかったろう。
そして、シルクロードは、西欧に制覇されていたかもしれない。