本書は、本屋で、たまたま見つけた。題名で、興味を持って、手にとったら、武澤さんの新作ではないか。
早速ゲット。
武澤さんの思索は、どんどん進化しているようだ。
本書では、まず、奈良の大仏、そして、サーンチーのストゥーパ、そして最後にローマのパンテオンに話は、至る。
元々西洋建築からスタートして、インドに目覚め、日本にたどりついた武澤氏ならではの視点からの考察と言えよう。
奈良、サーンチーについては、私も、実際見ているので、実感が沸くのだが、パンテオンは、たぶん行ったことがなく、ハドリアヌス帝の建築がこんな形で残っているとは知らなかった。
そして、それを、宗教観という軸から、サーンチーのストゥーパ、奈良の大仏に結び付けていく。
その糸は、ミトラ信仰だが、インドの文化が、西方から来た人々によって形成されたことは明らかになってきており、その同じ根から、西のギリシャ、ローマに影響を及ぼした文化の流れがあったことは、想像に難くない。
インドと奈良の結びつきは、言うまでもない。
武澤さんのこれまでの著作を、さらに進化させた本書に拍手である。
私も、武澤さんに倣って思索を深めたいが、まだまだ修業が足りない。