ずいぶん関さんの本は読んできたが、本書は、新史論の第五巻。
今回のお題は、万葉集が暴く平城京の闇。
奈良時代の歴史というと、続日本紀に比較的整然と記録されているので、他の古代史ほど議論にはならないが、万葉集を合わせて読むと、実は、裏に、暗い史実が隠されているというのが本書の趣旨だ。
この時代になると、参考にできる文献も増えてくるので、かなりディープな考察ができる。
そして本書は、藤原家と、天皇家との関係を軸に考察すると、今までモヤモヤしていたところがクリアーになるという議論であり、かなり納得感もある展開だ。
本書で取り上げられている事件が起こった場所もかなり特定できるので、よりリアルに読める。
奈良時代というと、かなり伝説というよりは、歴史と捉えられる時代だが、まだまだおどろおどろしい時代であったのかなと本書を読むと思う。
藤原氏というのは、本当に、権力のためには何でもやる悪者だったのか、実力で、権力を握るようになったのか。
読みやすいし、楽しめる一冊。
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